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（鈴愛）私　多分　妊娠してる。
（裕子）えっ！？（シロウ）えっ！？（藤堂）えっ！？
えっ　あれ？私　今　ユーコだけに言った。
聞こえてる。鈴愛　声のボリューム調節変。
あっ　片耳聞こえないからか。
いやいや　そういう事じゃない。天然？
あれ　縦線出るやつ　やってみた？縦線出た。
クロだよ　それ。
♪～
♪「おはよう　世の中」
♪「夢を連れて　繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の　歌声も」
♪「線路　風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪～
♪～
ただいま。（涼次）お帰り。
鈴愛ちゃん　お金貸して。外で飲んでくる。
働きなよ　涼ちゃん。（涼次）何やって？
助監督の仕事あるでしょ？
（涼次）永遠に監督になれない助監督なんてやっても意味ないじゃん。
お金　うちに入れてよ。
（涼次）要らないよ　こんなハシタ金！
私は　大納言で時給８００円だから…。
私の　ほぼ４時間。
（涼次）貧乏くさ。
♪～
イタッ…。
（ブザー）
（光江）鈴愛ちゃん！　どないした！？
大丈夫か！？　おなかか！？
（ブザー）
♪～
ここまでな　タクシーつけられたらええんやけどな。
あ…　もう大丈夫です。大丈夫か？はい。
この子なおなか痛いって倒れやしたんや。
そんな大げさな…。何でもなかったんだし。
（麦）ストレスか緊張で一時的に痛んだんだって。
ごめん。
本当にごめんなさい。
僕が　この間の一件でぐだぐだになっちゃって何日たっても立ち直らないから鈴愛ちゃん　

心労で…。
あのね　涼ちゃん。
（光江）あっ　あの　うちら席外してよか？
え…　離婚？
もし…　もしかして　離婚？
切り出されんの？　俺。　やだ！俺　やだよ！ああ　違うよ！　違う違う。
あ…　光江さんも　麦さんもめありさんもできたら　ここにいて頂いて。
あっ　そう？　フフフッ。
な…　何？涼ちゃん。
私…子どもができたの。
え…。子どもができたんです。
マ…　マジすか？
マジす。
イ…　イ…　イエ～ッ！
やった！　子ども！
えっ　そんなに？
（涼次）すっげえ　うれしい！子ども欲しかった！
鈴愛ちゃんとの子ども超うれしい！
（光江）なっ　言うたとおりやろ。
この子な　ちょっと　あんさんによう言わなんだんやで子どもできた事。
えっ？しばらく黙っとったんや。
何で！？
だって　涼ちゃんいろいろ大変な時期だったし。
監督になりたいのに子どもなんて邪魔かなとか喜んでもらえないかもって。
何　言ってんの？　鈴愛ちゃん。そんな訳ないじゃん！
俺　すっげえ　うれしいよ。
俺　パパ！　鈴愛ちゃん　ママだ。
涼ちゃん…。
（涼次）ごめんね　ごめん。
鈴愛ちゃん　不安だったよね。
つらい思いさせたね。そんなハッピーな事も言えないくらい負のオーラまき散らしてたんだ

ね。
俺　目が覚めました。
金輪際　映画は　やめる。
えっ？
鈴愛ちゃんと　おなかの子のために俺が働く。
カタギの仕事を探す。
映画の世界から足を洗う！え…。
いいの？
その子の事が一番大事だよ。その子の未来と鈴愛ちゃんの今が。
涼ちゃん…。
あの喜び方は　やばい。
あの子は　この間あんな事があって今が　つらいから…。
それ　言うたらあかん。
言葉にしたらあかん。ほんまになってまう。
鈴愛ちゃんは気付いとらん。ほんでええ。
（めあり）でも　子どもができた事は本当にうれしいんだよ　涼ちゃん。
ほりゃほうや。　それもほんまや。
そうね。
小さい頃　親亡くしてるから余計だよ。
うわ～　きれい　万華鏡。
涼ちゃんのお土産。
４センチか…。
ちっちぇえ…。
いつまで見とる？
え～　だって　これが動くの？
今度　絶対一緒に検診行く。
うん。泣いちゃうよ　涼ちゃん　きっと。
多分…。
（涼次）４センチか…。
祥平さんにはきちんと挨拶をしてやめたいと思って。
（祥平）これからどうやって生きてくの？
何の特技もない３０過ぎの男が職を探すのもなかなか大変だなって事が分かって…。
結局　おばのやってる大納言１００円ショップを手伝わせてもらう事にしました。
私がお店に出られるうちは一緒に働けるし。
この　おなかにいる赤ちゃんのためにもその方がいいかって。
あっ…　そういう事？
そうなんだ。おめでとうございます。
ありがとうございます。
すいません　コーヒー。いえ。
あっ　ちょっと待って。
これ　「名前のない鳥」の脚本料こいだけ。
えっ　こんなに？
祥平さん　自分の監督料　削って…。あっ　いやいや　そんな。
あ…　俺　今回の罪滅ぼしっていうのもなんだけど涼次が　ちゃんと映画監督としてデビュ

ーできるようにあれこれ…。いいんです。
もう　そういうの　一切いいんです。
俺　決めたんで。
そう。
今まで　お世話になりました。
＜こうして　涼ちゃんの長い長い夢が終わり鈴愛とおなかの子との新しい旅が始まりまし

た＞
（仙吉）う～ん…　いい名前や。
（宇太郎）おじいちゃん何やっとりゃ～す。
うどんがのびる。
ちょいちょい。あっ　ちょちょ…。
まだ懲りとらんか。
鈴愛の子どもの名前付けるつもりか？
習字の練習や！
（宇太郎）うどんがのびるぞ。
（晴）５か月やもんなあ。
ん？あ…　そんなもん　あったかなあ。
探してみて　お願い。
そいで送って。
あった！
＜いつの日かおなかにいる鈴愛に話しかけたその糸電話で＞
おとうちゃんやよ～！赤ちゃ～ん！
＜今度は　鈴愛が自分のおなかの赤ちゃんに話しかけると思うと涙もろい晴さんは…。あ

っ　もう駄目ですよね＞