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(栞)ジェイソン・ハミルは確かに マーチン・ショウの代理人だが隼也君が会った人間とは別人だ。
隼也君が会ったのは恐らく詐欺師だ。
偽マーチン・ショウの詐欺に引っ掛かってしまった隼也。
(隼也)お父ちゃんホンマに すんませんでした!
てんは 隼也を 北村笑店で鍛え直す事にしました。
♪~
♪「出かける時の忘れ物」
♪「ひょいとつかむ ハンカチのように」
♪「心の中に すべり込む」
♪「いちばん ちいさな魔法」
♪「泣いたり 笑ったり」
♪「今日も歩き出す」
♪「ありがとうと言いたいあなたのために」
♪「ごめんねと言えないあなたのために」
♪「パレードは まわり続けてる」
(戸の開閉音)
(風太)何や もう来てたんか。ああ…。
こんな事ぐらいしかでけへんさかい。
ええ心がけや。 けどな…。
おい おい! けどなお前 ちゃんとお母ちゃんに謝ったんか。
どうせ 暗~い顔してじめ~っと謝ったんやろ。
男なら男らしくビシッと謝らんかい!
失敗すんのも男の甲斐性。
これからの僕を見て下さいっちゅう気概はないんか。
ほら 立て。
まずは 背筋をビシッと伸ばす。
ああ そや。でな 相手を まっすぐ見んねや。
で こっからは もう とにかく「すんませんでした 精進します」の繰り返しや。
おい… もう やらんかい!何や その顔は。
やんねや やんねや! おい。すんませんでした。 精進します。
声が小さい。 もう一回。
すんませんでした。 精進します!
頭が高いなぁ! おう。おっちゃん 見とけ。
いくで。
すんませんでした! 精進します!
早く! おい。
すんませんでした! 精進します!
(てん)社史の全体の構成はよろしいんとちゃいますか。
(楓)ありがとうございます。(万丈目)ほな このまま書き進めさせてもらいます。へえ お願いします。
(亀井)いや~ 楽しみやなぁ。
失礼します!
失礼します 郵便です。ああ。
(隼也)郵便です。ああ ご苦労さん。
専務 郵便です。おう。
社長 ご迷惑をおかけしてホンマに 申し訳ありませんでした!
今日から心入れ替えて 頑張ります。
すんません! 精進します!
ああ…。
頼んだえ。はい!
あ~ ほな これ 天満運ぶの手伝うてんか。
はい!
えっ 全部ですか?
えっ 何て?
はい! すんません 精進します!
これね ガリ版で刷って くくって100部ね。
すんません 精進します!(万丈目)急いでや!
(トキ)何や 壊れた蓄音機みたいやわ。
(風太)男は これでええんや。
ありがとうございます。
失礼します。(リリコ)こないだ ここにあのお嬢さん来てはったらしいなぁ。
そやから言うたやろ。
恋と仕事はいっしょくたにしたらアカンて。
何やの? それ。あの外国のショウも会社のためや言うてたけどホンマは あのお嬢さんにええとこ見せたかったんとちゃうか?そんなんやないわ。
「すいません 師匠 精進します!」やろ?はい!
すいません 師匠 精進します!
それで よろし。ありがとうございます!
今日も おきれいです!ありがとうございます!
おおきに。
あれから顔を出せなくて心配していたんだが隼也君は?
なんとか前向いて頑張ってるみたいです。
ホンマに申し訳ありまへんでした。
いや 僕の方こそ力になれなくて。
実は 本物のマーチン・ショウが東京公演をやりたがってるみたいだ。
隼也君の目の付けどころは間違ってなかった。
へえ。
♪~
(鈴の音)
♪~
やっぱり 夢やったんか。
ひゃ~!(藤吉)すまん。
へ!?このとおりや。
藤吉はん!?
隼也の奴 若い頃の俺とアカンとこ 全く同じやわ。
ちょっ ちょっ ちょっと待って!あ?
夢! あっ ああっ!
何やってんねん。
夢やないわ。
ほんなら ホンマのホンマに 藤吉はん?
ホンマや。
まあ 今度の事は あいつかて悪気があってやった事やない。
そやけど みんな俺の電髪事件と同じやてえらい喜んで…。ホンマ 物覚えのええこっちゃ。
フフッ フフフフ フフフ。
その節はご迷惑をおかけしました。
アハハハ!
けど うちが隼也を簡単に許したらアカン思うんです。
ああ。お義母さんがうちらの結婚 なかなか許してくれはらへんかったんもそういう事やったんやないかて。
母親て難しいな。
そやな。
まあ そやけど子どもが どんな失敗しても最後まで信じてやれるんは親だけや。
頼んだで。
へえ。
(鈴の音)
へ?
藤吉はん?
♪~
隼也。
え?おむすびや。
おおきに。
ほな 行ってまいります。
(トキ)隼ちゃん!
よかった 間に合うた。おはようございます。
どないしたん こない はように。おはようさんです。
これ うちの人が隼ちゃんに渡してくれて。
え?社史の原稿や。
創業の頃のな あんたのお父ちゃんと お母ちゃんの苦労話が書いたあるんえ。ああ…。
はい 読ましてもらいます。
ほな 行ってまいります。
気張りや。はい!気を付けてな。
フフフフフ…。
ハハハハ! お父ちゃん…。
ハハハハ!
失礼します。
専務 お借りした社史の原稿面白かったです。
ほうか 読んだんか。はい。
そやろ。うちが まとめたさかいな。
社長 僕も いつか社史に載せてもらえるような立派な仕事してみせます。
それやったら もう載ってるで。ほらほら。
北村笑店25周年を記念する社史の最後は これ。
ボンの ほら マーチン・ショウ詐欺事件。
え~っ!
これも面白いですわ。面白くない!
(笑い声)
(アサリ)決めたで!
アサリさん。
やっと 相方決められたんか?
相方は いりまへん。
わいは 今日から 一人で高座に立たしてもらいます。
え?
今日から 潮アサリは漫談家になります!
アホ! お前 何を考えてんねん。お前は漫才師やろ!
生涯 わいの相方は キースだけや。
かっこええ。
そこまで言うんやったらしゃあないな。
お気張りやす。
よろしくお願いします!
ほな 社史の最後を飾るんは「潮アサリ 漫談家になる」でいきますか?
それも ええなぁ。
何だか オチがついたようにも見えますが…。
♪~
あれあれ? どうやら この人が何かを考えているようでございます。