----H----041-----------
----a-----------------------------
----n-----------------------
----b-u-n-a-o-i--------------
-----------------------------------
---------------------------------------------------------------
♪~
(秋風)何だ 刀は どこだ?
ナイフでやるのか?
<切腹の事です。鈴愛は 漫画家の命ネームをなくしました。ネームとは 漫画のもととなるコマ割りも セリフも全て描かれたものです。なくされたら そりゃまあ秋風先生じゃなくても…>
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪~
♪~
(菱本)荷物は 後から送りますから。
とにかく 今日すぐにここもって事なんで。
(鈴愛)短い間でしたがお世話になりました。
♪~
(ドアが開く音)
♪~
どうしよう…。
先生。
はい。鈴愛さん 出ていきました。
そうですか。
(菱本)先生 あの…。(秋風)はい。
少し気になったのですが…。何ざんしょ?
先生 昼間遺作とおっしゃいました。その ネームの事を。
お体 よくないんですか?
おっ 来た来た。 赤い長いの来た。
(笛の音)
合ってるよな…。
律。
(正人)君… 誰?
(シロウ)どうしたの?今日 おしゃれしてるじゃない?
(律)いや そんな事ないっす。
でも ちょっと それ… 変。え?
℡
はい 喫茶 おもかげです。
あっ はいはい! ちょっと待って。
正人君。
あの…このまま帰したら神田川に入水自殺でもしそうだったんでとりあえず うちで。
クビ?
ネームって分かんなかったの?
分からなかった。落書きかと思った。
私は あれを カップ麺のカップの上に押し込んで捨てた。
それは 間違っても秋風先生に言わない方がいい。
♪~
律に 一つお願いが…。何でも聞くよ。
今日はもう 岐阜に行く夜行バスが終わってまった。
一日だけ ここに泊めてほしい。
襲わない。
お母ちゃんに どう言ったらいい?
棚作ってくれたお父ちゃんにどう言ったらいい?
こう言っちゃなんだけど…2人とも喜ぶよ。鈴愛が帰ってきたら。
親は子どもの夢よりも一緒にいてくれる事の方がうれしい。
そっか…。
そうかもな…。
そしたら ほしたら…。
私の夢は どうなる?
漫画家になりたい。 なりたかった。
なれると思った。
今もなりたくて たまらん。
漫画が描きたい。
カケアミ楽しかった。
(チャイム)
律 今日行くよね? マハ…。
マハ?
♪「マハリクマハリタヤンバラヤンヤンヤン」
ジャロ?え?マハジャロ行くの? 律。
何で分かった?
変な格好しとる。
精いっぱいのおしゃれなのに…。
確か この辺りにあったと…。
ミナちゃんが置いてった。
ん?キョウコちゃんだったっけな…。
これこれ。
ちょ… すごすぎない?
いっそ すごすぎる服を着た方が気が晴れる。
そうなの?
鈴愛。
これ どうかって。
えっ これ 私が着るの?
泣いてるより踊った方が楽しいよ。
マハジャロ 一緒に行こう。
マハジャロより私は昨日に行きたい。
昨日のまだネームを捨てる前の朝に…。
ねえ 律! なっ マコト君!
あっ 惜しい! 正人。マア君でいいよ。
マア君…。呼んじゃ駄目だ 鈴愛!
呼んだら最後 だまされる。
マア君 魔性だ。
マア君と呼んだ何人の女の子が倒れていったか…。
なあ ねえ おい! その そのね!その ゴミの集まっとるとこ!
夢の島に行って 探したら見つかったりしないかな!
ネーム! 秋風先生のネーム!
ちょっと カップ麺のスープで染みが出来たかもしれんけど読める!
はっ そうだ! 電話貸して 電話!
まず 夢の島に電話して…。ねえ 鈴愛ちゃん。
夢の島の総面積は 230ヘクタール。
東京ドーム 49個分だよ。豆知識。
(泣き声)
ごめんなさい。こちらこそ。
マハジャロ… 延期?
(鈴愛の泣き声)
悪いけど 今日は正人一人で…。行く!
私もマハジャロ行く!(2人)は?
泣いても笑っても おんなじや!どうせ 明日には岐阜に帰る!
梟町でタマネギを売る!
もう これ以上人に迷惑はかけられん!
律のマハジャロデビューの邪魔はしたない!
何で今日が初めてって分かるの?
そんな変な服は初めての時しか 着ん!
すげえな 岐阜弁 パンチあるな。
恥ずかしいから着替えて。
ハハハ… アハハハハッ!
いいね 鈴愛ちゃん!面白い。 最高。
(正人)久しぶり。 後でね。
律 鈴愛ちゃん!
♪~
律 音が…。
あっ そうか。
こいつ 左の耳 聞こえなくて…。
だから こういう音がおっきい所は耳がきつい。
出る?
せっかくだから踊る!
(2人)えっ 踊る!?
あそこに立って踊る。
東京の記念や。
あそこに立って踊るって東京の記念だって言ってる。
耳は大丈夫?
ほかに何か集中するといっそ 忘れるみたい。
♪~
ちょっと これ… これ貸して。鈴愛ちゃん これ!
あっ。(正人)こうやって。
♪~
(正人)鈴愛ちゃん 頑張れ~!
♪~
フォ~!
♪~
<鈴愛 最後の東京の夜です。…って 本当に!? 明日また見て確認しなくっちゃ!>
(一同)フゥッ!フゥッ!