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♪～
♪「おはよう　世の中」
♪「夢を連れて　繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の　歌声も」
♪「線路　風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪～
（シロウ）はい。
（律）うわ～　俺　こういうの好き。
（正人）でしょ？（シロウ）ごゆっくり。
頂きます。（正人）頂きます。
うっま！
フフフッ。
（秋風）同じのを。え？
（小声で）ナポリタン。あ…　はい。
女の子たち　みんなさ　猫見たい猫見せてって言うんだよ。うん。
でさ　見に来んじゃん？　うちに。ミレーヌ。うん。
気が付くと俺にしなだれかかってんの。
猫じゃなくて俺が　なでなでされてんの。
何じゃ　そりゃ。やってらんね～な。
いや　律みたいにきれいだと女の子たちも　びびるんだよ。
俺ぐらいが　ちょうどいいんだよ。どういう事？
女の子より　きれいな顔してもてようたって難しいよ。
かわいい子は特に。自分が一番じゃないと。
俺　こんな　きれいな顔の男見た事ないもん。
＜秋風先生きれいな律君を見たい。でも　見られない＞
でも　正人の方がもてんじゃん。
そりゃ　そうさ。　俺　優しいもん。
ディスコとか行くだろ。マハジャロとか。
マハジャロ？　やっぱ行くんだ。すげえな。
だから　行こうよ。う～ん　まだ　心の準備が…。
お立ち台とか　軽い女ばっかだと思ってたりするでしょ。
そんな事…。フフフッ。でもさ　あの　うちにあった扇子。
あれ　こうやってするといい匂いすんの。ふ～ん。
その子が言うにはこうね　風を送った時にいい匂いがするようにって扇子にも一滴オーデコロンたらすんだって。
その子が言ったんだ。うん。　そういうの聞くとなあああ　女の子だなあなんてキュンとするんだよね。
そんなんだから　何人にもなっちゃうんだよ　彼女が。
てかさあ　犬飼うとするじゃない？うん。
（正人）…で　新しい犬来ました。前の犬　捨てる？
いや…。なっ。　俺　そこ分かんないんだよ。
増えてくじゃん　犬。何で女の子は増えちゃ駄目なの？
人間と犬が一緒はまずいんじゃないの？
そっか…。でも　両方に愛　あるよ　俺。
あっ。
失礼。（正人）いえ。犬っていえばさ俺　犬で悔やんでも悔やみきれない事あんだよね。
何？俺　北海道なんだけど名古屋の海藤高校ってとこ受けたの。叔父がそこ出てて　勧められて。うん。
でも　受験の日の朝さあ…。犬がひかれてその犬　道端まで運んだんだ。二度はねされないように。でも　俺　その犬病院に連れてってやる事できなかったんだ。しなかったんだ。
だって　受験始まっちゃうし。いや　引き返してもみたんだよ。そしたら　もう　犬いなくて。
死んじゃったよねえ…　きっと。俺は　自分の受験と引き換えに犬の命を…。
あの時の事　思うとまだ　罪悪感ってのここんとこ　苦しくて。
だから　俺　いまだに猫飼えても犬飼えないの。
えっ　それってさ海藤高校の前の古川橋の上？白いしば犬。
ちょっと　ふっくらした。
えっ　何？　何か見えてんの？
俺　取りつかれてんの？おはらいした方がいいの？
正人　大丈夫だ。　その犬　助かった。
俺が病院連れてった。はあ？
＜さて　皆さん覚えておいででしょうか？海藤高校の受験当日律君は　はねられた犬を助け受験に失敗しました。なんとあの犬を道路の真ん中から脇まで運んできたのは正人君という事です＞
…で　正人　海藤受かったの？
いや　駄目だった。犬の事が頭から離れなくて…。
…か　実力か分かんないけど。＜…だそうです。ワンちゃんは　２人の未来ある若者の高校受験と引き換えに一命を取り留めたのでした＞
ええ話や…。
律が病院連れてってくれたんだあの犬。
よかった～！てか　すごい偶然じゃない？
うん。　よく会えたよ　俺ら。（正人）うん。
うん。　フフフッ。
ナイス　トゥ　ミー　チュー。ナイス　トゥ　ミー　チュー。
お待たせしました。
あちらに　食後アイスクリームを２つ。はい。
（鈴愛）どう？（藤堂）うん　いいかも。
（中野）うん　いいよ。ムラのない線で均等に描けてるよ。
本当ですか？（中野）うん。
ほら　だって４カケでも潰れてないもん。
（藤堂）さすが。
（中野）下手な人がやるとさ印刷の時に潰れちゃうんだよ。
（ノック）（裕子）楡野さん？
（ノック）楡野さん？
すみません。　やっぱりいらっしゃらないみたいで。
どこか出かけられたみたい。
（晴）ああ　そうですか。あっ　いえいえ。
お手数おかけしました。
あの　うちの子元気でやってますでしょうか？
もう　心配で心配で…。
℡今　だから鈴愛いないんだって。もう　おとうちゃんもおじいちゃんも…。
あ…　ああ　もう　すいませんねえ。
あっ　いえ…。
♪～
お握り？　カップ麺？
どっち　どっちどっち。
あっ　お湯が沸く間に…。
♪～
（お湯が沸く音）
あっ！
♪～
ねえ。はい。
さっき　電話あったわよおうちから。あっ　すみません。
用件　聞かないの？
ないでしょ？いつもないんです　別に。
声聞きたいだけなんです。うるさくって。
ねえ　あなた　これチャンスと思ってるでしょ？
え？違うよ。　引導渡すための口実だよ。
カケアミなんていきなりやらせて。
な～んて　本当はどうか知らない。
チャンスなのか引導渡すきっかけにしたいのか実際のとこは分かんないけど私だったら　後者と思う。
あなたは思わない。　前者と思う。お気楽だよね。いつだって　誰かが自分を助けてくれると思ってる。なんとかなる。人が支えてくれると思ってまず　手を挙げる。　私　できます。
そして　その場で一番押されると弱そうなボクテを味方につける。
ちょっと　かわいいから？恵まれて育ってきたんだね。
この世界でやってける気しないけど。
恵まれてない。は？
私は左耳が聞こえん。
小学校の時　伝言ゲームでいじめられたりした。
だから　余計甘やかされたんじゃない？
言いたい事だけ言ってくな！
イッタ！　何すんの！？岐阜の山猿のくせに！
お前が山猿言うな！　私は鈴愛だ！
山猿は山猿だ！一生　メシアシしてろ！
いちいち頭に来んな！
やめて　やめて！ケンカは　やめて！
ねえ　ケンカばれると　クビだよ！菱本がクビにするよ！
ケンカとか　しちゃ駄目。
♪～
＜鈴愛は　ちょっと痛いところ突かれたと思っていました。調子がいいところがあるのは自分で身に覚えがありました＞
（笛の音）
＜鈴愛は　久しぶりに律君を呼ぶ笛を吹いてみました＞
こういうのがあかんのや。甘えとるって事か…。
＜もちろん　律君は来ません。そもそも　律は　笛吹いて来てくれた事があったのか？律の家の前に行って笛吹いてたんだからいたしかたなしで出てきてくれただけではなかったのか？どんどん　自信のなくなる鈴愛＞
♪～
（笛の音）
（ノック）
律？
・鈴愛ちゃん。はい。
笛　うるさいよ。　もう夜中だよ。
すいません…。