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隼也は 北村の取引銀行の頭取の娘 つばきと許されぬ恋に落ち…。
(風太)お前は あの子の事どない思ってんねや。
(隼也)僕も好きや。
(てん)隼也の事 思てくれてありがとう。 そやけど…。
(つばき)もう お会いする事はないと思います。
(トキ)何や 昔のおてん様と藤吉さんみたいやな。
うちは身勝手な親になるしかあらへん。
互いの想いを封印して別れる2人。
それが 北村笑店のためだとてんは自分を納得させていました。
それから半年。
隼也は 全てを振り切るように修業に身を入れ…。
おトキさん 昨日の売店の売上金と計算書です。
おおきに。
子育てが一段落した おトキも職場復帰。
隼也に 会社の経理全般を教えていました。
隼ちゃん 計算 えらい速なったな。
おおきに。
家でも 毎朝毎晩 鬼の社長にしごかれてますさかい。
誰が鬼やの?
無駄口たたいてんと…。棚卸ししてきます。
もう すっかり つばきさんの事吹っ切れたんか仕事に身ぃ入ってはって頼もしい限りですわ。
それやったら ええんやけど。
(栞)こんばんは。(歌子)あらまあ お珍しい!
お一人でっか?いや もうすぐ連れが来る。
まさか 女子はんでっか?
(ドアが開く音)おうおうおう すんまへん!
遅なりました!何や 専務か。期待して損したわ!
何やて? 何や 俺で悪かったな。東京で公演が始まったマーチン・ショウ連日 満員御礼。興行史に残る大成功でね。
せやせや。よろしゅうおましたなぁ。
ボンの夢も かのうて。そや。 そやから今日はそのお礼に 伊能さんをご招待したんや。
ほら 歌子はん もう料理も酒も どんどん持ってきて。
今日は祝杯や!ハハハハ 腕鳴るわ!
オッサンみたいやな。 今日は飲むで!
♪~
♪「出かける時の忘れ物」
♪「ひょいとつかむ ハンカチのように」
♪「心の中に すべり込む」
♪「いちばん ちいさな魔法」
♪「泣いたり 笑ったり」
♪「今日も歩き出す」
♪「ありがとうと言いたいあなたのために」
♪「ごめんねと言えない」
♪「あなたのために」
♪「ありがとうと言えるそのときのために」
♪「ごめんねと言えたあなたの心に」
♪「パレードは まわり続けてる」
そういえば最近 隼也君は どうだ?
う~ん まあ 頑張ってますけど跡継ぎとしては まだまだや。
教え込まなアカン事も 山ほどあって。
羨ましいよ。ん?
あとを託せる人間がいる。
会社では 一緒になって夢を語れる相手がいないんだ。
マーチン・ショウの成功も社長の独断専行だと陰口だ。
どうだろう うちの跡継ぎに隼也君をくれないか?
フフフフフ…。
「どうだろう」。 いや あのねうちも そのエンターテインメントちゅうのに力を入れよと思てますねや。
そやから 隼也は譲れまへん。
伊能さん そない寂しかったら所帯を持ったら どないです?
いつまでもねそんな 自由人 気取ってたらあきまへんで。誰かおりまへんの?
う~ん…。
「どうだろう」や そこは。何や それ 「う~ん」て。
うん… うん。
できてるな。おおきに。
最近 帳簿と にらめっこするのが面白なってきたわ。
週の なか日は 相変わらず売り上げが伸びへんさかい何か 手ぇ打たんとアカンなとか。手ぇいうと?
うん 例えば水曜を婦人の日にして女の人を割引にするとか。
家事や子育てに疲れたお母ちゃんらに連れもって 来てもらうんや。
ええかもしれんな。会議で話してみるわ。
おおきに。よろしゅうお願いします。
隼也。ん?
この仕事 楽しいか?
うん 楽しいで。
人生には 思うようにいかん事がいっぱいある。
そやから つらい事や 哀しい事みんな寄席で笑い飛ばしてるんや。
そう思ったら ホンマ ええ仕事や。
そうか。うん。
あ~ ちょっとええか?
創立25周年記念パーティーマーチン・ショウ成功の勢いに乗ってど派手にやろ思う。 どや?
