医師たちを掌握してきた大学医局が崩壊の危機に陥り、医局に属さないフリーランス医師が稼ぎまくる――。現実の医療現場も、テレビドラマのように、あるいはそれ以上にドラマチックだ。「週刊ダイヤモンド」5月19日号の第1特集「20年後も医学部・医者で食えるのか? 医歯薬看の新序列」では、腕一本勝負で年収3000万円を稼ぎ、「私、失敗したら辞めるので」を掟とするフリーランスの筒井冨美医師が医療現場のリアルを赤裸々に明かした。ダイヤモンド・オンラインでも全3回連載でぶっちゃける!
「ドクターX」の裏テーマは
メンバーシップ型VSジョブ型
大学病院を舞台にした連続テレビドラマ「ブラックペアン」(TBS)が4月から放映されている。医者を主人公にしたドラマのヒットが相次ぎ、医療モノはすっかり定番テーマとなった。近年ヒットした最たるものと言えば、「ドクターX」(テレビ朝日)シリーズである。私は主人公と同じ「専門医としてのスキルを売る」フリーランス医師。このドラマの取材に協力した一人である。
ドクターXの裏テーマは、「メンバーシップ型VSジョブ型」ではないかと思う。主人公のフリーランス外科医は、メンバーシップ型の職場である大学病院にジョブ型の働き方を持ち込んだ。
「メンバーシップ型」と「ジョブ型」は、最近よく耳にする雇用の専門用語だ。2013年の内閣府の規制改革会議雇用ワーキンググループ報告書で紹介されて、広く知られるようになった。