選択性緘黙から場面緘黙へ変更
- 2018.06.01 Friday
- 21:55
日本精神神経学会のホームページに6月1日付けで「ICD-11新病名案に関するパブリックコメント募集」公開
https://www.jspn.or.jp/modules/info/index.php?content_id=622
WHOの国際疾病分類第11版が近く全世界へ公表されますが、その日本語訳の病名の案が公開され、一般の方も含めて、意見を募集しています。WHOの分類であるので、日本の法律などで用いられる大事なものです。
これまでは、英語でElective mutism、日本語で「選択性緘黙」とされていて、ご本人が自ら意図的に選択して喋らないというニュアンスで定義されていました。Elective という英語には選挙のように自ら主体的に選ぶというニュアンスがありました。それが、今回改正されて、Slectiveつまり、場面や状況によって喋られなくなるというニュアンスに定義が変わったのです。Slectiveへの変更は、実はDSM-4から変わっていたのですが、ICDでは今回になって初めて変更されました。
場面緘黙の子どもや成人は、自分で決めてわざと喋らないのではなくて、場面状況によって、不安や恐怖で声が出なかったり、言葉が浮かばなくなったりして、喋れなくなってしまうのです。それを表すには、「場面緘黙」という用語が比較的良いので、現状では広く用いられ、知られるようになってきました。その用語がやっと正式に使われるようになるのです。
場面緘黙の子どもや成人の当事者、家族、そして教師や医師、その他の関係者の諸々の団体が、ICD-11の改訂へ向けて連合体(場面緘黙関連団体連合会;金原洋治会長)を作って、関係の学会等へ要望書を出すなど運動してきた成果です。
この分野の専門学会である日本不安症学会の先生方には多大な協力をして頂きました。日本精神神経学会の先生方にも当事者の声にご理解頂き、今日を迎えることが出来ました。
選択性緘黙という名称で無くなることは、誤解を減らす大きな一歩だと思います。
また、大きな変更が随所にあり、大分類でも変化があります。これまで、選択性緘黙は「F90-F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害」にADHDなどと同じ分類に入っていましたが、今回、その分類は無くなって、それぞれ分かれて分類されたので、場面緘黙は「Anxiety or fear-related disorders 不安または恐怖関連症群」に属するカテゴリーになりました。これも大きな変更点です。成人して、社交不安症などを伴いやすいので、近い病名と同じ大分類に属するようになったわけです。
余談ですが、発達障害関係の診断名も変わってきています。自閉スペクトラム症の下位分類が面白いです。