日中(民主党・中国共産党)交流協議機構 民主党ホームページへ
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2008年9月
交流協議機構長 菅 直人(代表代行)
同機構事務総長 山岡賢次(国対委員長)

日中(民主党・中国共産党)「交流協議機構・大長城計画訪中団」
(2007年12月6日~12月10日)報告

【経緯】

2006年7月、小沢代表が就任後、最初の外国訪問として中国に代表団を率いた際、胡錦濤共産党総書記・国家主席との会談で、両党間による「交流協議機構」を設置し、政党間で定期的かつ継続的に交流・協議を行うことが合意された。これを受けて、2007年1月16日~17日、中国共産党より王家瑞中央対外連絡部長を団長とする代表団を招き、「交流協議機構」として第1回目の協議を実施した。その際、日中国交回復35周年にあたる2007年、その記念事業(民主党訪中団)を実施することについて合意し、日中至誠基金による長城計画と合同した形での「(日中)交流協議機構・大長城計画訪中団」が結成された。同年12月6日から10日の日程で、日中「交流協議機構」第2回会議が北京市内で開催されるとともに、議員団と一般参加者からなる大長城計画が、北京コース、北京・西安コースに分かれて実施された。

【「交流協議機構」民主党役員】

名誉会長 小沢 一郎 代表
会長(機構長) 菅 直人 代表代行
会長代理(副機構長) 輿石 東 代表代行
副会長 鳩山 由紀夫 幹事長
  岡田 克也 副代表
  前原 誠司 常任幹事
事務総長(秘書長) 山岡 賢次 国対委員長
事務総長代理 野田 佳彦 広報委員長
事務局長 細野 豪志 衆議院議員
事務局長代理 高山 智司 衆議院議員

【実施期間】

2007年12月6日(木)~9日(日) 北京コース

2007年12月6日(木)~10日(月) 北京・西安コース

【団構成】


○ 議員団
○ 一般団員
:民主党会派議員
:一般参加者
   45名
  390名

● 議員団名簿(45名)
団長
名誉団長
交流協議機構機構長・団長代行
交流協議機構事務総長・副団長
副団長
交流協議機構事務総長代理
交流協議機構事務局長
交流協議機構事務局長代理
団員
 小沢一郎
 羽田孜
 菅直人
 山岡賢次
 自見庄三郎
 野田佳彦
 細野豪志
 高山智司
  (衆議院議員)
石川知裕、石関貴史、内山晃、奥村展三、黄川田徹、菊田真紀子、小宮山泰子、階猛、鈴木克昌、津村啓介、前田雄吉、松木謙公、三谷光男、吉田泉
  (参議院議員)
青木愛、植松恵美子、大久保潔重、大島九州男、尾立源幸、加賀谷健、川上義博、川崎稔、喜納昌吉、行田邦子、佐藤公治、主濱了、徳永久志、友近聡朗、外山斎、中村哲治、平山幸司、藤谷光信、藤原良信、前田武志、牧山弘恵、室井邦彦、米長晴信
 一般団員:一般参加者等(390名)

【日程】

12月6日(木)
  時 間 行 動 備 考
  午前 議員団及び一般団員、成田・中部・関西国際空港から出発  
  午後 北京着
議員団と一般団員と合流、
天壇公園観光(記念撮影)
 
  18:00 小沢代表他、李鉄映・全人代副委員長と会談  
  18:30 歓迎宴(主催:胡春華・共青団中央書記処第一書記。於:人民大会堂金色庁)  
12月7日(金)
  時 間 行 動 備 考
(一般団) 午前 グループ別行動

第1班打工子弟学校(大興)→北京経済技術開発区管理委員会視察
第2班北京経済技術開発区管理委員会→開発区内の企業視察
第3班中関村技術園区管理委員会→中関村内の企業視察
第4班什刹海体校訪問→北京四合院視察
第5班北京師範大学付属実験中学訪問→北京青年宮視察
 
(議員団) 09:45 小沢代表他、李源潮・党中央政治局委員・中央書記処書記・中央組織部長と会談(於:北京飯店18階・宴会庁)  
  10:00 「交流協議機構」 第2回会議
全体会議(於:北京飯店18階会見庁)小沢代表他日中双方より約50名づつ、計100名が参加
テーマ「友好の伝統を受け継ぎ、両国関係を深めていく」
 
  12:00 昼食懇親会(主催:王家瑞・中連部長、於:北京飯店18階宴会庁)  
  16:15 胡錦濤中国共産党総書記・国家主席と記念撮影  
  16:30 小沢代表、胡錦濤中国共産党総書記・国家主席と会談

