電力不足対策は
原発の再稼働で
酷暑対策といえば、素人ながらの素朴な疑問がある。
例えば夏の全国高校野球大会だが、以前から、どうして炎天下でするのか不思議だった。これまでのしがらみから、阪神甲子園球場で行われているのだろうが、空調設備のあるドーム球場のほうがどう考えても健康的である。いつか大きな熱中症事故が起こりはしないかと老婆心ながら心配だ。
またエアコンに関連して懸念されるのは、夏の電力不足だ。
今のところ電力不足にはなっていないが、学校のエアコン設置が増えれば、電力不足が起こらないとは言えない。
ただし、今や再稼働していない原発が多く、これらを活用すれば酷暑対策も安心だろう。
もちろん、原子力規制委員会の安全基準をクリアするのは当然だ。安全基準をクリアしても再稼働を許さないというのは科学的な態度ではなく、一部の過激な活動家の主張である。
筆者は、原発は、他の電源とのコストや電気料金での競争、いわば市場原理でいずれはなくなっていくはずなので、その流れに任せておけばいいという立場だ。
この原理は、一部の過激な活動家から見れば生ぬるいだろうが、いずれこのことは電力会社も認めざるを得ないだろう。
ただし今、動かせるものは動かすのが自然だし、安全基準をクリアすれば再稼働すればいい。これは多くの人が納得できる実行可能なものだ。
しかも、再稼働といっても、長期的な原発のフェードアウトにはまったく支障にならない。
(嘉悦大学教授 高橋洋一)