ええな。(亀井)ほな でっかいホテルでやりまひょか。各界の名士をお招きして。
(万丈目)そのパーティー ボンに任せてみては どないですやろ?
え?せやな!
下働きも 一とおりできるようになって北村の心も身につけてきたみたいやし。
お金の勘定も管理もしっかりしてはります。
(楓)芸人さんにも好かれてますしね。
まあ ええかもしれんな。
ああ そやけど隼也は まだまだ未熟もんです。
いやぁ 世間に顔見せするにはええ機会や。
いずれは どっかで 跡継ぎとしてお披露目せなアカンさかい。
ああ…。どないです?
う~ん…。いや まあ もちろん一人でやらす訳にはいかん。そら お目付け役が必要や。
ああ そやな。お目付け役な。
♪~
(せきばらい)
♪~
万丈目はん お願いできるか?
わて? 喜んで引き受けさせてもらいます。
パーティーの企画は楓さん 手伝うてくれるか?
はい。おお。
どや? 社長。
みんな おおきに。
確かに 仕事任すにはええ機会かもしれまへん。
失礼します。 おトキさん…。
すんません お話し中でしたね。また来ます。
いや~ 待て待て 待て待て。
隼也 こっち来い。はい。
まずは どんなパーティーにするかやな。
はい。うん。それには 隼也さんが何をしたいかやな。何を… まだ そこまでは。
何言うてはりますの。
まず お題目を決めてから企画を立てるんが 一番大事です。
うん その上で来てくれはったお客さんにどうやって楽しんでもらうか知恵絞らなアカン。 な!
はい。何か ありませんの?
ああ…。
お客さんに楽しんでもらうんはもちろんやけどせっかくの北村のパーティーやさかい芸人さんらが主役になれるんがええんとちゃいますか?芸人さんらが主役?
まだ 何も考えはないんやけど。うん…。
ボン! よう言うた!へ?
それこそ 北村の跡を継ぐ者がまず考えなアカンこっちゃ。
朝一番に マンマンに来てや。はい… え?
わてが 大事な事 教えたる。
はい 勉強さしてもらいます!
(リリコ)どうぞ。(四郎)おおきに。
あ~。今日も あんたの演奏お客さん 喜んではった。
リリコのしゃべくりがよかったからや。
いややわぁそんな ホンマの事言うて。
あっ 見て見て!何 何?
(リリコ)茶柱や!
きっと ええ事あるで。
あんた こっち飲んで。
何言うてんねや リリコが飲み。
あんたが飲んで。
君に飲んでほしいんや。
えっ どうした?
ううん。 幸せってこういう事なんやなぁ。
へ?
何でもない。 ほら 飲んで。
君が飲み。
あんたが飲んで。いやいや 君に…。
(アサリ)ゴチャゴチャ言うてんとさっさと飲め!
何や おったんか。ずっと おったわ!
はぁ~ アホらしい。
ほな 半分ずつ飲もか。そやな。
(四郎)君から飲んで。
(リリコ)あんたが飲んで。(四郎)いや 君から飲みて。
(鈴の音)
25周年記念のパーティー隼也に任せてみよ思います。
この黒紋付き 覚えてはりますか?
(藤吉)風鳥亭開業一周年の記念興行にぎにぎしく始めさせて頂きます。
(拍手)
パーティーで 隼也にこれ着せてやろかて思てます。
♪~
はぁ~芸人さんらが主役のパーティー…。
♪~
それは つばきの婚約を伝える記事でした。
おいしいな。
リリコと一緒やったら何でも おいしいわ。
フフッ!フフフ!
ちょっと これ食べる?うん。
はい あ~ん。あ~ん。
おいしい!
ホンマ あんたら 仲ええなぁ。
はい これ。
何? これ。
あちらさんからの差し入れや。ご贔屓さんと ちゃうか?
ほな ごゆっくり。
ごっついなぁ。そうやな。
失礼します。リリコ師匠 シロー師匠。
豪勢な差し入れありがとうございます。
おおきに。どうぞ お召し上がり下さい。
じゃあ 遠慮のう。
ああ 私 実は こういう者でして。
「新世紀芸能」?
お二人で うちの会社に移籍しませんか?
給金 た~っぷり弾ませてもらいます。
リリコと四郎が 引き抜き!?
何やら 怪しい雲行きとなってまいりました。