(民主党側同席者)羽田最高顧問、菅機構長、山岡機構事務総長、野田機構事務総長代理、奥村総務委員長代理、細野機構事務局長。
加えて、他党より自見庄三郎参議院議員(本訪中団副団長)、田中真紀子衆議院議員が同席

(中国側同席者)李源潮・中央政治局委員、王家瑞・中連部長、胡春華・共青団中央書記処第一書記、劉洪才・中連部副部長、曹衛洲・全人代常務委員会副秘書長、張暁蘭・共青団中央書記処書記・全青連副主席、李軍・中連部二局長、郭業洲・中連部研究室主任、他。
 
  17:15 小沢代表記者会見(於:北京飯店18階、会見庁)  
  18:30 「日中国交正常化35周年記念自立支援基金」設立セレモニー
(於:釣魚台国賓館芳韮苑)
 
  19:00 答礼宴(主催:民主党訪中団、於:釣魚台国賓館芳韮苑)
中国側約120名を招待
 
12月8日(土)
  時 間 行 動 備 考
(一般団) 午前 万里の長城見学  
(議員団) 午前 「交流協議機構」 第2回会議分科会:経済・文化・外交安全保障
(於:北京飯店会議場)
 
【北京コース】 午後 中国人民解放軍部隊視察  
  17:15 「北京コース」、解団夕食会(於:全聚徳4階宴会場)  
  19:50 中国雑技団演目鑑賞  
       
【西安コース】 午後 議員団、一般団員、西安へ出発  
  18:10 歓迎夕食会(主催:陝西省政府外事弁公室主任、於:西安飯庄)  
  20:00 唐舞踏観賞(於:陽光麗都劇場)  
12月9日(日)
  時 間 行 動 備 考
【北京コース】 午前 北京都市計画展覧館、首都博物館をグループ別見学  
  午後 「北京コース」の議員団、一般団員帰国  
【西安コース】 午前 古城壁、兵馬俑見学  
  13:30 1999年、民主党による植樹林の前で記念撮影(菅機構長と一般団員)  
  14:30 大雁塔、青龍寺見学  
  18:00 歓送夕食会(主催:趙楽際・中国共産党陝西省委員会書記)  
12月10日(月)
  時 間 行 動 備 考
  午前 「西安コース」議員団、一般団員帰国  

2007年 日中「交流協議機構」大長城計画訪中団 【行事概要】

午後 天壇公園観光

18:00 小沢代表 李鉄映・全国人民代表大会副委員長と会談

 小沢代表を団長とし、羽田孜最高顧問を名誉団長とする訪中団のメンバーは、北京市内の人民大会堂で李鉄映・全国人民代表大会副委員長と会談。日中関係の重要性を確認するとともに、今後の両国の交友とさらなる発展を約束した。

 李氏は中国を代表して挨拶。多くの若手議員とともに実施した今回の大訪中団に対して感謝の意を述べた。「政治的な意義とともに交流に重役を果たす」との認識を明示。今回15回目となる「大長城計画」や「交流協議機構」に賛同の意を示した。「どんな人物、国、政治でも交流すればお互いを理解できる。交流は両国の発展の土台である」と述べ、「21世紀になり『対話の時代』に入った」と明言。

 小沢代表は、中国側の歓迎とともに「温かい友情あふれる挨拶に感激している」と、李氏の挨拶に謝意を表明。日中国交正常化35周年という記念の年に、恒例の長城計画団に加え、党の多くの議員、一般参加者参加で訪中団を結成できた意義を強調した。そのうえで「一般の国民同士の交流が両国の友好の基本だ」と述べ、「大長城計画を次の世代に受け継いでいきたい」との思いを語った。

 最後に「本当の信頼回復が実現できうれば日中のみならず世界人類の中で大きな役割である」と表明。「お互いの努力で両国民のために頑張ってまいりましょう」と呼びかけた。

18:30 菅代表代行、羽田最高顧問が歓迎宴で挨拶(於:人民大会堂金色庁)

「日中国交正常化35周年」を記念して、(日中)「交流協議機構・大長城計画訪中団」の歓迎宴(主催:中華全国青年連合会)が、中国・北京にある人民大会堂で盛大に催され、訪中団を代表して、菅直人代表代行(交流協議機構長・団長代行)、羽田孜最高顧問(名誉団長)が挨拶した。

菅機構長は、胡春華中国共産主義青年団中央委員会書記処・第一書記の主催者挨拶への答礼挨拶に立った。この中で、今回の訪中について「小沢代表(団長)が長年実施してきた長城計画と、日本民主党と中国共産党の交流という2つの催しを合同して企画され、実行された」と紹介、歓待に対して、厚く感謝の意を表した。

