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<今日は 朝露高校平成元年度の卒業式です>
(律)鈴愛。あっ… 律。
あっ ブッチャー。
菜生。
<4人は途中で抜け出して誰もいない校舎を今日で最後になってしまう高校をフィルムに収めようとたくらんでいました>
<落書きも忘れません>
いきます。 はい チーズ。
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて届け」
♪~
(まさこ)えっ?ツケです。
あっ…。(菜生)もう卒業なんで。
ああ…。
いや 本当に払ってくれるなんて…何か寂しいね。
今日は ごちそうするわ。へ?
卒業祝や。
おいしい。(龍之介)うめえな。
うん。
何かさ もんじゃ焼きってやつがあるらしいやん。
あ~。あ~ 聞いた事あるけど食べた事ない。
うまいんかな?どうなんかね。
さっき撮った写真が出来る頃にはもう みんな おらんね。梟町におらんね。
ブッチャーはあさって 京都に行っちゃうし鈴愛は いつやったっけ?
来週。
律が そのあとやよね?うん。
私ばっか 置いてかれる気がする。
独りぼっちや。
私… 私涙が焼けるの初めて見た。
アホな鈴愛がおらんくなったらつまらんな。
梟会がええ! ここがなくなったらどうしたらいいんや!
一人で京都とか怖すぎる。
(まさこ)おいおいおいおい君たち小学生か。 ほい。まっ 泣きたいだけ泣きなはれ。いいんだよ泣きたい時は どんどん泣いて。今日は お祝いだ 泣いて食べよう。
ごちそうするから。
何はともあれ 卒業おめでとう!ほら。(一同)おめでとう!
<卒業おめでとうはうれしい言葉なのにいつだって 少し寂しい言葉。律だけが最後まで泣かなくて…律の心の真ん中は遠いのかもしれないと思った。ずっとずっと先の方に律の心の真ん中はあるのかもしれない>
じゃ どうも。
(晴)ご苦労さま。
(宇太郎)それで荷物最後か?うん。
<鈴愛の上京も明日に迫っていました>
本当に行ってまうね。
まっ でも よかったやないか。
秋風先生のとこの寮みたいなとこに住める事になって。
同僚もおる。 安心や。
(ノック)
(草太)あれ?おねえ ベッド持ってかないの?
うん。 送る方が高くつく。向こうで買う。ふ~ん。
何や 来るんか。
まあ いいやん。
いいけど。
何か忘れたものあったら言ってくれたら送るから。
優しいな。いつも優しいやん 俺。
そやな。
優しくて心配になるくらいや。
最後に 姉らしい事を言うと…。
最後とか余計だから。最後じゃねえし。
うん。
草太は いい子やから人に譲っちゃうから損しないようにな。
何や そのアドバイスありがたくねえ。
本当や。 何か気の利いた事言おうと思ったんやけど分からん。
分からんくていいからさ…。ん?
たまには 電話よこせよ。
おっ シスコンやったんか?そうやなくて お母ちゃんに。
うん。
草太。
お母ちゃん よろしくな。
がってんだ。
出来た。(仙吉)出来たか。ああ。
出来ちまった。
出来ちまったからには鈴愛に渡したらなかんな。
(仙吉)う~ん そうか…。これ持ってくか?
いやいや 送るよ。まっ 使ってくれたらやけど。
はあ… 遠くへ行くな。
うわ~ かっこいい!
そうか?うん かっこいい。 持ってく。
いや 送ったる。そうか。
ここにな 鈴愛のコミックスが出たら 立てたらいい。
うん そう思った。
うちの食堂にも お前の漫画置く。ずっと先やよ お父ちゃん。
鈴愛 いつだって帰ってくりゃいいぞ。
ん?(宇太郎)待っとる。
おとうちゃんも おかあちゃんもおじいちゃんも 草太も 梟町も待っとる。もちろん東京で頑張るのもいい。うん。
でもあ~ ま~ あかんと思ったらいつだって帰ってこいよ。
うん。
な~んにも 心配する事ない。
おとうちゃんも おかあちゃんもず~っと 鈴愛のおとうちゃんとおかあちゃんや。
(宇太郎)ず~っと 鈴愛の味方や。
うん… 分かっとる。
♪~
うわっ すき焼きや!
牛やよ。 飛騨牛。 特上。
やった!やった!
では 私が卵を割りましょう。
何 それ?テレビでやっとった。
こうやってメレンゲみたいに泡立てるとおいしいらしい。へえ~。
はい。え? いいの? おじいちゃん。
今日は 主役や。
では 頂きます。
♪~
おいしい! おいしい!
おいしい!
・(和子)律! 律!はい?
あっ こんばんは。(晴)こんばんは。
(和子)鈴愛ちゃん 明日行くって。ああ そっか。
律も もうすぐだね。
律君鈴愛をよろしくお願いします。
律君が同じ東京にいると思うとちょっと ホッとする。
僕にできる事は何でも。
何かね 家ん中おったらそわそわしてどうしたらいいか分からんようになって。
梟町散歩しとったらそしたら和子さんに会いたなってそしたら律君にも会いたくなってね。
鈴愛は大丈夫だから。 俺もいるし。
それより おばさん体に気を付けてね。
うん。
明日から あの子がおらんようになるな。
うん。 犬でも飼うか?
フフッ 何 それ?フフッ。
鈴愛と 話 したか?何を?
何か言ってやる事とか…。
そういう しゃれた事は私は よう言わん。
すき焼き うまかったな。
うん。 頑張ったよ あれは。
奮発した。
しばらく 納豆か?
フフッ。
♪~
龍が泳いどる。
♪~
・お母ちゃん。
何? どうした?
怖い夢 見た。