不正発覚ラッシュの
本番はむしろこれから!?

 これらの企業は「計画達成」に強い執着があるのはもちろんだが、なによりも「電通人」「東芝マン」なんて言葉があるように、単なる「勤務先」という定義を超越して、死ぬまでその組織に忠誠を誓うことを強いるような、独特の組織カルチャーがある。気兼ねなくて言わせていただくと、全体主義の匂いがプンプンするのだ。

 人口がフリーフォールのように激減していく日本ではもはや、「全員経営」などという、旧ソ連型全体主義が通用しないのは明らかだ。計画経済が行き詰まったように、多くの企業の「経営計画」が暗礁に乗り上げるのは目に見えている。

 そこで本来は考え方をガラリと変えなくてはいけないのだが、「ヤマトは我なり」みたいに古い社訓に縛られていると、その現実を「気合」や「不正」で乗り越えようとしてしまう。そういえば、「全員経営」を掲げるユニクロも、ジャーナリスト・横田増生氏の潜入取材などで、近年は「ブラック企業」のそしりを受けている。

 そう考えると、今回のYHCの「水増し請求」発覚は、氷山の一角というか、これから始まる不正発覚ラッシュの序章なのかもしれない。

 個人的には次はマスコミ、その中でも、これだけ人口が減少しているのに、発行部数がそれほど落ちていないという大新聞あたりがクサいと思っている。注目したい。