また24年前、青年交流で日本から3000名が訪中した際に代行自身が参加した体験に言及、当時の招待の責任者が現在の胡錦濤国家主席であることは意義深いとした上、「この交流を期にさらに日中の架け橋となり、子々孫々長い友好関係の絆になっていくことをお誓い申し上げたい」と締めくくった。

李鉄映全人代副委員長が乾杯の音頭を取った後、羽田孜最高顧問が返杯の挨拶を行い、「(日中国交正常化)35周年の良き年に、こうして長城計画を持ったことを本当にうれしく思う」と語った。

また、歓迎宴に先立つ会談に言及し、「李副委員長と小沢代表が存分に歴史を振り返りながら話していた」と所感を述べた。さらに、35周年に合わせた「中日文化・スポーツ交流年」の閉幕式について「参加した人たちがみな喜んでいたと報告したい」と語った。

歓迎宴では中国の青年が京劇や伝統音楽などを披露して参加者を魅了、喜納昌吉参議院議員も楽曲を奏で、盛会のうちに中締めとなった。




(一般団員)

午前     グループ別行動・視察

        第1班  打工子弟学校(大興)→ 北京経済技術開発区管理委員会
        第2班  北京経済技術開発区管理委員会→ 開発区内の企業
        第3班  中関村技術園区管理委員会→ 中関村内の企業
        第4班  什刹海体校訪問→ 北京四合院
        第5班  北京師範大学付属実験中学訪問→ 北京青年宮


(議員団)

9:45    小沢代表 李源潮中央組織部長と会談 (於:北京飯店)

小沢代表は、北京市内にて李源潮中国共産党中央組織部長と会談。李氏は、日中交流機構・大長城計画訪中団に歓迎の意を表するとともに、「民主党は長年にわたって両国の政治家、民間人を含む交友に尽力してきた」として、「両国の健全かつ安定した発展に対する活躍を高く評価する」と述べた。とりわけ小沢代表に対しては、「長城計画をはじめとする中日友好に寄与する数々の取り組みは中国国民にとっても深く心の中に根ざしている」と、敬意を表した。

小沢代表は、中国共産党中連部、中華全国青年連合をはじめとする中国側のあたたかい歓迎ぶりに改めて謝意を表明。両国の交友の歴史にも言及し、「お互いの文化を学び育んできた」と述べ、「1人の政治家としてだけでなく、一国民として一人でも多くの日中の交友のために尽くしていきたい」との思いを語った。

また、両国間においては政治的、経済的に様々な問題があるとの認識を示したうえで、両国の協力、友好の重要性を明示。そのためにも「両国間で努力していく必要がある」と述べ、(日中)「交流協議機構」会議の意義を強調した。

10:00   「交流協議機構」 第2回会議 全体会議 (於:北京飯店18階会見庁)

民主党と中国共産党との定期交流協議機構である「日中(民主党・中国共産党)両党『交流協議機構』」の第2回会議が北京市内にて開催。日本側からは小沢一郎代表(名誉会長)、羽田孜最高顧問、菅直人代表代行をはじめ、日中交流機構・大長城計画訪中団メンバーが出席、中国側からは李源潮中央政治局委員・中央組織部部長、王家瑞部長、劉洪才副部長ら日中合わせて100人近くの議員が出席した。

はじめに李源潮中国共産党中央組織部長が歓迎の挨拶。日中国交正常化35周年にあたる今年、「両国関係は戦略的互恵関係の構築に向け、新しい発展を得た」と、交流の成果を評価した。特に、「文化・スポーツ交流活動を通じての両国人民の相互理解と友好感情を大きく増進させた」として、「平和共存、代々の友好、互いに理解のある協力、共同発展」の実現に向け、「さらなる高みに登って行く新しい歴史の起点に立っている」との認識を述べた。

具体的には(1)政治面での相互信頼の適切な強化(2)互恵互利と政治と経済のインタラクティブの堅持(3)人民交流の強化、の3点を列挙。中日代々の善隣友好の政治的、経済的、社会的基礎の拡大の重要性を強調した。

続いて小沢代表が「交流協議機構」全体会議開催にあたって挨拶に立ち、1月に合意した記念行事を日中双方の熱意と協力により、このように盛大に実現することができた」と喜びを明示。また、両国民による草の根交流事業として1989年以来行ってきた長城計画と交流協議機構とが合同しての大訪中団に対して、王家瑞中連部長をはじめとする関係者の方々の心のこもったおもてなしに心よりの謝意を表した。

