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（和子）あっ　そうそう。鈴愛ちゃん　近所だから。
（律）えっ　俺また　あいつと一緒なの？
あなたは岐阜を捨てて東京の人のふりをして遊びまくろうとしてる。
鈴愛ちゃんには梟町代表としてあなたのおもしになって頂きます。
重い…　重すぎる。
大体　たまんないわよ。こんなに大切に育てたのに今どきのワンレンボディコンのおねえさんたちみたいなどこの羊の骨とも分かんないのの餌食になったら…。
お母さん　お母さん　あの　心の声みんな出ちゃってる。
羊じゃないし。
律　しっかりね。
１人暮らし　初めてやね。
頑張るんやよ。
うん…。
大きくなったね　律。何それ。
こんな日が来るのおかあさん　怖かった。
でも　入学式　立派やった。うれしかった。
うん。　和子さんも。
お母さんも元気でね。
あいよ！
♪～
本当に送らなくていいの？
（和子）泣きますんで。泣きたくないのですのです。
あっ　何　言ってんだ　おかあさん。うん　じゃあ行くね。
♪～
お母さん！
ありがと。
頑張るんやよ！
♪～
♪～
♪「おはよう　世の中」
♪「夢を連れて　繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の　歌声も」
♪「線路　風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪～
＜律君は　なんとかしてなるべく　鈴愛に電話番号を教えたくないと思っていました。例えば　ワンレンボディコンと知り合うまでは。　あんなふうに…＞
（笛の音）
＜いきなり呼ばれては　かなわんなどと思って…＞
イタッ！（鳴き声）え？
どこの子？
でもさあ　マア君私　幸せだったよ。
マア君といた時間　忘れない。私の一生の宝物。
ドラマの撮影？
美穂ちゃんの次でもくるみちゃんの次でもキョウコちゃんの次でもミレーヌの次でもよかった…。
ミレーヌ…。　フランス人か？（鳴き声）
ミレーヌ！あっ　いや　俺　律…　萩尾　律。
ミレーヌ　駄目じゃない。
ミレーヌ。　ミレーヌ。
ミレーヌ。　ミレーヌ。
ミレーヌ。ミレーヌ。
＜美穂ちゃんと　くるみちゃんキョウコちゃんとつきあったマア君はどんだけイケてるか…　と思うと＞
それ　もらう。
＜あれ　そんなでもない？＞
あ…？ああ。
寝てたら　うちに来たから。
う～ん　駄目じゃないか　ミレーヌ。
マア君　ひどい！　ミレーヌの事はそんな優しい目で見るのに私　ミレーヌ以下なんだ！もういい！
えっ？　あっ　いいの？
別れ際はよく切れるナイフで　スパッと。
これ鉄則。はあ…。
＜そんな半分寝ているような顔してそんな　かっこいい事　言われてもと　律君は思いました＞
あっ　何か　トレンディー。え？
いや…。
どうぞ　掛けて下さい。
コーヒーでいいですか？　飲む？
あっ　いや　未成年なんで。ですよね。　俺も。
あっ　朝井正人です。西北大学の１年生です。
えっ　嘘！　俺も西北。萩尾　律です。
マジ？　西北大学？　学部どこ？理工。
俺　法学部。へえ…。へえ　奇遇。
奇遇。フフフッ…。
でも　そうだよね　ここからだと近いもんね　西北大学。
ミルク入れますか？あっ　ブラックで。
えっ…。
これ　もしかして…。
あっ　それ　ほら女の子たちが　こうやる。
もしや　ディスコのお立ち台の…。
そうそう。　裏に　こうやって電話番号が書いてある。
磁石に砂鉄がくっつくように女の子が来るよ。
えっ　じゃあ　芝浦とか行くの？まさか　東京の人？
東京の人が部屋借りないよ。そりゃ　そうだ。
僕　北海道の人です。そりゃまた遠くから。
北海道　そうだべやって言うんだよ。　知ってる？
いや　知らない。でも　それで言うと俺　岐阜なんだけど　岐阜も何やっとりゃ～すって言うよ。
僕は　それを隠すために一文節ずつしか　しゃべらない事を自分に課しました。
一文節…？そう。
そうだよ。　違うよ。
いいね。　悪くないな。
分かんないな。　かわいいね。
一文節だと　なまりがばれない。
なるほど。（正人）うん。
＜律君が　まだ見ぬジュリアナやゴールドやお立ち台を夢見始めた頃鈴愛は　クレンザーで流しを磨いていました＞
これ　お願い。
（鈴愛）あっ　はい。
♪～
どうぞ。
＜銀座の老舗よしや吉兆堂の豆大福です。秋風は大福はここと決めています。　限定５０個。鈴愛が朝早くから並びました＞
（秋風）そうだ　岐阜の猿。はい。
（秋風）五平□　いつ作ってくれるんだ？
＜鈴愛は　秋風先生のリクエストを何度も逃げていました。あれは仙吉さんの専売特許です。鈴愛は　リスみたいにクルミを割っていただけです＞
どうだ？　岐阜の猿。
（菱本）先生。楡野さん　楡野鈴愛さん。
いい加減　名前覚えて。
そんな　もったいぶらないで作ってくれてもいいんじゃないか？
はい…。
うん。　ん？
（仙吉）いや　だからなそこは　どっちでもいいんだ。
味噌が先でも醤油が先でも。
おじいちゃん　ごめん。簡単にしゃべって。
長くなるとお金かかる。は？　手紙に書いて送ってやるわ。
間に合わん！　あっ　ファックス！あっ　うち　ないか。
最後に生姜ね。分かった！　じゃあね！
元気でね！　長生きしてね！　うん。
あっ　百円玉は　お釣りが出ん。
（裕子）電話好きだねえ。
そういえば　電話してないね。
するとこ　ないし。
あ…　あの。
あのちょっと聞きたいんですけどメシアシ　私が入る前って裕子さんやボクテ君がやってたんですか？
まさか。　私もボクテもメシアシなんてやってないわよ。
えっ…。専門の人が入ってたわよ。
でも　とにかく　どんどん人が辞めちゃって。
あっ　ここ　３Ｋよ。
３Ｋ？きつい　汚い　危険。
危険…？
秋風羽織は　危険な香りよ。
♪～
うん？
まずい。　どちゃくそ　まずい。
これは本物じゃない！　偽物だ。
あれは　実は祖父のものでして…。え？
うちの五平□は祖父しか作れないんです。
はっ　じゃ　何のためにお前を雇ったんだ！？えっ！？
お前は　五平□要員だ。
五平□要員…。
（秋風）こんな事なら　お前のじいちゃんメシアシに雇ったよ。
実家に一度帰ってでも　ちゃんとじいちゃんのレクチャー受けて完璧なものを作れるようにしておけ。
（秋風）じいちゃんもじいちゃんなんだろ。そのうち死ぬぞ。　秘伝の技を伝えとかなくてどうする！
あの　先生！はい　何しょ？
五平□要員とはどういう事ですか？
私は　いつになったらペン持たせて頂けるんでしょう？
パードゥン？何を言っていらっしゃる？
君の　その手は　五平□は焼いてもペンを持つ事はない。
消しゴムすら持たない。あなたは　メシアシです。
永遠にメシアシ。そう　炭水化物要員だ。
炭水化物要員…。
何や　それ。　聞いとらん！
今　言いました。話が違う！
私をだましましたね！
おい。　おい！
なっ　何をする！　おい！
このまま　ばらまきます！