戸建てはマンションより資産価値が低くなりやすい。よく言われるのは、住宅ローンを貸す際の建物評価が22年でゼロになるというものだが、実態はどうなのか(写真はイメージです)

 戸建てはマンションより資産価値が低くなりやすい。業界でよく言われるのは、木造の耐用年数が22年なので、住宅ローンを貸す際の建物評価がゼロになるというものだ。これは金融機関に聞いても否定はされない。しかし、現在の建物は耐震性も機密性も高いし、22年で住めなくなるような水準にはないはずだ。実態はどうなのだろうか。今回はこの「身近な疑問」に迫りたい。

マンションほど知られていない
戸建ての相場はどうなっている?

 まずは、取引価格がいくらかを把握しておこう。戸建て価格は土地と建物に分けられる。取引量の多い平均的な建物面積は100平方メートルと、だいたい相場が決まっている。戸建てと一概に言っても、注文と分譲に分かれる。その平方メートル単価は注文28万円、分譲16万円とおおよそ2倍違う。オーダーメイドと既製品の違いである。これが築22年ほどした建物価値を計算すると、平方メートル単価は3万円で取引されている。

 新築分譲された戸建て価格が22年で坪3万円だとすると、建物価値の変化は以下のグラフのように一直線で下がる。ここでは、32年で建物価値がゼロになる。