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（晴）これ。　新幹線乗る前にあんたと行けたらいいと思って。
仕事　忙しいかね？
（鈴愛）明日は…。
仕事か。
いいよ　しかたない。
ごめん。
＜鈴愛は晴さんに嘘をつきました＞
♪～
♪「おはよう　世の中」
♪「夢を連れて　繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の　歌声も」
♪「線路　風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪～
（戸が開く音）
おはよう。おはよう。　起きた？
朝　お味噌汁でも作ろうかね。
あっ　待って！
お母ちゃん　このカーテン昨日　夜で分からんかったけど光当たると　きれいやなあ。
青がええかなあと思った。これから暑なるし。
海ん中にいるみたいや。
フフッ。
頂きます。
♪～
ごちそうさまでした。お粗末さまでした。
あんた　もう行った方がいいんやないの？
遅刻遅刻。うん…。
あっ　お母ちゃん何時ごろ出るの？
ああ　まあ　これ片づけてぼちぼち帰るわ。
新幹線　何時でも取れる。いつでも座れる。
あっ　先生や菱本さんや皆さんにご挨拶しんでもいいの？
今日　これから修羅場や。みんな忙しいから私から言っとくし。そうか…。
くれぐれも　よろしくね。うん。
＜嘘でした。今日はオフィスティンカーベルお休みなので誰もいないのでした＞
あっ　ボクテとユーコがくれたイタリア料理のコースのギフトチケット　どうする？
ああ　あれね。
せっかくの皆さんのお気持ちやし一人で行って　ランチ頂いて…で　帰ろうと思って。
食べてみたいし　ティラミス。
一人で大丈夫？
大丈夫やよ。　大人やもん。
（正人）う～んと…　何　見よっかね。
「ゴーストバスターズ２」「バック・トゥ・ザ・フューチャー２」「ダイ・ハード２」は　まだ先か。何か　２ばっかりだな。
ツーは　ワンより　つまらん。
まあ　そうとも限らないけど…。
ああ　たれるよ。
あげる。
鈴愛ちゃん　何か今日元気ないね。
アイスクリーム食べないなんておなかとか　具合悪いの？
正人君…ごめんなさい！ん？　えっ　何？
フレッシュスキャンピのグリリアータでございます。
自家製ローストハムと水牛のモッツァレラのカルツォーネでございます。
あっ　あの…　えっ。
これは　どれから…。
そんなふうにお母ちゃんがなっとる気がして気になってしかたない。
何で言ってくれなかったの？
こっちの日にちはずらしてよかったのに。
いや　正人君引っ越しの準備で忙しいとこ日にち出してくれたの知ってたし私も締め切り前でなかなか会えなかったし。
何より　正人君に会いたかった。
お母さんどこのイタリア料理屋さん？
青山だけど…。
行こう。え？
う～ん…　おいしい。
はあ…。　これ　つくし食堂でも出せんかね？
（律）いや～　食堂にティラミスは…。
＜さて　一人さみしくイタリアンのコースを食べているはずの晴がなぜ　今　律君と２人デザートまでたどりついているかというと…＞
℡
はい　もしもし　秋風ハウス。
あっ　律君！
＜律君は昨日　晴さんが聞いてきたカーテンの事を気にしてくれていました。ちゃんと買えました？＞
うん。＜きれいなブルーのカーテンが買えました。そして　鈴愛が仕事が忙しいのでこれから一人で帰る一人でイタリア料理屋さんに行くという晴さんを律君は心配し僕　お供しましょうか？となったという訳です＞
う～ん！
おいしい。　キャビアとウニ？
おばさん　冷たいパスタなんて初めて食べた。
僕もです。失礼致します。
こちら　サービスです。
＜そのお店は　イタリアンなら　ここと　秋風先生が決めている所でサービスも味も　一流でした＞
（秋風）おいしいものを食べさせてあげて。　青天井で。
超過分は今度払います。
＜いえそんな事は　どうでもよくて＞
どうでもよくないでしょ？
この私がいい人な事はちゃんと伝えて頂かないと。
＜あ…　失礼しました。そして　おいしい前菜　パスタメイン　デザートと続きまして今　コーヒー＞
コーヒーと一緒にどうぞ。失礼致します。
おいしかったねえ。
ご相伴にあずかりました。
あ…　そうや　律君。はい？
鈴愛が恋をしてるらしくて…。ああ…。
ああ　聞いてる？はい。
あの子　律君には何でも言うね。遠慮がないっていうか…。
昔から　そうなんで。
心配なんや　おばさん。
律君　気にしてやってくれる？
はい　大丈夫です。僕が　フォローします。
本当？　助かる。
離れとるで心配や。
そのために　僕いるんで。
女性の方お一人という方はいらっしゃらない…。
お母ちゃん。
あれ？
何で律がおる？
あんた　仕事は　どうした？
初めまして。　朝井正人です。
へっ？
あっ…。
♪～
悪かったねえ　デートの途中で。
いえいえ　とんでもないです。
嘘ついてごめん。そういう時もあるよ。
え？
本当に好きなんやね　正人君の事。
お母ちゃん…。
もういいよ　ここで。じゃあ　私　行きます。
あっ　送ります。鈴愛さんと東京駅まで。ええ？
それ　お母さんの？ああ…。
持ちます。
ここにすぐ行こうっていうのも正人君が言ってくれたんやよ。
あっ　そう。
あっ　律は？
あ～　俺　ちょっと用事あるから。
律君　本当に　ありがとね。
いえじゃあ　おばさん　気を付けて。
♪～
フランソワ　お前　成長しんなあ…。
いや　成長しきった大人？
℡
はい　もしもし。　あっ　鈴愛か。
お母ちゃん　無事帰った。
そっか。　よかった。
ありがと。お母ちゃん　一人で寂しくイタリアン食べさせるとこやった。℡ん…。
これから　正人君とごはん食べようって言ってるんだけど　律も来ない？
いいよ。
そっか。　じゃあ　また。うん。
℡（不通音）
おいしかった～。フフフッ　でしょ？
割といけるでしょ。　あそこの中華。律も来ればよかったのにね。
意地悪だね。ん？
何でもない。
ん？ん？　ああ　耳。
あ…。
いつも　正人君私の右側に来てくれて気を付けてくれてたんだね。
偶然かと思ってた。フフッ。
いや　でも　自分　今　忘れてたし。
今日　ありがとね。お母さんも喜んだ。
ああいうのは　ちゃんと言おうね。
こっちの都合はどうにだってできるんだから。
家まで送るよ。今日　もう遅いから。
この手が勝手に…。
離れたくないって。
鈴愛ちゃん…。
正人君…。
好きです。
♪～