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♪~
(リリコ)こんにちは ミス・リリコです。
(四郎)アンド シローです。
突然ですけど 今日は皆様に ご報告がございます。
(観客)え?(リリコ)ミス・リリコ アンド シローは本日をもってお見納めでございます。
(ざわめき)リリコとシローは…。
結婚します!(どよめき)
(拍手)
この人な 上海行ってず~っと夢やったオーケストラ楽団に入りますねん。
そやさかい うちも一緒に 上海についていかしてもらいます。
こんなええ女子はおりません。
今まで応援して頂いた皆様ホンマに おおきに。
どうか うちらのわがまま許したって下さい。
(拍手と声援)
お… おおきに おおきに。
何 泣いてんの!
そんな訳でこれが最後の高座でございます。
さあ 景気づけに陽気にいきまひょか!
へい!(拍手)
♪~
(風太)看板コンビが いてへんようになんのは つらいけどまあ しゃあない。
また新しい売れっ子芸人 作んで。
(てん)そやな。
ベートーベン? アホか!(笑い声)
この… この… この…。「このこ このこ」て どこの子や!
(栞)こんにちは。
ああ!ああ 伊能さん!
(四郎)わざわざ見に来てくれはったんですか。
ああ。
おめでとう。 上海に行っても二人仲よく お幸せに。
おおきに。ありがとうございます。
今まで ありがとう。
アッハハハハ!ん?
いっつも 伊能さんには「やめる やめる」ばっかり言うてたような気ぃするわ。
それも これで最後かな。
多分な。え?
何え? それ。
(笑い声)
冗談やろ?冗談や。
♪~
♪「出かける時の忘れ物」
♪「ひょいとつかむ ハンカチのように」
♪「心の中に すべり込む」
♪「いちばん ちいさな魔法」
♪「泣いたり 笑ったり」
♪「今日も歩き出す」
♪「ありがとうと言いたいあなたのために」
♪「ごめんねと言えないあなたのために」
♪「パレードは まわり続けてる」
リリコさん 四郎さん 元気でな。
気ぃ付けて行くんやで。はい。
うん。 みんな おおきに。
わがまま聞いてもろてホンマに ありがとうな。
何の恩返しもでけへんまま引き抜きみたいになってしもてすんまへん。(アサリ)引き抜きて
…。
蒸し返すな!あっ まだ いはったんですか。
何を なかった事のようにこら お前!すんまへん!
ミス・リリコ アンド シローは 初めてうちらが売り出した漫才コンビ。
あんたさんら二人からもろたもんの方がず~っと大きいてそう思てるんや。
(歌子)高座で漫才せんでもふだんから漫才みたいに暮らしたらええんや。
(万丈目)四郎さん嫁はんの尻に敷かれても笑顔やで。(笑い声)
(楓)そや。「笑う門には福来る」や。
(トキ)お二人で力合わせて頑張ってな。
はい。
うちの仕事は この人が楽団で活躍できるよう支える事や。
これからは夫を支える美しい妻になるわ。
腕によりをかけて ごはん作って家も ピカピカに磨いて四郎の帰り 待つんや。
え~!おうおう 全然想像できんな おい。
(隼也)ハイヤー 来ました。ああ。
まあ 何かあったらいつでも連絡しぃや。
上海でもシベリアでも どこでも俺が すっ飛んでったる。
はい。
リリコちゃん 幸せになってな。
あんたもな。
リリコさん。
どこに行ってもうちらの仲は一生もんや。
お気張りやす。
おおきに。
♪~
ほな 行ってまいります。
おう 行ってこい!気ぃ付けて。
そうして リリコと四郎は上海へと旅立っていきました。
回想 (つばき)すてきなショウや面白いレビューたくさん たくさん作って下さい。
(ため息)
(ドアが開く音)
いらっしゃいませ。
ここ いいかな?あっ 伊能さん。
どうぞ。
リリコ君と四郎君の船出を見送ってきた。
ああ そうですか。
どうした?あっ いえ。
北村の25周年パーティーにミス・リリコ アンド シローがおらんのは残念やな思て。うん。
まあ でも いいんじゃないかな。
愛を貫いて結婚して上海行きだ。すばらしいよ。
でも 見守るだけの静かな愛っていうのも悪くないんだけどなぁ。
え?
いや。 一杯やろうか。
あっ はい。(栞)お願いします。 ビール2つ。
かしこまりました。少々 お待ち下さい。
♪~
お嬢様 今日こそ 召し上が…ああっ おやめ下さい!
お嬢様 申し訳ございません!
(泣き声)
♪~
つばきさん?
どないしたん?
何か あったんか?
家を出てきました。
え?
大阪をたつ前に 最後に一目隼也さんに お会いしてお別れ言おうと思て。
けど 失礼します。
ちょっと待って。
家出て… もうすぐ結婚やないの。
結婚はしません。
ほかに好きな人がいてるのに結婚するやなんてお相手にも失礼やと思うので。
♪~
どうぞ。
もうすぐ うちの人も戻ってきますさかい。
すみません。
おい 隼也! 隼也 待て!待て…。
お前は 自分ちで待ってろ。今 会わす訳にはいかん。
けど…。話は ちゃんと俺が聞くさかい はよ帰れ。
な!
はい。
♪~
隼也。ん?
晩ごはん どないする?
食欲ないわ。
(戸の開閉音)
邪魔すんで~。どない? つばきさんの様子は。
あのお嬢さん「家には帰らん」の一点張りや。
けど 家出してどこ行く気ぃなん?
何や九州の知り合いのとこ行ってこれからの事 考えるて言うてはった。
そない むちゃな事。
世間知らずのお嬢さんや。
先の事 よう考えてるとも思えへん。
行ったらアカン。
これは お前だけの問題やない。
北村の今後にも関わる事や。
あの子には家に帰ってもらうのが 一番ええ。
先方さんに連絡して迎えに来てもらお。
そやな。
♪~
この度は娘が 大変 ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
いいえ。婚礼を控えて少し神経質になってるんでしょうな。
外に出たまんま戻ってこんいうて皆 心配してましたんや。
それが 北村さんで預かってもろてると ご連絡頂きホンマ 安心しました。
おおきに!
そんな 頭上げとくれやす。へえ 中之島銀行さんとはこれからも ええ おつきあいをさせ
て頂かなあきませんさかい。
そうですな。
では 今日は この辺で。さあ 帰らしてもらおか。
お父様 私は結婚しません。
二度と 家にも帰りません。
ハハハハ 何を言いだすかと思たら。
そんな勝手は許さん!
私には 好きなお人がいます。
そんな気持ちのまま結婚したら許嫁の方にも失礼になります。
そんな問題やない! バカもん!
あっ!隼ちゃん!
待って下さい!おい 隼也!
君は?
つばきさんの友人です。