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だから あれほど ごはん前だからやめて下さい言ったのにキャラメル たくさん食べさせてごはん食べられる訳ない。
甘すぎるよ!
確かにのう。ねえ! それと「英語より 習字と そろばん習わせなさい」って。
エマ まだ4歳。
習字と そろばんまだ早いでしょ?
まだ早い。早すぎるよね。
ほんまはもっともっと寝かさんと!
寝かせる?ああ…。何の話?
え?マッサン!
また 私の話 聞いてない。ああ… すまん。
どうしたんじゃ?
マッサン仕事 うまくいってない?
・どうしたの?
(律)鈴愛。
結婚しないか?
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪~
<時は流れて 世紀末。1999年の春。桜は舞い そして 鈴愛は28にならんとしておりました>
結婚しないか?
京都に一緒に行かないか?
(鈴愛)ごめん。
無理だ。
そうだよな。 いや 冗談。
あ?いや 冗談じゃなくて本気だったんだけど…。
俺と鈴愛はそういうんじゃないもんな。
何つうか おんなじ日に生まれて兄妹っつうかソウルメートっつうか…。
ごめん 今のは忘れてくれ。
♪~
<忘れられなかった。そしてそういうんじゃなくなかった。私は 律が好きだった。きっと 多分… 絶対に>
トーン これでいいですか?
うん 475番で。はい。
<でも あのころは…>
私は ここにいて頑張りますんで。(秋風)ん?
漫画 頑張ります。
<そんなこんなで…>
先生 顔の影のトーン475番でいいですよね。
はい。はい。
<そして今そして 今 私は…>
<え~っと 本人の口から言いづらいようなので 私が…。秋風先生のアシスタントにまた舞い戻っている訳です>
<アンケート順位急降下!打ち切り! 仕事なくなる!食ってけない!たまに引っ越し屋でバイト。鈴愛は 「蒲田行進曲」のヤスの池田屋階段落ちぐらいな勢いで漫画家の階段を転げ落ちていきました>
ああ~っ 結婚すればよかった!
あん時 律にYESって言えばよかった。
(藤堂)鈴愛ちゃん 一気はあかんよ。
(裕子)鈴愛 それもう100回ぐらい聞いたよ。
何回 後悔したら気が済む?
ねえ クウちゃん。
あんたは ええね。優しい旦那さんとかわいい子どもと明日の米があって。
わっ 絡み酒。
私は今というか…あっ 今というのは今から4年前の1995年の事ですがその時点で京都に行ったら仕事は来なくなると思いました。
そうだよね。東京離れて描くのは 不安だよね。
そして…。そして?
何を隠そう 私は そこからぐんぐん 売れるつもりでした。
(藤堂)うん。(裕子)うん。
売れたら律に逆プロポーズしてやるくらいに思ってました。
何か そこがちょっと違う気がするけど。
(藤堂)まあ でも 鈴愛ちゃんらしいよ。
人生のイニシアチブは自分で取りたい感じが。
ゲイはね いついかなる時でも脇を締める。
それが ゲイの信念だとしたら人生のイニシアチブは自分で取るそれが鈴愛ちゃんよ。
それが何で こうなったのかっていう…。
どうしよう。
仕事もないしどんどん年取るばかりだ。
あの時律に あんなふうに言わなきゃ…。
結婚しないか?
ごめん。
無理だ。
それってさあ どう聞いてもお前とは無理って聞こえるよね?
いや そういう意味じゃない。
今は無理。 売れたら迎えに行くくらいの。
どうしてそこまで言わなかったの?
言う前に 電車が来てまった。
(宇太郎)何や また載っとらへんか?
(晴)ん~。 もう 何か月 載っとらん?
(草太)一旦 連載打ち切られると次 始めんのはなかなか大変なんだよ。
(宇太郎)充電期間って言うやろ?そういうやつや きっと。
ものつくる人には みんなある。芸術家は しかたない。
あの子は 芸術家やない。
(晴)「前略。 秋風羽織様。突然のお便りをお許し下さい」。
おっ 手紙か?ん? うん ちょっとね。
(晴)「今日は 私 勇気を出してペンをとりました」。
描けないんだ…。
(シロウ)もう一回? はい。
ネームが通らないって事?
通らないも何もそもそも 描けない。
何も浮かばない。
苦しい。
鈴愛…。
(晴)「あの子は 私からしてみたら何の変哲もない 平凡なでも とてもとても素直で優しいいい子です。たった一人の娘です」。
(菜生)うん… やっぱり行かんとく。
(龍之介)本当に? 律 寂しがるよ。
おめでたい事やのに。お祝いしてやらんの?
…っていうか 呼ばれとらん。
まあ 鈴愛呼ばないで私だけ呼ぶのは ちょっとって事やないの?
う~ん。
(晴)「いい夢を見させてもらったと思っています。あの子も憧れの秋風先生のところで10年近く修業させて頂きデビューもしまして満足だと思います」。
(晴)「私は 平凡な人間です。結婚して食堂に嫁ぎあの子と あの子の弟を産み育てました。私の人生は それだけです。でも 幸せです。私は やはり 女の幸せは仕事ではなく 家庭に入り子供を産む事かと思ってしまいます。あの子にも 平凡でいいから幸せな人生をつかんでほしい」。
・(仙吉)晴さん!は~い!
(晴)「あの子にお見合いの話が来ています。地元の信用金庫の課長さんで初婚。とてもいい話だと思います。あの子は左の耳の事がありますのでお見合いはとうに諦めていたのですが気にしないとおっしゃって下さっています」。
(晴)「鈴愛には お見合い相手の写真を送っています。先生 私は あの子の親です。あの子が 先生のような世に出ていくような特別な人でない事は一番よく分かっております。もし 娘が先生に相談するような事がありましたらどうかどうか 先生 私の この気持ちをくんでやって下さいませんか?無学の田舎者が勝手な事を申し訳ありません。私には 芸術などというものが分からず。私は あの子に 結婚して子供を産ませて やりたいのです」。
♪~
は?
何 考えとる。
♪~
(ノック)はい。
・私です。えっ 先生!?
珍しい。 秋風ハウスの方へ。
まあ たまには。
あっ そうだ! あっ どうぞ。
今日 横浜中華街に行ったんです。ユーコとクウちゃんと。
先生にもお土産。
これ クウちゃんが選びました。
そう。 ありがとう。
あっ それと 先生。私 横浜の海見てたらネタが浮かびました。 次の話。
タイトル「いつか君に会える」っていうんです。
ちょっと すてきじゃないですか?おっ おお…。
先生 初心に返って頑張ります。
そして 編集にネーム見せて枠取ります!
なんだ 中華街でいい気分転換ができたようだな。
ユーコのおかげです。
ショウロンポウおいしかったな。
♪~
それは何だ?はい?
そこの それ。 そこそこ。
あ…。
これが 何か親が血迷って送ってきてウケますよね今更 お見合いなんて。
時代錯誤。
楡野 見合いしてみたらどうだ?
え!?
見合い してみたらどうだ?