小沢代表はまた、「日中両国はアジアや世界全体が平和と繁栄を築き、人類が「共生」していくためには、政治的、経済的、文化や文明、地球環境の面でも大きな責任を担わなければならない」との認識を示し、「その人類史的な役割を果たしていくうえで、両国が協力できることは無限にあると私は信じている」と力強く表明。「それこそが私たちが築き上げようとしている、国境も世代も超えた『長城』の意義なのである」と述べた。

2008年は日中平和友好条約30周年であり、中国においては「北京オリンピック」開催年でもあるとも言及。「日中両国は、友好と信頼の関係さえ揺るがなければどんな課題に直面しようとも、互いに知恵を出し、協力し合って、必ず乗り越えることができる。そのことを両国が内外に示す1年にしたい」との思いとともに、「交流協力機構」については、「両党・両国の信頼と友好の礎となることを祈念する」と語った。

会議では「友好的な伝統を受け継ぎ、両国関係を深化する」をテーマに、王家瑞部長、菅直人代表代行が基調講演を行った。王家瑞部長は、日中関係の発展の過程を振り返り、(1)国家の利益を重視して、時代の潮流に順応すること、(2)誠実と信用をもととし、政治的約束を謹んで守ること、(3)共通点を求め相違点を保留して、違いを適切に解決すること、(4)長期的視野を持ち、両国民の間の交流を強化すること、(5)勇敢に重責を担い、政党と政治家の積極的影響力を発揮すること、の重要性を明示。そのうえで、今後の両国のいっそうの発展に向けては、(1)両国のハイレベル交流の良好な形勢の維持、(2)政治的相互信頼の増進、(3)互いに利益のある協力の強化、(4)地域問題や国際問題における協力の強化、などが必要であると提案した。

菅直人機構長は、「日中両国は、一衣帯水として長い交流の歴史を織り成してきた」と切り出し、遥か1200年前の遣唐使の時代から現代にいたるまでの友好の歴史に言及。「友好と信頼の絆をいつの時代にもゆるぎないものにしていくためには、現在の私たちが先人たちの情熱を継いで強い意志と意識をもって交流を積み重ねていくことが何よりも大切だと思う」との決意を述べたうえで、さらなる協力の促進に向けて、民主党の政策の原点である「共生」の理念を明示。特に協力を進めるべき分野として、安全保障、環境・エネルギー、交流促進について講演した。

そのほか、山岡賢次交流協議機構事務総長、野田佳彦交流協議機構事務総長代理がテーマスピーチを行い、それぞれ「日本の政治状況と民主党の内外政策」、「日中両国の人的、文化的交流」について報告した。

16:30 小沢代表、胡錦濤中国共産党総書記・国家主席と会談

民主党側同席者:羽田孜最高顧問(名誉団長)、菅直人代表代行(交流協議機構長・団長代行)、山岡賢次国対委員長(交流協議機構事務総長・副団長)、野田佳彦広報委員長(交流協議機構事務総長代理)、細野豪志衆議院議員(交流協議機構事務局長)、奥村展三衆議院議員(田中真紀子衆議院議員、自見庄三郎参議院議員(副団長)も同席)

中国側同席者:李源潮・中央政治局委員、王家瑞・中連部長、胡春華・共青団中央書記処第一書記、劉洪才・中連部副部長、曹衛洲・全人代常務委員会副秘書長、張暁蘭・共青団中央書記処書記・全青連副主席、李軍・中連部二局長、郭業洲・中連部研究室主任、他



小沢代表、胡錦濤国家主席、参加者全員による記念写真

中国訪問中の小沢代表は、人民大会堂で胡錦濤国家主席と会談、日中両国の友好関係の発展について意見交換した。

会談に先立ち、人民大会堂では、小沢代表が団長を務める「(日中)交流協議機構・大長城計画訪中団」の一行と、胡主席らの記念撮影が行われた。

小沢代表は会談終了後の会見で、概要を記者団に述べた。小沢代表は、記念撮影の席上、胡主席が国会議員はもとより一般の参加者の皆さんとも握手して友情を示してくれたことは、日中両国の関係を深める意味において、大訪中団を率いてきた立場からも、大変よかったと伝えた。

また、外交安保、経済、文化という個別テーマについては機構の翌日の分科会で議論することを踏まえて、日中両国の友好関係について双方の見解を確認。胡主席は、日中両国の関係はどういう状況になろうとも維持していかなくてはならないと語り、小沢代表もそのとおりと認識を同じにした。

