----H----044-----------
----a-----------------------------
----n-----------------------
----b-u-n-a-o-i--------------
-----------------------------------
---------------------------------------------------------------
(正人)へえ~ かっこいいね。(律)そう?
お母さん ただいま!
(和子)えっ…?いきなり ごめんね。
こちら 友達の正人君。すみません いきなり。
ええ~っ?
ちょ… ちょっと ごめん。
お母さん 泣かれてたんじゃない?フフッ まさか。
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪~
(弥一)その なんだネームってのは あったのかい?
そう 秋風先生のチョンボ。それで 秋風先生のお供で。
2人で?あっ いえ。
最初は 律君だけ グリーンでっていう話だったんですけどじゃ 普通車でいいんで俺も行きたいって手挙げたら秋風先生がいいよって。
俺も先生と2人じゃ息詰まると思って。
へえ~。
すみません いきなり。
いいの いいの! すっごくいいの。気にしないで。 フフフッ。
あ… でも どうしよう。 夕ごはん。
ああ あそこ取ったら どうだい?たつみ鮨。
あっ そうね!こんな桶にたくさん。 人数分。
ああいうの華やかな気持ちになって好きだわ。
あっ 上? 特上?特上。
<…と 萩尾家が和気あいあいとしている一方楡野家は どんな事になっていたかというと>
(秋風)まことに申し訳ない。ネームはありました。
私の勘違いでした。
♪~
(鈴愛)このような事は もう二度とないと思ったので 記念に。
本当に申し訳なかった。
帰ってきて頂きたいと思っています。
そう あなたのカケアミなかなか すばらしかったです。
えっ!?
そう。
では 一つ お願いがあります。
何でしょう?私には 親の付けてくれた大事な名前があります。鈴愛といいます。
はい 存じておりますが…。
では だったら岐阜の猿と呼ぶのを金輪際 やめて頂きたい!
(晴)猿…?(宇太郎)岐阜の猿?
いや… いやいやいやいやいや。
こんな かわいらしいお嬢様を猿だなんて めっそうもない!
何の事だか…。東京に戻ったら私は メシアシですか?
いえいえ まさか。私の秋風漫画塾 特待生として受け入れる所存です。
(草太)姉ちゃん 調子乗り過ぎ。
私は でも人生終わったと思ったんや!
マハジャロで踊りながらああ ここは天国か地獄か。
えっ 姉ちゃんマハジャロ行ったの? すげえ!
あの 先生。
鈴愛は クビにならずに済むっていう事なんでしょうか?
はい。
よかった…。よかった。
では そろそろ 私終電もありますのでこれで おいとまして。
これ。
帰りはグリーンで帰ってきて下さい。
領収証は切ってね。では 失礼します。
先生 これ よかったら。
つまらんもんやけど。 ふき味噌。
どうも。(仙吉)今度は ゆっくり。
ご家族は本当に鈴愛さんを愛してるんですね。
え?
ここは まるで桃源郷のようだ。
♪~
先生!
来てくれてありがと!
(指を鳴らす音)
♪~
あ… 私 パジャマや。
(仙吉)今頃…。
パジャマやった。
お父さん。 お母さん…。
お前がいなくなってからちょっとな。
さみしかったか精神的にちょっと参ったか。
でも ボクシングやって気が晴れたらしい。今は それ のんどらん。
ボクシング 知らなんだ…。
心配すんな。おとうさんが ついとる。
律は 自分の事を頑張りゃいい。
おかあさんはお前の人生を愛してる。
お~ 川だ川。フフフッ 気持ちいい。
あっ 冷て。
俺さ 昔 糸電話やったよ。川のこっちと向こう側で。
もうちょっとあっちの方だったけど。
えっ 面白そう。俺も やりたかった。
よく ここで鈴愛と水切りしたなあ。
あっ鈴愛ちゃん 大丈夫だったかな。
大丈夫っしょ あいつは。
あいつは いつも大丈夫だ。
2人 つきあわないの?
うん。 そういうんじゃないから。そうなの?
そういう事考えた事がない訳じゃないけど。
今が一番 いいような気がする。
まっ 向こうの気持ちもあるしね。
それは…。
それに俺 好きな人いるんだ。
えっ! 衝撃発言…。
なんて もう ず~っと前に。
高校の時に一度 出会っただけなんだけどね。
一目惚れ?
う~ん…。
弓を引くところがきれいだった。
じゃあ 行くね。
もうかあ?ゆっくりしていけんか?
うん。ほかの子たちに随分遅れとる。
頑張らなかん。
(宇太郎)また帰ってくりゃいい。
うん。
じゃあね。 行ってきます。
行ってらっしゃい。
(晴)鈴愛。ん?
これ。え…?
お小遣い。お母ちゃん あの 上京した時にお父ちゃんにもらった棚の裏にもお母ちゃんのヘソクリ貼ったった。あって困るもんやない。
おとうちゃんも おじいちゃんも知っとる。
草太は知らん。あいつには言わんでもいい。
あんた ちゃんと食べとる?カップ麺ばっかあかんよ。肉とか 魚とかちゃんと おいしいもん食べて。
いつか 私が お母ちゃんをおいしいとこに連れてったる。
そうか。漫画家なって売れてな。
お金 ガッパガッパ入ってステーキでも 刺身でもフランス料理でも!
おかあちゃん フランス料理一回 食べてみたいわ。
分かった 約束! 連れてったる!
じゃあ ナイフとフォークとテーブルマナー 勉強しとくわ。
お母ちゃん…。
私 クビになったと思った。
ま~ あかんと思った。
うん…。
ほやけど 大丈夫やった。
うん。
また頑張る。うん。
でも 帰ってくる場所があってよかったって 今回 思った。
うん…。
電車出るで 行くね!
いきなりやな。食堂の準備あるやん。
あんた 頑張るんやよ。
応援しとる。
うん。 じゃあ…。
(晴)鈴愛。
大変やったとこ申し訳ないけどおかあちゃん ちょっと…ちょっと 宝くじに当たったような気分やった。
どういう事?
空から幸運が降ってきた。
鈴愛に会えた。
♪~
<東京に戻ると鈴愛 怒濤のアシスタント生活が始まり…>
(秋風)ボクテ。(藤堂)はい。
ベタ。はい。
<こうして 締め切り明けにはみんなと一緒に机の下に転がるようになりました。鈴愛が寝袋を持参したのをきっかけに誰もがまねするようになりました。メシアシはいなくなり家事専門のお手伝いさんツインズもやって来ました>
(2人)よろしくお願いします。
<秋風先生の本気のレクチャーも始まりました>
これじゃあ まるで小学生の絵だ!
まず デッサンだな。
よし クロッキーをやらせるか。
誰か いいモデルいないか?
(菱本)その手のモデル事務所に連絡してみましょうか?
しかし 不細工なやつが来るとテンションが下がる。
割と ろくでもないのが…あっ いいのが。
楡野。はい!
えっ やる! 時給2,000円。
えっ 自分もやりたい。時給2,000円。