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(秋風)菱本君に住居を案内してもらって。
明日は朝10時から。今日は もう休んでいいです。
(菱本)今の3階が仕事場。
2階 1階を案内します。
(鈴愛)あっ 裾!
こちらにエレベーターもあります。
家の中にエレベーター。
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪~
ここが リラクゼーションルーム。
ふぎょぎょ!
リラク? リラケ?リフレッシュする場所です。
原稿で疲れたらここで気分転換を。
コーヒーを飲んだりも。
夜は お酒も飲めます。
これは何かのセットですか?
その質問の意図は?
この部屋は 秋風の好きなもので作られています。
ん?あっ 私 左が聞こえないので。
こっち側。あら…。
何か気を付ける事はあるかしら?あっ いえ。
左から話しかけられると聞こえませんがそういう時は こうして クルッと自分で回りますので大丈夫です。
なるほど。あ…。
あの さっき 先生の原稿にバシャ~ってあれ 先生 描き直しですよね?大丈夫ですか?
<やってまった…>
大丈夫ではありませんが描き直しではありません。
あの程度のものは アシスタントの作業でどうにでもなります。
(藤堂)先生…そんなに近いと緊張します。
あっ 失礼。
皆さん 聞いてくれ。今回の「チープスリル」はシーメジャー7で。
♪~
シーメジャー7の世界です。
♪~
先生は何度言っても 原稿のそばにコーヒーを置くのです。
ドキドキするのが好きなんです。
こぼれたら どうしよう。変態です。
ヒリヒリした感じの中で描くのが好きなんです。
犬の絵…。
左から順に東谷魁夷 松原龍三郎平川郁夫 縦尾忠則。
もしかして 一人も知らない?いずれも日本を代表する画家です。
あっ!
すごい!家ん中に こんなものがある。
♪「バッバババ バババババ」
歌わなくていいです。
ここが秋風のプライベートルーム。
この家 12億です。はっ?
土地代が8億 上物が4億。
え…。
えっ 見えない。
ここは ないしょでした。ここに秋風は住んでます。
プライベートルーム。
今の わざとですよね?
そしてここが あなたのおうちです。
え…。
♪~
あ~っと…。えっ えっ えっ?いや。
まずは 公共の場から。はい。
調理などは ここで。はい…。
自分のものにはマジックで名前を。
はい。
ここがお風呂。ガスのつけ方 分かるわよね?
あ… はい。
ここが あなたの部屋。
はい…。
最低限の家具はこちらで用意したし送られてきた荷物は入れといたから。
はい…。(菱本)これが鍵。
では 明日10時に。
あっ あの…。
ごはんは? 夕ごはん。
あっ 今日はいいから。明日から作ってもらいます。
あ… あっ はい。
もしかして 今 自分の夕飯の事?
いえ まさか まさか。
(律)行った?
(菜生)うん 今日行った。
そう。
もう 梟町におらんね 鈴愛。
♪~
(仙吉)あ~ 悪い悪い。 はいはい。
(草太)お母ちゃん姉ちゃん もういないよ。
(晴)あっ いやや…。
あっ 野球 どうなったかな?
(テレビ)「次は プロ野球の結果…」。
(宇太郎)おっ 今日 ドラゴンズと巨人。
ああ… 負けとるわ。
おっ うまそう。
うん うまい。
♪~
頂きます。
♪~
ごちそうさまでした。
一人で食べるごはんはあっという間やな。
♪~
(ノック)
♪~
何や これ。
<その時 鈴愛は あ~ 私はもう家に帰らないんだ。今日 家に帰らないんだと思いました。今日から ここが私の家…>
(ノック)あっ はい。 あっ。
はい。こんばんは。
こんばんは。明日から よろしくね。
アシスタント仲間のボクテです。ボクテ?
そう。 「ボクって」って言うのが口癖で ボクテ。
あっ おしゃべりだけど気にしないで。
あと ゲイだから安心して。えっ…。
君を襲ったりしないって事。
あっ あと これ。 はい。
僕ね 今 仕事しててこっちに資料取りに戻ったの。
あっ 僕の部屋は はす向かい。襲ったりしないでね。
そしたら 台所の所にこれ 置いたままになっててあ~ ひしもっちゃん忘れたなあって思って。
今朝 君に届いた荷物。楡野鈴愛さん かわいい名前。
あ… どうも。じゃね。
あっ あの…。
私が ぶちまけちゃったコーヒー原稿 大丈夫でしたでしょうか?
君 やるなあ。 来るなり早々。インパクト大。
でも 大丈夫だよ。 すっかり修復。気にしないで。
お手数おかけしてすいませんでした。
あっ…そのパジャマ かわいいわね。
<それは 父 宇太郎手作りの拙い本棚でした>
♪~
♪~
<鈴愛は お父ちゃんとお母ちゃんを抱き締めて泣きました。ひのきのいい香りがしました>
・(物音)
<えっ 何の音!?>
・(物音)はっ…。