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♪~
<その日 鈴愛と裕子はネームの締め切りで明け方には 2人であげて…>
(裕子)天才!(鈴愛)ユーコも天才!
<さて 漫画家という職業。デビューしても その5年後に漫画家を続けている確率は僅か1割です。厳しい世界なのです。2人は どうなる?>
うわ~。
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪~
<そして 時は過ぎ。秋風先生は秋風ハウスをリフォームし鈴愛と裕子は そこで仕事をするようになりました。仕事場を提供してもらう代わりに売り上げの何割かを上納するシステムです。秋風 その辺は 抜かりありません>
(秋風)ヘッヘッヘ~。
<鈴愛のデビュー作「一瞬に咲け」は連載3年目を迎えておりました。その間に4冊のコミックスが出ました>
<今では 鈴愛は 番茶もギリギリ出るかどうかの24歳になりアシスタントを使いいっぱしの先生気取りです>
ユカちゃん。はい。
ここのパース甘い。 消失点下げて。あっ はい。
マルちゃん ここのトーン 1542番。
あっ すいません。
<寝る 起きる 描く 食べる。時間は数珠つながりです>
寝る。(2人)え?
寝ます。
先生~ 何時に…?
ユカちゃん私は眠れる森の美女だ。
王子様のキスでしか起きない。
先生…。
冗談。 そうだな…。
3時半に起こして。はい。
おやすみ。おやすみなさい。
<今になって 鈴愛は先生は こんなふうに連載を描いていたのかこの寝不足の状況に置かれてもある水準の漫画をあげる秋風が天才だと 身にしみて思っていました>
(藤)あっ どうも。
後ろから2番目…。
後ろから2番目…。はい。
<漫画雑誌の掲載順はほぼ 人気順と思って間違いありません。人気のある作品ほど巻頭にきます>
ごめんなさい。あっ いえ藤さんのせいじゃありません。
最近 私 さえてませんよね。
ただ ただストーリーを追ってるだけ。
いっぱい いっぱい。
でも 次週から 私また頑張りますので…。
あの それで 小宮さん!裕子さん。
はい…。
あと3回です。
え…。
あと3回で この話を「5分待って」を完結させて頂きたい。
打ち切りですか?
打ち切りですね。
編集長も 改めてご挨拶にと申しております。
入る時は 入るんだがな…。
<裕子ちゃんの「5分待って」は一度は ブレークしました。しかし アンケート結果もコミックの売り上げ部数もみるみる落ちていき裕子ちゃんに活躍の場はあっという間になくなります。厳しいですがこれが フリーの世界です。そして 裕子ちゃんには次が浮かばない>
<時は 1995年。いろんな事が起きました。お気楽な時は終わっていました>
♪~
♪「あなたの事思うと」
♪「すごく胸があつくなるの」
♪「いつもは ユーウツな雨も」
♪「サンバのリズムにきこえる」
裕子ちゃん本当 その歌 好きだよね。
カラオケでも いつも歌う。
こんな曲 一曲でも作れたらやめていいんだけどな。
うん?
誰かの心に届く作品一作でも ちゃんと描けたら漫画家やめてもいいんだけどな。
えっ 裕子ちゃん「5分待って」面白いじゃない。
僕 裕子ちゃんの名前雑誌で見る度に自慢だよ。
「ビッグイブニング」出る日は通勤も楽しみなんだ。
朝一で リポダミンBと一緒に買うんだよ。
それは別に 「5分待って」が面白い訳じゃなくて私の名前が雑誌にあるのがうれしいだけだよ。
あっ そうだ 裕子ちゃん。
これ。ん?
欲しいって言ってたでしょ?
あっ…。
赤だ! レア物だよ これ。
探したんだよ。ボーナスつぎ込んだ。
♪~
また飲んできたの?
ほっといてよ。
偽物 買ってきやがって…。
<こちら 京都です>
<律君も24歳>
<宇佐川教授の下でロボットの開発を始め宇佐川教授が西北大から京大に移籍するという事でそれについていくために京大大学院に入ったという訳です>
萩尾君! 萩尾君!(律)はい?
(宇佐川)暑い!
今日 18時からミーティングだよ。
これ 今日発表するレジュメです。おっ 優秀。
(宇佐川)「月刊ガーベラ」?少女漫画?
はい 結構 面白いですよ。
これとか。
<律君 こうして離れたあとも鈴愛の漫画を気にしてくれていました>
(秋風)これは何だと聞いているんですよ 小宮さん。
これが 私の限界です。
あなた メインキャラもアシスタントに描かせましたね?この線は あなたの線ではない。
誰も私の漫画なんか読んでないんです。
そして その顔も 何だ。すごい化粧だ。
(ドアベル)あっ!
ボクテ!(シロウ)あ~ ボクッテちゃん!
(藤堂)はい。ありがとうございました。
私 ボクテ先生の「女光源氏によろしく」の大ファンで。この前も 映画見に行きました!
<ボクテは結局講談館出版からデビューしていき「女光源氏によろしく」はロングランの大ヒット。今や ボクテは時代の寵児となっていました>
お待たせ。どうも。
いいよな~ ボクテは。
「源氏物語」ってなかなか終わらないでしょ?
まあね。 あっ鈴愛ちゃんの「一瞬に咲け」は文化祭で3か月も描いてたもんね。
そうだよ。 全っ然 話進まん。マンネリや。
だって 高校半年間の卒業までの話って言ってるのに3年も連載しちゃって…。
あいつら 本当は もう21だ。ハハハッ。
そんな 私たちの話は よくって。
裕子ちゃんの話よね。
(ドアベル)
(シロウ)いらっしゃいませ~。