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(鈴愛)お母ちゃん 心配かけて悪かった。
鈴愛は 私は…。
[℡](晴)何い?
結婚します。
(晴)はあ!?
(宇太郎)何事や?
結婚するって… 誰と!?
うん…。
へえ~!
うん。
あっ 分かった分かった。 うん。
おい 鈴愛 どんなやつや!?
だまされとらへんか!?年上か? 年下?
初婚か? そいつ 初婚か!?
あっ お前…お金渡しとらへんやろうな!?
切れとるわ。(仙吉)晴さん。
鈴愛 結婚するんか?
はい! そうみたいや!
どんなやつや!ええ人なんやと!
お前 何にも聞いとらへんな!?
これから悪い人と結婚するって親に報告する娘が どこにおる!
心配しんでもええ。そのうち 連れてくるって。
楽しみや。 ハハハハハッ!
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪~
(田辺)私が戻ってきたらまた客が減った。
顔が怖いからです。
鈴愛ちゃん 私 顔は こんなでも心は ガラスで出来てるんだよ。
ガラスの50代。
田辺さん私 まだ怒ってるんですからね。
運動会前の めちゃくちゃ忙しい時に 女の人と逃亡して!
これ。何ですか? これ。
(田辺)鴨とクレソンの鍋の真空パック。おいしかったよ。お土産にして売ってたから。
「失楽園」ですか?ビンゴ!
<そのころ 「失楽園」という不倫小説がはやりまして中年の親父たちは自分より少し若い愛人を連れてシャトーほにゃららのワインと鴨とクレソンの鍋をこぞって 食べに行きました>
へえ~ 涼ちゃんここのオーナーさんの甥っ子さんだったんだ。
えっ でも 何で バイトに来た時にそれ言わなかったんですかね?
俺が使いづらくなると思ったらしいよ。
こまやかだね そういうとこ。まっ そいでね涼ちゃん 3つの時にご両親なくしたでしょ?
さすがに これは聞いてるよね?
はい ちょっとだけ。
(田辺)それでね おじいちゃんおばあちゃんの家で育てられたの。
はいはい。 聞きました。
そこにね 光江ちゃんがいた訳。
涼ちゃんのお母さんの妹さんだね。
へえ~。
楡野さん 何も知らないね。大丈夫なの?
大丈夫 愛があるから。
「瀬戸の花嫁」?古すぎて分からん。
なぜ知らないのに古いって分かる?タイトルが古い。
運動会前にここに涼ちゃんが来たのだっておばさんの光江ちゃんに頼まれたから断れなかったんだよ。
私も涼ちゃんに会うの20年ぶりくらいでまさか あの涼ちゃんとは気付かなかった。なるほど。
楡野さん 話聞いてる?興味あんの?
あんまり。
親戚回りまでまだ頭が回らなくて。
でも 何でそんな急いで結婚するの?
相手の事も よく知らないうちに。
気が… 変わらないうちに。
涼ちゃんの気が変わらないうちに。
そして私の気も変わらないうちに。
田辺さん!私 結婚したいんです!
11時25分を気にして生きていくのに疲れました。
11時25分?
銭湯が12時に閉まるのでアパートをその時間に出ないと間に合いません。
私は 家に風呂のない生活に疲れました。
楡野さん そんな黒い本音を私になんか打ち明けていいんですか?
通りすがりの人だから言える事ってありますよね?
通りすがり…。
今日 涼ちゃんちに行きます。お泊まりグッズも万全!
決戦ですね!
♪「少し気が多い私なりに」
♪「まわって来た道」
田辺さん 古い。
これさえ!? 「瀬戸の花嫁」より「瀬戸の花嫁」より20年ぐらい新しい!
ありがとうございました。
あっ…。
何や 晴さん。え?
あっ…。結婚成就…。
晴さん 八幡宮まで行ったか?
心配で ついつい。
気が付くと 数が増えとった。
神さん同士ケンカするって言うぞ。
大丈夫か?
ウーちゃん 何 言いたい?
そいつ 何やっとる?
何やっとる? あっ 職業か。映画関係って言っとった。
そいつとか やめて。年収は どれくらいなんや?
はあ?年収なんか聞ける訳ないやない。
いい人やって 鈴愛が言うんやからいい人やと思うよ。
まっ 会った時次第やな。
ウーちゃん 反対するつもりか?
そりゃ まあどんな人かによるやろ?
