----H----111------------------
----a-----------------------------
----n-----------------------
----b-u-n-a-o-i--------------
-----------------------------------
---------------------------------------------------------------
（鈴愛）調子ええですなあ。
ものすごい もうかっとるやんお母ちゃん。
（晴）何 言っとりゃ～す。ぼちぼちや。
お母ちゃん 分かりやすいわ。え？顔が笑っとる。
（健人）最近 つくし食堂は売り上げ右肩上がりです！
僕のカツ丼の頑張りのおかげね。
健人。 あんたには謙遜っちゅうもんがないんか？
それが アメリカ式か？こいつ 調子狂う。
（里子）こんにちは～。（大地）ババ！ ババ！
はいはいはい。人気あるね。
これが センキっつぁんとおるとすぐ センキっつぁんの方行ってまう。
子どもは本物のおじいちゃんが好きやな。
本物のおじいちゃん？うん。
昔話に出てくるようなおじいちゃん。
お義姉さんこの度は 本当にどうも…。
そう 本当に どうも ご愁傷さま。え？
はっ ご愁傷さま？
りっこ～ん なさった。
そう。 離婚合ってる。ご愁傷さま 違うよ 健人。
いちいち頭来るわ。
（花野）ただいま～！ オーちゃんとどんぐり探したけど なかった！
オーちゃん？
（仙吉）おおジイジのオーちゃんやと。
俺 今日からオーちゃんになってまった。
みんな 来とったんか？ よいしょ。
カンちゃんや！ハハッ もう一回 公園行くか？
いやいや 今 帰ってきたばっか。ハハハハハッ。
（宇太郎）何や また公園行くか？
今度は小さいジイジが連れてったろか？
よっしゃ 靴履いとりゃ～。
階段！階段！
お～ ハハハハッ。ダイちゃん。
（仙吉）気を付けて。（里子）もう本当に階段好きで。
うち マンションやもんで。ああ。
あれ？ 公園行かへんか。
♪～
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪～
鈴愛 あんた 分かっとる？えと 何やろ？
今 うちは草太も毎日通ってくるし健人君もおって。
たまに大地が幼稚園行っとる時里子さんも来てくれて。
はい。人手は足りとる。
働かざる者 食うべからず。うちの家訓や。
そんな家訓が… 知らなんだ。
（龍之介）はあ よく意味分からん。
ほやから 健人がおるやん？
健人が 私の部屋アメリカナイズして 占領しとる。
どんな部屋や？草太の部屋は物置になってまっとるし私は寝る部屋あらへん。
（菜生）あっ 鈴愛ちゃんとこの健人さん西園寺不動産に部屋探しに来とって契約してったよ。
商店街の近所に手ごろなワンルーム出たんや。
本当か？ やった。 助かった。私の部屋が戻ってくる。
アメリカナイズされてな。フフフッ。
まっ 住む家は あると。
うん…。 こんなはずやなかった。
適当に つくし食堂手伝えばええと思っとった。
お前は 本当小さい頃から変わらんなあ。 調子ええ。
ほやけど 帰ってきた時にうちに行列が出来とったんや。
ふぎょぎょ…。ふぎょぎょ…。
ごちそうさん！
うち 金持ちになったんやと思うやないか。
私一人くらい 私と花野くらいなんとかなるやろうと。
あのさ 聞きづらいんやけど慰謝料とか養育費は？
涼ちゃん… あっ 相手やった人。フリーの映画監督や。
スズメの涙や。ほうか…。
仕事か… 難しいぞ 仕事。名古屋出るか？
私 車ないし 電車やと往復に５時間くらいかかる。
ほやったら 家でおとなしくしといた方がええくらいやな。
カンちゃんは どうするの？
私が働くんやったら保育園かなあと思って。
まっ 子どもはなんとでもなるやろ。
その辺の保育園もすぐ入れるやろ。
問題は 鈴愛の仕事やな。
（麦）ただいま～。（めあり 光江）お帰り～。
どやった？ 東京港野鳥公園コアジサシ見れたんか？
うん いた。
祥平さんも よく行くねえ。あれ ２人は つきあってんの？
あっ そういうんじゃないから。私たちは 同じ野鳥仲間として…。
あっ これ。涼ちゃんの映画の初号試写の案内。
初号試写？初号試写ってのは最初のお披露目。
涼ちゃんの映画 完成したんだよ。祥平さんにもらってきた。
「恋花火」 森山涼次第１回監督作品。
ほんまに監督になったんやなあ…。
