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(涼次)それ 祥平さんに俺から言うんですか?
(斑目)私からは言えない。
えっ 斑目さんプロデューサーですよね。
こういうのを監督に知らせるのもプロデューサーの大事な役目なんじゃないですか!?
分かりました。 ああ そうですか。分かりました。
1999年 アメリカのITバブルの勢いを受けて国内IT企業も いい気になり平均株価が急上昇!
しかし 調子に乗り過ぎたツケが回って今年 2000年 春になってから業界全体の雲行きが怪しくなり株価大暴落!次々潰れるITベンチャー。
我が「追憶のかたつむり2」の主力出資会社であったウーフーエージェントも瀕死の状態に追い込まれ給料遅配! よって「追憶のかたつむり2」への出資はなかった事にして頂きたいと社長自らおととい 私に言ってきた!
なので あなたの新作の話なくなりました。
「追憶のかたつむり2」潰れました。これ すぐ言いましょう。
携帯で つかまえて 元住吉祥平にすぐ言いましょう!
やめて やめて!
今 祥平さん かたつむり100匹放す神社のロケハン中です!
めちゃ 力入ってるところです!
やめてあげて!
この世界では よくある事です。
もう 映画半分以上 出来上がってるのに…。
それも よくある事です。
いくら?
ん?ウーフーエージェントの出資分全額… は 無理にしてもこの「追憶のかたつむり2」の製作を続けていくには最低いくらあればいいんでしょうか?
いくら!?
(鈴愛)あ… やな予感? 割れた。
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪~
や… だからねいい物件が出たんだ。
メゾンフローラルもすてきだったんだけどさまあ 狭いじゃない?うん… まあ。
その新しい物件だと40平米くらいあるんだよ。
えっ 広っ!
まあ ちょっとピンクじゃないんだけど…。
あっ 庭もあってね。へえ~。
場所どこ? えっ こっから近い!
安っ! 家賃安っ!えっ 人死んでないの?
うん うん。
じゃあ そこでいい。 うん。あっ いいよ 見なくて。
涼ちゃんが そこでいいなら。
あ… まあ ピンクじゃないのはちょっと悲しいけど。
うん じゃあ。
えっ 嘘…。
ここで?いやいやいやいや ちょっと。
あっ そうか。あっ でも 切りづらい?
いや でも ちょっと無理だよ。
えっ いやいやいやいや好きとか言えね~!
(祥平)いいだろ? このカット。なあ。
あっ はい。 最高っすね。
(祥平)何だよ心ここにあらずって感じじゃん。
いえ… そんな事ないですよ。
明日 引っ越しだっけ?あっ はい…。
よし。 じゃ 今日 おしまい。ちょっと飲むか?
引っ越しの前祝いだ。え…。
うん いよいよ 明日や。
(晴)ほやね~。やっと 結婚生活が始まるねえ。
緊張する…。
何を言っとる。 結婚したんやん。
ほやけど…。
1人暮らしも もうおしまいか。
(宇太郎)仲よくやれよ。
(草太)いつまで もつかな~。
離婚されんようにな。
何や お母ちゃんアイロンかけながら話しとったな?
[℡](晴)ハンズフリーや。ないしょの話や。
あ… あっあんた ちょっと待って。
アイロン切った。
ハンズフリーやめた。
℡何?
あんたは高校卒業してすぐ 家 出てまったで何にも教えとらんくて涼ちゃんさんに申し訳ないわ。
お母ちゃん…。
料理も洗濯も掃除もよう教えたらなんだ。
これから教えてもらう。岐阜帰った時とか。
ケンカしんようにな。
うん。
[℡]ほいで 何かあったら 何でもおかあちゃんに言ってええよ。
[℡]まあ 言えん事もあるやろうけど。
別にないけど。
おかあちゃんはいつでもおるでな。
ええ話か?
ええ話や。フフフフッ。
[℡]おかあちゃんはあんたの こういう何でもない電話が うれしい。
ほうか。
[℡]明日から うまくやりなさいよ。
うん。
[℡]家族と夫婦は ちょっと違う。どう違う?
もともとは他人や。
生まれた時からいる家族とは違う。
うん。
[℡]ほやからちょっと努力がいるかもしれん。
うん。
優しい言葉はかけてあげた方がええ。
例えば?
「ありがと」とか 「ごめんね」とか。
口に出して。うん。
まあ あの 涼ちゃんさんやったら大丈夫や。
うん。
(祥平)お前が ここに来た時…。
愛し殺されそうになってここに来た時さ…。
(涼次)このままじゃ 俺愛し殺される!
はい。
正直 こんな狭い部屋にどうなる事かと思ったけどさ。
(涼次)すみません。
涼次は犬みたいで猫みたいなとこあるからさ俺 あんま気になんなかったんだよね。
(涼次)何ですか? それ。
人間が2人だとさ重たすぎんじゃん。
フフフッ 確かに。
俺 捨て犬っぽいところありますからね。
あ~ こいつは こうやって人の懐に滑り込んでこれからも生きていくんだなって俺は思った。
でも よかったな。人生のパートナーが見つかって。
はい。
あ~これで やっと 女連れ込めるよ。
幸せになれよ。
(涼次)はい。
これで最後です。ありがとうございます。
じゃあ これで。はい。どうも。
いい部屋でしょ?うん すごく。
あっち側の大きな家は?
えと 大家さんの家。
(ブザー)
あっ 呼ばれた。え…。
えっ 大家さんにブザーで呼ばれるの?
・(涼次)失礼します。
(光江)はい お入んなさい。
<畳のへりは踏んではいけない>
♪~
<お茶碗は 2回ほど回して正面を避けて頂く>
♪~
(めあり)お茶?(麦)主菓子 買いに行かされた。
また ベタな…。
最初が肝心。ガツンと一発ってとこかしら。
おいしく頂戴致しました。
(光江)どうぞ 足をお楽になさって…。
私は このままで。
これから 夫婦ともどもお世話になります。
よろしくお願い致します。
あの 大家さんどこかでお会いした事ありましたっけ?
えっ?
な~んか 見覚えが。
あっ 私 出身 岐阜なんですけど岐阜の誰かに似てるのかもしれません。 梟町の。
いや マサコさんかな。ん? ブッチャーのお母さん?
あっ うちに置いてるカエル?
あっ カエルの置物?あの… 私の事 覚えてないの?
はい?
覚えてませんか?え~っと…。
結婚式で!
えっ?
鈴愛ちゃん 僕のおばさんだよ。
おばさん…。
あの時…。 すいません。
私 すごく緊張してしまっていて涼ちゃん側の親戚の方たくさんご紹介頂いたんですが誰が誰だか…。
アハハハッ そうだよね。しかたないよ 覚えきれないよ。
私 ちょっと お水を…。
<光江さん 慣れないお茶なんかたてたもので足 しびれました>
お姉様 主菓子のお代わりを。
あなた方にも お茶を…。
大丈夫ですか?
大丈夫です。
はい。