ええか? ウーちゃん。
あの子は 鈴愛は もうすぐ 30や。30に手が届く。 ギリギリや。
左耳だって聞こえん。そういうのを何にも気にせずにもらってくれる人がおるって事はあんた 感謝しなあかんよ。
はあ? 無理してもらってもらわんでもええわ。
行くとこなかったらうちに戻ってくりゃいい。
何を言っとる?晴さんだって 嫁に行けんとこ俺がもらってやったやないか?はあ!? どの口が言う!?
私は もてて もててかなわなんだ!
それを あんたが土下座して頼むから!
いやいやいやいやいや 違うて!
晴さんが高望みしとるうちに行き遅れてまって「あそこの娘とうが立ったけど どうや」ってうちの ばあちゃんが。な~にを言っとる!
痛い痛い…! ほやから そんな娘を安売りする事ないって!
あんたは もう 目を覚ませ!娘かわいさに寝ぼけた事 言っとったらあかん!
・(宇太郎)誰が寝ぼけとる!・(晴)そうやないか!
はあ… ケンカしとらっせる。
(鈴の音)
(草太)じいちゃん。
おっ 草太。ちょっと ごめん。ちょっと。え?
(チャイム)
・はい。
(涼次)いらっしゃい。
お邪魔します。どうぞ。
ありがとね。へえ~ ここが事務所兼自宅?
クールフラット…。あっ 涼ちゃんの会社?
うん まあ。
すご~い。
風邪 言ってくれたら看病しに来たのに。
いや 鈴愛ちゃん お店あるしうつすと悪いから。
やっと治った。フフッ よかった。
あっ どうぞ どうぞ。奥まで ずい~っと。
じゃあ… あっ。ああ 大丈夫?うん。
置いとく。うん。
お邪魔します。
(祥平)いらっしゃい。
え…。
どなた?
元住吉祥平さん。僕のルームメート。
こんにちは。
こんにちは。
ルームメートって2人で住んでたの?そうだよ。
言いそびれちゃって…。せっかくだから驚かそうと思って。
驚かす?だって!
あの名作「追憶のかたつむり」でコート・ダジュールでその視点賞 取った元住吉祥平だよ!涼次…。
世界の巨匠だよ!涼次…。びっくりするでしょ?
そんな…。いやいや いやいや…。
元住吉… 変な名前。
失礼だな 君。
っていうか何で コート着てるんだよ。
人んち来たら普通 コート脱ぐでしょ。
これは コートじゃなくて カーディガン!おしゃれの代表 ロングカーディガン!
寒い…。 暖房入れて下さい!ないよ!
この空気… 何で?
結婚!?
うん。
草太がか?うん。
それは また めでたいじゃないか。
姉ちゃんが結婚するだろ?いや まだ決まってないがな。
決まるだろうな。 決まるといいな。
それに便乗して その勢いに乗って僕も結婚しようと思うんだ。
いや… ちょっとよく分からんのだが 勢いに乗る?
うん。 姉ちゃんの結婚で俺どころじゃなくなってるって時にサッと サッと間に割り込むように結婚したい。
そんなもん お前割り込まなくても正々堂々と結婚すればいいじゃないか?
別に 鈴愛の結婚にかこつける必要はないだろ。
かこつけるってよりは目立たなくする。
ん?
俺の結婚を目立たなくする。
どういう事?
楡野家ご一同様が姉ちゃんの結婚に夢中になってるうちに右往左往してる間に俺も サッと結婚する。
うん… そういう事か。
草太。おじいちゃんに言ってごらん。
どんな相手なんだ。
10。10…。
下か? まだ10代か!?
じいちゃん それ犯罪だ。 10上だ。
ええっ!?
しかも バツイチ子持ち。
え… あっ…。
いやいや まさか その お相手…お前の子どもが…。あっ いや それはない。
セーフ!
あ…。
ああ… 草太… ちょっと 水一杯。
はい。
何で 俺に言うの?
あっ 祥平さん コーヒー。
悪いな。
お口に合わなかったですか?いえ 私 コナコーヒーは ちょっと。
じゃ 涼次 普通の…。いえ 結構です。
はあ…。
祥平さん 2杯目 コーヒーミルク入れますよね?
入れます。
悪いな。
分かった…。
2人は デキてる!え?
ゲイか?私との結婚は目くらましか!?
<いきなりなんですが今日は もう お時間という事で。この続きは また明日。いいとこなんだけどね~>