大騒ぎして鈴愛ちゃんとカンちゃんあんな目に遭わせて。
でも まっ こうやってここまで出来たんだから私たちは褒めてあげようじゃない光江ちゃん。
ほんまやな。
＜あれから 涼ちゃんはやはり 家に戻る事はなくひとりで頑張って…ませんでした。 結局 まだ祥平さんと住んでいます＞
（涼次）うまい。（祥平）そう？
あっ そっち クリーム。
公園出たとこにさ 店出てた。
あっ カンちゃん 好きだったなこれ。
鈴愛ちゃんに出したの？初号試写の案内。
祥平さん 俺そんなに ずうずうしくないです。
（律）は？[℡]（菜生）だからさ菱松電機の受付嬢とか？
もしもしお嬢さん おいくつですか？
えと 私たち全員 同級生なんでもう いい年です。
そもそも 受付嬢なんて今 みんな派遣だもん。
受付嬢自体なくなるかもしれん。
ちょっと さみしい。もしもし？
あっ てか それこそ ブッチャーの方が何かあるんやないの？
菜生ちゃん 心当たりないの？
どうしたって 西園寺家は梟町の顔でしょ？
[℡]地元の名士でしょ？フフフッ まあねえ。
まっ 言ってみれば 私 その 妻？セレブ妻？ フフフフフッ。
（和子）あら 菜生ちゃん？
鈴愛の仕事。あ～ 鈴愛ちゃんの仕事ねえ…。
（弥一）何？ 何だって？鈴愛ちゃんの仕事？
＜こうして出戻った鈴愛の仕事の心配を梟町じゅうでして下さってる訳ですが…＞
（西村）おっ。これは ほんの気持ちです。
草太君とこのカツ丼やないか。
はい。 お重にしてきました。うわ～！
これ どえりゃあ うまいっつって評判。 ありがと。
うち帰って かみさんと一緒に食べさしてもらうわ。はい。
…で 鈴愛ちゃんもらっとって何やけど。はい。
私が農協やめて 何年たつ？はい お元気そうで。
うん。 まあ よう生きとるわ。フフフッ。
あんたんとこのセンキっつぁんもよう生きとるわ。
いくつになりや～た？
８０… あれ ８０いくつになったかな。９０近いんだと思います。
ちょっと サバ読みますおじいちゃん。
かっこつけやでいかんわセンキっつぁんは。
旧制中学でギターやっとる頃からほうよ。 フフフッ。
そんなセンキっつぁんの頼みやでいろいろ あたってはみたけど…。
なかなかなあ…。
ここ 梟町では仕事はなあ…。
えっ？ 何や？
あっ ２つは多かったかと…。
ほういや あんた一回 内定取り消した事があったなあ 昔に。
私が出した内定。漫画家になるとかっつって。
あっ その節は どうも…。
ご迷惑を…。
（まさこ）鈴愛ちゃん やめやあ。余計アホに見えるよ。
余計って どういう事や。
おばさんここで雇ってもらえんかな？
あのなあ あんたの目は節穴か？
お客さん あんたしかおらへん。
ほやな…。
出来た！
おお…。
パパとママとカンちゃん。
カンちゃんパパに会いたないんか？ん？
あっ いやいや ハハハ…すまん すまん。
オーちゃん おうちは一つです。うん？
あのね むうバアバが教えてくれたんだよ。
鳥たちは 地球が家。自由に飛んで どこでも おうち。
ふ～ん…。
パパも カンちゃんもこの一つの地球の上に住んでます。
みんな一緒。 大きな おうち。ほう。
だから全っ然 寂しくないんだよ！
なるほど。
カンちゃんが パパって思うと必ず パパがな～に カンちゃんって思うって約束したもん。
ほうか。
フフフッ…。
あんたは ええ子に育っとる。
♪「空いっぱいに」
えっ？ ボクテ！
（藤堂）鈴愛ちゃ～ん！
えっ！？えっ どうしたの？ ボクテ。
やっぱり ここで よかったんだつくし食堂。
あのね あのね びっくりするよ。
え？ いや てか もうめっちゃ びっくりしてるし。
もう一人 来るよ！え？
いや 昨日さ 僕たち 夜中に電話してて 急に思い立ったの。
明日 鈴愛ちゃんに会いに行こうって。は？
だってさ 忙しくて会えないね～大人になったら会えないね～なんて言ってばっかじゃつまんなくない！？
いや ちょっと待って ボクテ！それで 僕らよ～し！ つまんない大人にはなんないぞ～って事で明日 鈴愛ちゃんちにつくし食堂に３時に現地集合って約束して電話切ったの。
やっと ちょっと分かってきたけどマジ？
マジマジ！・（笑い声）
まさか…。 もう来てるっぽい！・（笑い声）
ユーコ？ ユーコの笑い声だ！
ユーコ！
（裕子）鈴愛！ ボクテ！
あ～ 久しぶり～！
裕子ちゃん！ボクテ 久しぶり！ 変わらないね。
髪 伸びた？伸びた 伸びた。
会いたかったよ～。
Twishort
