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(鈴愛)金魚…。
すくって下さい。
♪~
ん? 正人君 燃える!
燃えとる! 燃えとる!(正人)あ?
脱いで 脱いで! 早く早く!あっ 死ぬ。 俺 死ぬ。
大丈夫 死なない! 死なない!
<あの時 正人君の上着がろうそくに くっつかなければキスしてたんだろうなあと鈴愛は今も思う事があります。半分で終わってしまった花火。夏は もうそこまでやって来ていました>
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪~
<先生 富士山以西じゃないのになぜ 着物?>
(菱本)先生。(秋風)ん?
襟元が…。
何だ?(裕子)あっ いや 何も。
うん。
ここや。(晴)え~!
すごいね。 美術館みたい。
はい。はあ~。
これが 個人のお宅かね?
戻りました!
母 来ました!
いらっしゃい。(晴)あら 先生。
どうも どうも。あら また すてきなお着物。
いえ そちらも。
あっ いえ おしゃれ木田原ですよ。ん?
あっ 梟町のブティックです。
おしゃれとうたっていますがうたっている時点で全っ然 おしゃれじゃない事に気が付けないんです。
その中では まともな方です。お似合いです。
あっ これ。 今日の朝おじいちゃんが焼きました五平□で。 どうぞ。
ありがとう。ありがとうございます。
皆さんで是非。
本当ですか? いつも先生がお一人で食べてしまう…。おい。
皆さん 鈴愛さんのお母様から五平□ 頂きましたよ。 お礼を。
初めまして 藤堂 誠です。ボクテって呼ばれてます。
あっ 僕 「ボクって」ってよく言うんで ボクテです。
あ~ あなたが ボクテ君。よく娘からお噂…。
あっ… 娘がお世話になってます。(藤堂)あっ いえいえ。
小宮裕子です。
あなたが裕子ちゃん。よくお電話ではねえ。
あ~ 思ったとおり美人さんやわ~。
鈴愛ちゃんとは仲よくさせてもらってます。
噂の五平□ですね。
仙吉さんは お元気ですか?
(晴)ええ 相変わらずです。
あの時は 本当によくして頂いた。
お料理 みんな おいしかった。
ふきのとうもウナギの蒲焼きも。あの時の事を私は何か よく思い出すんです。
そうですか?
でも 本当に お元気になられてよかったです。
いろいろ ご心配をかけたようで。
お母ちゃん もう 仕事の邪魔。
ん? あっ そうか そうか。ごめん ごめん。
では 私が鈴愛さんのお部屋をご案内致します。
(弥一)そうですか。今日から東京行かれた。
(宇太郎)は~い! フフフッ。
あっ 焼酎ロックで。
(まさこ)あ? まだ4時やよ。そんなに飛ばして大丈夫?
大丈夫 大丈夫。
(五郎)うちも今日 あれでいない。 例の。
鬼のいぬ間の何とかってやつやね~。
鬼か? アハハハッ。
嫁は 鬼やね~。
一生 退治できない鬼。
(和子)どうしてやろ。何か今日 メラメラと闘志が湧く。
(幸子)うん。(貴美香)よっしゃ~!
おお。
おお~。
よかったねえ 和子さん元気になった。
うん。 体動かすのが薬や。
見て それに二の腕がフルフルしんくなった。
えっ 何それ?晴さんが言っとった。
ドレッシング振る時に二の腕がフルフルしよら~す。
これは いかんってボクシング始めたって。
ハハハハッ! 私は いろんなとこフルフルするわ。
何やったら 腹も波打つわ~。
打つべしやよ 幸子さん。打つべし!
打つべし。(和子)べし!
打つべし 打つべし。
こちらがリラクゼーションルーム。
みんなで休んだりくつろいだりする所です。
はあ~。
ここが秋風のプライベートルームです。
ほう~。
(菱本)そして こちらが あの…。
あの これは…。
トピアリーです。最も美しいといわれている恐竜のプテラノドンです。
ゴジラのもとになったといわれてるティラノサウルスと迷ったのですがやはり 美しさを取りました。
秋風は美しいものが好きなので。
この壺は?
謎です。
そして こちらが鈴愛さんの住む家です。
えっ!?
あっ 倉庫か何かと…。
こちらがお部屋です。
♪~
では 私は ここで失礼致します。
どうぞ 親子水入らずで。
鈴愛さん お母様と少し話されてからでいいんで。
お仕事。はい。
お母ちゃん今 初めて名前知ったんやけどそのプテラノドンが天国と地獄の分かれ道や。
こっち側は貧乏。
あっち側は超お金持ち。
ほういう事か…。
秋風先生 ニコニコしとったけど油断できんな。
でも 贅沢言ったらあかん。
お風呂もあるし 台所もあるしトイレもある。 住めば都や。
うん。 よし 分かった。
ほしたら あんた 仕事戻って。えっ?
おかあちゃんは あんたの住む所を整えるために来た。
あ~ このカーテンも日に焼けとる。
前の人が使っとったのをそのまま使っとる。
そんな事やないかと思った。
おかあちゃん掃除道具も持ってきた。
おお~。
(仙吉)♪「君とよく この店に来たものさ」
♪「わけもなくお茶を飲み話したよ」
♪「あの時の歌は聴こえない」
♪「人の姿も変ったよ」
♪「時は流れた」
(草太)いい歌だね。うん。
草太が生まれた年1972年に はやっとった歌や。
生まれたばっかの草太をだっこしてレコード屋に買いに行ったもんや。ハハハハッ。
おじいちゃん 年がいもなくフォークソングが好きなんや。
ハハハハハッ。
おお。
ねえ じいちゃん。じいちゃんが僕くらいの時の青春の歌? 歌ってよ。 聴きたい。
う~ん…。
おじいちゃんの青春時代の歌はろくなもんなかった。
あんまり好きやなかった。
軍歌とか。
<そう。 あれは草太が まだ小学生の時…。学校の宿題で身内に戦争の体験を聞いてくるというのが出た時に仙吉さんは言いました>
ごめんな 草太。戦争の話は したない。
え…。おじいちゃんは 草太の頭ん中で幸せな おじいちゃんのままでいたい。
戦争の事は いろんな本や体験談や 出とるやろ?
それ読んでくれ。
<仙吉さんは兵隊として満州に行き終戦後なんとか生きて日本に帰り着きそして 私とお見合いして結婚しました。逆に あの時 何も語らなかったおじいちゃんに草太はおじいちゃんの戦争の深い傷と濃い闇を感じていました>
そうだ サザン歌おうか。
えっ サザンの何?
♪~
♪「涙があふれる 悲しい季節は」
♪「誰かに抱かれた夢を見る」
♪「泣きたい気持ちは言葉に出来ない」
♪「今夜も冷たい雨が降る」
♪「遠く離れても黄昏時は」
♪「熱い面影が胸に迫る」
♪「四六時中も好きと言って」
♪「夢の中へ連れて行って」
♪「忘れられない Heart&Soul」
♪「声にならない」
♪「砂に書いた名前消して」
♪「波はどこへ帰るのか」
♪「通り過ぎ行く Love&Roll」
♪「愛をそのままに」
こんな歌が おじいちゃんが青春時代にあったらよかった。
そしたら じいちゃん廉子さんにおばあちゃんに歌ってやった。
<仙吉さん ちゃんと届いてますよ。聴いてますよ 空の上から>
♪「こんな夜は涙見せずに」
♪「また逢えると言って欲しい」