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<皆様 ゴールデンウイーク いかがお過ごしだったでしょうか?本日は週の頭なのでざっとしたおさらいを。と思うのですがなかなか これが聞くも涙語るも涙の物語でして…>
(律)やってまった…。
<律君 鈴愛とファイルを取り違えまして…>
・(物音)
(仙吉)ああ…。おじさん! すいません 誰か!
<律君のセンター試験の受験票は鈴愛と共に今まさに…>
(鈴愛)やってまった…。
<東京に行かんとしておりました>
℡はい もしもし!
そばの出前は やってないかと。
♪~
♪「おはよう 世の中」
♪「夢を連れて 繰り返した」
♪「湯気には生活のメロディ」
♪「鶏の 歌声も」
♪「線路 風の話し声も」
♪「すべてはモノラルのメロディ」
♪「涙零れる音は」
♪「咲いた花がはじく雨音」
♪「悲しみに青空を」
♪「つづく日々の道の先を」
♪「塞ぐ影に」
♪「アイデアを」
♪「雨の音で歌を歌おう」
♪「すべて超えて響け」
♪「つづく日々を奏でる人へ」
♪「すべて超えて届け」
♪~
(龍之介 菜生)おめでとう。
ありがとう。(まさこ)おめでとう。
<律君は結局その ファイル入れ代わり事件で京大受験を断念せざるをえなくなり東京の私立大学に受かり行く事になりました>
でも 東大や京大やなくても大学は大学やん。
西北大学 名門や。
あの時…。(2人)あの時?
そう あの時 確かに…。
じゃ 頑張れよ。おっ。
あっ 私のファイル。ああ。
はい。
俺は ちゃんと分かってた同じファイルが2つある事。
自分のが こっち。鈴愛のは向こう。
間違える訳がない。俺は 鈴愛とは違う。
そこ言いたいんだ。言っとく。
俺は ちゃんとイメージでファイルの場所を把握してたはずなんだ。
なぜ その場所が変わった?そう 犯人は…。
(律 龍之介 菜生)フランソワ!
♪~
それや。 フランソワは2人のキューピッドや。
京都と東京に離れ離れになってまう2人をなんとか一緒に東京に出そうって!
えっ!? ちょっと待って!俺 どうなるの?
律と一緒に京都行こうと思っとったのに!
申し訳なかった!
(晴)あの… 伺うのが遅くなってしまって…。
(和子)すみません。(弥一)いえいえそれは こちらが律の私立受験でバタバタしちゃってお待たせした訳で。
(宇太郎)この度は まことに…。
(4人)申し訳ありませんでした!
いやいや そんな…。 今回の事は誰のせいでもありませんし西北大学にもちゃんと入れましたし。
律は…。
律は高校受験でも犬を助けて失敗してるから…。
<そうなのです。律君は 海藤高校受験の時に受験会場手前 20分のところで車にはねられた犬を見つけその手に抱いてしまい抱いた以上は医者に…>
今度は 犬の代わりに私を!
本当に申し訳ない!
しかも 犬は ちゃんとした事故で私は ただの貧血…。
あっ いえ 決定打は私です!
私が律の受験票を持ってってしまったばかりに…。
鈴愛ちゃん大学受験の要項を読めばですね受験票を忘れてきても再発行できるとちゃんと書いてあります。えっ そうなんですか!?
受験票忘れたらてっきり アウトかと…。
律が受験要項のどこにまで目を通していたかは分かりませんが再発行という手段があるのではとあの子が気付かない訳ないのではと 私は思うんです。
あなた どういう事?
まあ お掛け下さい。 さっ。
どうぞ どうぞ。
彼は 東大から京大に志望校を変更しました。
弱気になっていったんだと思います。
あのままでいけば 京大も危うかったんではないかと私は思ってます。
彼の心の奥底でどこか逃げたいって気持ちがあったんじゃないでしょうか。
ちょっと待って 弥一さん。
律が わざと受験しなかったって事?
仙吉さんが倒れた事にかこつけて京大受験から逃げたって事?
いやいや そうじゃないさ。えっ そう聞こえますよね?
