Amazonの格安タブレット「Fire HD 10」の魅力と、買う前に知っておきたい弱点とは

2018-02-11 10:18

Amazonの格安タブレット「Fire HD 10」の魅力と、買う前に知っておきたい我慢ポイントとは

スマホは十分使いこなしているけれど、なんとなく物足りない──という人も少なくないでしょう。特に映画を観たり、電子書籍でマンガを読むには画面の狭さは否めません。そこで今回は、格安のタブレットを取り上げます。

Amazonから発売されている「Fire HD 10(2017/第7世代)」の価格はなんと1万8900円。さらに、プライム会員なら1万4980円で購入できます。間違いなく「おトク」な製品といえます。ちなみにiPadは3万7800円からとなっていますから、その半額以下です。

価格は驚くほど魅力的ですが、やはりいくつか「我慢」しなければならないポイントもあります。Fire HD 10を買うなら、必ず知っておきたいことを紹介していきます。

Fire HD 10 タブレット

価格はすべて税込での表示です

なぜFire HD 10なのか?

アマゾンのタブレットは、電子書籍向けのKindleシリーズと、様々なコンテンツが楽しめるFireタブレットシリーズをラインナップします。両者が統一されていた時期もありましたが、現在は大きく2つに分かれています。

Fireタブレットシリーズには3種類のモデルがありますが、ズバリおすすめは「Fire HD 10」です。その理由を他のモデルと比較しながら紹介しましょう。

Fire 7

「Fire 7」は7インチのタブレットで8980円、プライム会員なら4980円で購入できます。非常に魅力的な価格ですが、そもそも7インチだとスマホのサイズに近いため、映像の迫力がありません。画面の解像度も1024×600ドットと低いので、写真や動画がスマホより美しくないと感じるでしょう。また、スピーカーはモノラルです。

Fire HD 8

8インチのモデルで、1万1980円で購入できます。ただし、32GBモデルは1万3980円になります。こちらも、プライム会員なら9980円で手に入ります。しかし、画面解像度は1280×800ドットと低いため、やはり美しいとはいえません。8インチなので、映画を観るには物足りないでしょう。

Fire HD 10

Fire HD10は、1920×1200ドットの高解像度なのでフルHDをやや上回り、写真や映画を美しく表示します。電子書籍を読んだり、ブラウザでウェブをチェックしたりする際にも文字がきれいです。

CPUも3モデルの中ではもっとも高速。実用性を考えると一番のおすすめです。ただし500グラムと若干重いので、長時間手に持ち続けて動画を見るにはやや負担になります。小説を読むのが目的なら、Kindleシリーズをおすすめします。

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

Fire HD 10は10インチ液晶を採用する一般的な大きさのタブレットだ

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

背面は真っ黒でシンプルなデザイン

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

右のiPad Proと比べると画面の縦横比がずいぶん違う

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

Fire HD 10は厚さ9.8ミリと、iPad Proに比べるとやや厚みがある

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

充電はmicroUSBケーブルを利用する

一般的なAndroidタブレットに近いがOSが違う

Fire HD 10は、一般的なAndroidタブレットに近いと考えてよいでしょう。ディスプレイは10.1インチでタッチ操作します。microUSBケーブルを接続して充電し、microSDカードでストレージを増設することもできます。

たとえば、ブラウザでウェブを楽しむこともできるのですが、ここで一般的なAndroidタブレットとの違いを感じます。ブラウザは「Chrome」ではなく、「Silkブラウザ」がインストールされています。また、Googleマップもインストールして使うことはできません。

Fire HD10は、Androidをアマゾンが独自にカスタマイズした「Fire OS」を採用しているため、使えるアプリがAndroidとは若干違うのです。特にGoogleが提供するアプリが利用できないのが、一番の我慢ポイントです。Googleマップだけでなく、Googleフォトも利用できません。またYahoo!カーナビも使えないなど、メジャーなアプリでも使えないものが散見されます。

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

アプリは専用のストアからインストールする

それでも、Googleマップはブラウザ上で利用できますし、ナビアプリは「NAVITIME」を使えばよいでしょう。どうしても指定したアプリが使いたいのでなければ、代わりの手段はあるものです。

裏ワザ的にAndroidのアプリをインストールする方法もありますが、メーカーのサポート外になるので、おすすめしません。Fire HD10の「アプリストア」からインストールできるものだけを利用すると、割り切って使うべきです。

ただし、いい話もあります。ゲームアプリも使えるものが限られるのですが、インストールできるタイトルは、アマゾンコインを使うことで、アプリ内課金がおトクになるのです。たとえば、「モンスターストライク」「パズル&ドラゴンズ」「白猫プロジェクト」などの有名ゲームはインストールして利用可能です。

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

Amazonコインは割引があるのでアプリ内課金がおトク。頻繁にセールが実施される

プライム会員ならコンテンツがおトクに楽しめる

Amazonプライムの会員になれば、「プライム・ビデオ」が見放題です。また本や雑誌、マンガが読み放題の「Prime Reading」、100万曲以上が聴き放題の「Prime Music」も楽しめます。

会費は年払いで3900円となっています。映画やビデオ、音楽、電子書籍などを表示されたものから選んでいくと、無料で楽しめるわけです。Fire HD10はプライム会員なら4000円引きで購入できますが、その分をプライム会員の加入費用に充てるといいでしょう。面倒なことを考えずに、またコンテンツの費用を考えなくても、好きなだけ楽しめます。

つまりFire HD10は、コンテンツを楽しむための非常におトク感のあるタブレットなのです。Androidアプリには使えないものがそれなりにあると理解して手に入れるべきです。購入前に利用できるアプリを知りたい場合は、Amazonの「Fire対応アプリ」をチェックするとよいでしょう。

当たり前ですが、アマゾンでの買い物は快適にできます。

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

プライム・ビデオなら定額で動画コンテンツが見放題

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

電子書籍を読むのにも向く。特にマンガは10インチクラスの大画面が読みやすい

Fire HD 10 タブレット

専用のカバーも手に入れたい

今回は、専用のカバーを装着した状態でFire HD10を撮影しました。このカバーは紫、黒、赤、青などカラフルな色が選べます。外側は手触りのよいファブリック、内側はFire HD10に傷を付けないマイクロファイバーを採用しています。

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

専用のカバーを装着するとカジュアルなイメージで利用できる

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

外装は手触りのよいファブリック製だ

マグネットを内蔵しているので、フタの開け閉めはしっかりとキープされ、スリープも自動です。また簡単な機構ですが、カバーを斜めに折ることでスタンドとしても利用できます。特に動画を見る際には、スタンドがあると重宝します。

価格は4780円と、本体に比べると割安感は少ないものの、専用品なのでしっかりフィットします。スタンドを利用できれば、長時間持ち続ける際の重さも気になりません。Fire HD10は価格の割にはとても完成度が高く、処理性能も文句なしです。入学祝いなどのギフトにもおすすめです。

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)
Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

カバー部分を折りたたむことでスタンドにもなる

Amazon タブレット Fire HD 10(2017/第7世代)

縦に立てたところ

Amazon Fire HD 10用カバー

構成・文:戸田覚

編集:アプリオ編集部