『週刊ダイヤモンド』3月24日の第1特集は、「神社・仏教 大騒乱」です。神社界、仏教界の関係者は共に、2018年を「崩壊元年として刻まれかねない」と位置づけています。神仏習合の慣習を禁止した「神仏分離令」が出され、大騒乱となったのは奇しくも150年前の1868年のこと。いま、全国8万社を包括する神社本庁と、伝統仏教を代表する全日本仏教会が、それぞれ苦境に立たされています。神社と寺院を襲う150年越しの大騒乱を追いました。本記事では、昨年12月、殺害された富岡八幡宮の女性宮司、富岡長子氏への事件直前の独占インタビューを一部抜粋して初公開します。
昨年12月、凄惨な事件が起きた。週刊ダイヤモンド編集部が「ダイヤモンド・オンライン」の記事『神社本庁「恐怖政治」の実態、地方の大神社で全面戦争も』で神社本庁からの離脱をスクープしていた富岡八幡宮(東京都江東区)で、宮司の富岡長子氏が惨殺された。編集部では事件の直前、長子氏に取材を敢行していた。「対面取材は初めて」という長子氏の話のうち、書かないように指示された部分を除いた内容を週刊ダイヤモンド特集「神社・仏教 大騒乱」で掲載するが、その一部を抜粋して初公開する。そこには神社界が抱える闇が凝縮されている。
──宮司人事をめぐって騒動が勃発している大分県の宇佐神宮の取材をしている過程で、宇佐と同じく女性が宮司後継者となっている富岡八幡宮でも、神社本庁(全国の神社8万社を包括する宗教法人組織)を離脱したと聞きました。