あっ まあ 今の話の流れだとそんなふうに…。
(弥一)いえ 彼は そんなふうにはこれっぽっちも意識してないと思います。しかし 心の底では少しホッとする気持ちがあったんではないかと…。
弥一さん そんなふうに臆測で ものを言うのは自分の息子に対しても失礼だわ。
じゃあ 言い方を変えよう和子さん。
僕は ホッとしたんだ。
律が西北を受けて 受かってくれて心底 ホッとした。
京大を受けて落ちたら僕は もうあの子をフォローする自信はなかった。
(弥一)律のプライドいえ 私たちの期待いえ 梟町全体の期待生まれた時から神童といわれ3つで九九を全部言えた彼は…。
あっ 言っとった 言っとった。
まるで この世の全ての期待を自分が担っているよう勘違いしましてとてもじゃないけど滑り止めに私立を受けさせてくれと私たちに言う事はできませんでした。
律は命拾いをしたと私なんか思います。
でも すばらしい!
滑り止めでも 私立のトップ!西北大学に受かる!
よっ 都の西北! ハハハハハッ!ちょっと ウーちゃん。
ありがとうございます。
実を言うと 律の成績は余裕で京大を受かるっていうものではありませんでした。まっ ここだけの話。えっ?
余裕のよっちゃんかと思っとった!
知らなんだ。でも おじさん それ言わん方が…。
ねえ こんな大勢の前で言ってしまってここだけの話と言われても…。
鈴愛の口は 羽より軽いのに。
いえ 私これは 口が裂けても言いません。
さすが 鈴愛ちゃん律の事 よく分かってくれて…。
ああ見えて 律のプライドはチョモランマよりも高い。
世界一高い。フフフ… エベレストでは?
エベレストとチョモランマは同じ山です。国によって呼び名が違います。知らなんだ。
(弥一)あの子は小さい頃から手がかからない子で…。
自分の子どもながら 何考えてるかよく分からないところがあって。
いや いい子なんですけどね。
あの子は 心の真ん中のところを人に言わないんです。
<心の真ん中のところなんておいそれと人には言わないのではないかと 鈴愛以外全員が思っていました。鈴愛だけが じゃあ 私が今まで聞いていたのは 何だったのか?心の端っこだったのか?パンの耳か?と 大層 ショックを受けておりました>
心の真ん中?
お前一体 うちで 何 聞いてきた?
和子さん また語ったな。
私は悲しい。はい?
私は 律の友達だと言うなれば 親友だと思ってた。
鈴愛…。
2つ挫折があって…。うん。
一つは海藤高校に入れんかった事。
うん。
一つは 永久機関や。ああ あの!
小学校の時からやたら作ってた あれか?
そういえば そういうの作らんくなったな。
永久機関が俺は本当に作れると思っとった。
でも 中学2年の夏に俺は天啓を受けたように分かった。
永久機関は この世では作れない。
それ 天啓って言葉の使い方ちょっと違わないか?
そこは まあ いい。ニュアンスを分かってほしい。
了解致した。信じて信じて頑張ってもこの世には不可能な事があるんだと思った。
うん。
とりあえず みんなが期待するから海藤から東大に行こうと思った。
律自身の気持ちは?
俺は まあ できるから当たり前にそういう事なんだろうなと思った。
しかし 現実に負けた。
いや 律は負けてない!犬を助けた!
人助け… いや 犬助けは自分の我を通す事よりも尊いし 正しい!
それが正しい事を証明するために俺は東大に合格しなければならなかった。
でも 鈴愛。
これは 鈴愛だから言うけど多分 俺は そんなにできないんだ。
えっ…。
そんな事 自分で言ってチョモランマはいいのか?
ん?いや…チョモランマとエベレストは一緒の山だ。
模試も成績が伸びなくなってきていた。
朝露に行ったせいじゃなくて?いや 海藤に行ってたら西北にさえ入れなかったかもしれん。
自分より上がいる事にショックを受けて。
ずっと一番だった人間は弱い。
ずっと一番…。
自分で言うかと思うが確かに律は ずっと一番だった。
俺は周りの期待する俺でいなくちゃと焦った。
あっ あれか!
これも よくなかったか?え?
マグマ大使は英雄だからいつだって英雄じゃなきゃいけないって昔 和子おばさんが言っとった。
これのせいだな。気が付かなくて悪かった!
いや… いやいや ちょっと!
やめて! 捨てないで。
♪~
(笛の音)
(笛の音)
(笛の音)
律…。
はい。
これは捨てないで下さい。
了解… 致した。
♪~
<もう 何を言っても余計ですね。2人が幸せでいる事をおばあちゃんは 空から祈ります>