片渕須直監督メッセージ
戦争しおってもセミは鳴く。ちょうちょも飛ぶ。
そして、人には人生がある。それが戦争中であっても。
明るくぼーっとした人のように見えるすずさんが
自分以外の「世界の片隅」と巡り合うとき、
すずさんの中にはどんな変化が生まれるのでしょうか。
すずさんの中にあったほんとうのものを見つけてください。
片渕須直
イントロダクション
戦時下の日常を生きるすずの想いがより深く描かれるーー。
2016年11月12日に公開され、深い感動の輪を拡げていき、大きな反響を呼んだ映画『この世界の片隅に』。多くのファンと上映劇場の熱意に支えられ、公開から1日も途絶えることなく600日以上も、日本全国どこかの劇場で上映が続けられた。
本作は新規場面を付け足した別バージョンの作品だ。たくさんの新規映像を加えることで、「さらにいくつもの人生」が描かれる。
これまでの映画『この世界の片隅に』とは一部主題も変わってくるため、別の題名をつけた「もうひとつの映画」として制作される。
そして、すずたちの心の奥底で揺れ動く複雑な想い、も描き出される。より大人な印象となるすずにもまた会いに来てほしい。
ものがたり
広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。
ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりを感じてしまう 。
昭和20年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。
そして昭和20年の夏がやってくるーー。
キャラクター & キャスト
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北條すず(旧姓:浦野)
18才で広島から呉の北條家に嫁入りする。絵を描くことが好き。
声:のん
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北條周作
すずの夫。海軍軍法会議所の録事(書記官)を勤める。
声:細谷佳正
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黒村径子
周作の姉。娘の晴美を連れ北條家に出戻る。
声:尾身美詞
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黒村晴美
周作の姪で、径子の娘。5才。すずと仲良くなる。
声:稲葉菜月
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白木リン
すずが出会う女性。遊郭に迷いこんだすずを助け、仲良くなる。
声:岩井七世
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水原哲
すずの級友。巡洋艦「青葉」の乗組員。
声:小野大輔
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浦野すみ
すずの年子の妹。女子挺身隊として陸軍の工場で働く。
声:潘めぐみ
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北條円太郎・サン
周作の両親。円太郎は海軍の呉工廠に勤める。
声:
(円太郎)牛山茂
(サン)新谷真弓
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森田イト
すずの祖母。すずの叔父たち一家とともに広島の草津に住む。
声:京田尚子
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堂本・刈谷・知多
すずと同じ隣保班のご近所さん。
声:
(堂本)世弥きくよ
(刈谷)たちばなことね
(知多)瀬田ひろ美
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浦野十郎・キセノ
すずの両親。すずの幼い頃は海苔業を営んでいた。
声:
(十郎)小山剛志
(キセノ)津田真澄
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テル
すずが出会う遊郭の少女。
のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓/澁谷天外(特別出演)原作:こうの史代『この世界の片隅に』(双葉社刊)/企画:丸山正雄/監督補・画面構成:浦谷千恵 キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典 /美術監督:林孝輔/音楽:コトリンゴ/プロデューサー:真木太郎/監督・脚本:片渕須直 製作統括:GENCO/アニメーション制作:MAPPA/配給:東京テアトル/製作:2018「この世界の片隅に」製作委員会