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（つばき）実は　私…。
結婚するんです。
（隼也）待って！
私の父は　中之島銀行の頭取で…。
（てん）中之島銀行！？私は　長女なので婿を取って　家を継がなくてはならないんです。
跡取り娘さんですか。私の結婚は言うてみたら　政略結婚なんです。
家同士の結び付きのための。
（戸の開閉音）
（風太）邪魔すんで～。おい　てん　頼まれてた資料…。
どうも。
え？　何や？　何があったんや。
♪～
♪「出かける時の忘れ物」
♪「ひょいとつかむ　ハンカチのように」
♪「心の中に　すべり込む」
♪「いちばん　ちいさな魔法」
♪「泣いたり　笑ったり」
♪「今日も歩き出す」
♪「ありがとうと言いたいあなたのために」
♪「ごめんねと言えないあなたのために」
♪「パレードは　まわり続けてる」
（風太）座れ！
おい　トキ玄関の戸　鍵かけとき。
（トキ）一体　何やの？隼ちゃん　どないしたん？
ええから　はよ　鍵かけぇ！
こいつをな　一歩もこっから出したらアカンのや。
へえ。
中から鍵かけても　しゃあないわ。
あっ？　何や！いいえ！
ほな　飛鳥　雨上がったさかいちょっと　お外行こか。
ごめんな　飛鳥ちゃんな。
隼ちゃん　ゆっくりしてってな。すんません。
（小声で）お茶くらい　出しぃ！いい　いい！
飛鳥に　何でも買うたって。　な！お前は買うなよ。　な。
（トキ）うるさい！危なっ！　くそっ。
中から鍵かけても意味ないやんか！　恥ずかしな。
おい　隼也お前　修業中の身で何してんねや。
別にやましい事なんてしてません。
ほんなら　何で２人して　ずぶぬれなんや。
ん？
あの子　中之島銀行の頭取の娘さんやてな。
うちの取引銀行やぞ。知らんかったんか！
はい。
もし　こないな事が知れて資金　融通してもらわれへんようになったら　どないするつもりや

！？
♪～
で　お前は　あの子の事どない思てんねや。
会うてるだけで楽しかった。
それが　急に会えんようになって自分の気持ちが　よう分かった。
僕も好きや。
アホ…。嘘は　つかれへん。
何を言うてんねや　お前。
ええか？お前は　北村の大切な跡取りや。
ほんで　向こうは大きい銀行の跡取り娘さんや。
そない簡単に惚れた腫れたて言える話やない。
分かるな？
つばきさん。
隼也の事　想てくれてありがとう。そやけど…。
もう　お会いする事はないと思います。
最後に　ちゃんと気持ちをお伝えできてよかったです。
おなか　すかへん？
何や　緊張したら　おなかすいたわ。
すぐ　晩ごはん用意するさかい食べていきよし。
はい　お饅頭　ぎょうさん食べてや。おばちゃん　おおきに。
おうおう　何や　こんな　ぎょうさん買うてきて　饅頭屋でも始め…。
あんたは　食べんでええ。ちょっ　待って　何で！？　な！
声が大きい！　飛鳥　起きるやろ！あ　ごめん。
また　事務所　戻るんやろ。はよ行き。
な！　ほら。　結婚なんかするもんちゃうで　お前。
訳分からん英語で「メリー　ミー？」やっけ？
そんなん言うて結婚申し込んだんどこの　どなたさんですやろな。
こいつ　英語しゃべれんねや。な！　言うたらアカン　それは。
（トキ）お花とドーナツまで買うてきて。（風太）やめてくれ。　な！　もう。
さっき偉そうに怒ってしもうたんや。
俺の顔　立ててくれ。
なあ　隼ちゃん。
何かあったら遠慮のう　うちらに話してや。
おおきに。
あんまりお母ちゃんに心配かけんなよ。
うん　分かってる。
うん。
ほら　お饅頭　食べ。
おおきに　頂きます。
（トキ）おいしいか？
あんたは食べんでええ言うたやろ。
訳が分からん　何でや…。
（言い合う声）
（ため息）
ただいま。・（つばき）お帰りなさい。
あ…　お帰りなさい。ただいま。
お帰り。　もうすぐ晩ごはん　できるさかいな。
お母ちゃん　これは…？
つばきさんに料理　手伝うてもろてるんや。
なかなかの腕前やわ。
これ　きんぴらにするさかい包丁は　こう持って背ぇで　こそげ落としてな。はい。
あんた　いつまで　そないなとこ突っ立ってるつもりや。
何や　昔のおてん様と藤吉さんみたいやな。
アホ　そんななまやさしいもんちゃう。
相手は　うちの取引銀行の娘さんや。
ちょっと間違うたら　芸人も社員も何百人が路頭に迷う事になる。
そやな…。
けど　隼也はそれぐらい分かってる。
おてん様も　つらいやろな。
♪～
お味見してもらえますか？ああ。
うん　おいしい。
あ…　ホンマですか？この顔　見て。
笑顔は　嘘つかへん。
はい。　ありがとうございます。
おいしいもん食べると自然と　ほっぺたが緩むもんや。
哀しい事や　嫌な事あってもおなかいっぱい食べて　わろたらまた　元気出てくる。
こんなふうに　お母さんと並んでお料理するの　いいですね。
え？
そやなぁ　うちにも娘がいたらこんな感じやったんかな。
すいません　一人息子がおなかペコペコなんやけど。
アハハッ　そしたらつばきさん　おみそ汁よそってやって。はい。
あんたは…。はい。これ運んで。
はい　一人息子は　これを運ぶと。
こっちも。はい。今日のは　特別　おいしいえ。
なあ　つばきさん。はい。
いや　えらい　ごっつおやな。頂きます。
おあがりやす。　ほな　うちらも。
（２人）頂きます。
おいしい。
それ　つばきさんが作ったんえ。ホンマに？
ものすごぉ　おいしいわ。
ありがとう。　うれしいです。
う～ん　ホンマに　おいしい。
♪～
ん！　このきんぴらもええ味付けや。
ホンマに？　頂きます。
うまい。ねえ！私も。
とても静かな　優しい時間でした。
うん　おいしい！
いろいろとありがとうございました。
一緒に　ごはんを頂いて　笑って楽しかったです。
うん　僕も楽しかった。
これから　どないすんの？
花嫁修業かな。
結納の準備もあるし。
うん　そっか。
あ…。
つばきさん　これ。
ずっと持ち歩いてたからちょっと汚れてるけど。
ありがとう。
うわ～　すてき！
椿の花や。
いろいろ助けてもらった　お礼。
宝物にします。
うん。
♪～
隼也さん。ん？
すてきなショウや　面白いレビューいっぱい　いっぱい　作って下さい。
いつか　きっと見に行きますから。
はい。
♪～