さらに、日中両国の協力によって色々な問題を協力して解決していかなければならないという胡主席の指摘に対しても、小沢代表は同感の意を伝え、一層の友情と信頼を、互いに深めていかなければならないと応じた。

17:15  小沢代表 記者会見 (於:北京飯店)

小沢代表は、胡錦濤国家主席との会談終了後、北京市内の宿泊先で記者会見し、会談の内容を述べるとともに質問に答えた。

未来に向かってますます友好関係を深める具体策を問われた小沢代表は、昨年の会談でそのひとつの手段として、両国で交流協議機構を発足させようと合意がなされたと指摘。東京に続き北京で行われた協議を今後も継続する考えを示した。

また、国会議員の交流に加えて、草の根交流に非常に重きを置いている立場を表明、「長城計画、変わらずにできるだけ多くの人に参加してもらって今後も続けていきたい」と希望を述べた。

今後の日中関係への見解については、日本と中国は政治体制、政治思想、経済の仕組みが違う現実があると前置きしつつ、「互いに克服して、信頼関係、友情を築いていかなくてはならない」と述べた。遣唐使や遣隋使などの日中交流の史実、深い歴史的なつながりから、現在の政治経済体制の違いは十分乗り越えていけると見通しを語った。

さらに、対米関係に対する見解を問われた小沢代表は、個人では長城計画と同じような草の根の交流を長年やっているとした上、「議員交流、そういう場を作ることはいいことだと思っている。方法も考えてみたらいいかもしれない」と述べた。まずは政権党にならねばいけないと指摘、次期総選挙で政権交代を実現する決意を示した。

19:00

「日中国交正常化35周年記念自立支援基金」(マイクロクレジット)設立記念 答礼宴

北京市内の釣魚台国賓館にて(日中)交流協議機構・大長城計画訪中団による「日中国交正常化35周年記念マイクロクレジット記念行事式典」を開催した。

野田佳彦交流協議機構事務総長代理が開会を宣言。高山智司交流協議機構事務局長代理が自立支援基金について、日中国交正常化35周年を記念して両国の友好と交流のシンボルとして設立されたものであり、成長めざましい中国において取り残されている地域で経済的自立をめざす人々を支援する無担保・無利子の小口融資制度(マイクロクレジット)であると、その趣旨を説明。訪中団参加者ほか、広く個人・企業・団体に賛同者を募り、モンゴル国境に近い「寧夏」に贈られることになったことを報告した。続いて、山岡賢次交流協議機構事務総長と劉洪才中連部副部長が資金の運営に関する覚書に調印した。

菅直人交流協議機構長(代表代行)は「貴重な出資で設立したこの支援金により、生活が自立し、向上に役立てれば嬉しい」などと挨拶。楊春光寧夏回族自治区委員会副書記は、「新しい発展の力を注いでくれた協力の成果を大事にし、資金の役割を十分果たしていきたい」と表明。「日中友好を前進させていくために協力を」と呼びかけた。劉洪才中連部副部長は「日中友好を象徴するこの事業の成功、日中友好の花を咲かせられることを願っている」と明言。基金出資者である訪中団のメンバーに改めて感謝の意を述べた。

 続いて開催された答礼宴では、菅機構長が訪中団に対する歓迎に謝辞を表した。午後に行われた記念撮影では、胡錦濤国家主席が訪中団メンバーの国会議員をはじめ、一般参加者とも握手を交わしたことに触れ、「多くの温もりを感じることができた」と感想を述べ、「主席が日本国民に手を差し伸べてくれた思いをしっかり受け止め、日本に持ち帰りたい」と語った。

王家瑞中連部部長は、発展から立ち遅れた地域や貧困の削減について、改革・解放政策が寄与したと意義を語るとともに、日本側からのODA支援や、日系企業が積極的に中国人を雇用したことが貧困脱却に力を貸したとして、日本国民に対して感謝の意を表した。民主党の基本理念である「共生」にも言及し、和を築くことの重要性を訴えた。

山岡賢次交流協議機構事務総長の乾杯の音頭で答礼宴がスタート。宴の終盤では喜納昌吉参議院議員率いるバンドが日中友好を祈念して「アジアの花」をはじめ、沖縄民謡などを披露、会場にいっそうの華を添えた。

細野豪志交流協議機構事務局長は、小沢一郎代表が「100歳まで続けたい」と明言する長城計画について、「その志を若手議員が引き継がなければならない」と決意を表明。平山幸司参議院議員が、若手議員を代表して、日中、アジア、世界の発展と平和を祈念して三本締めの音頭をとり、最高潮のなか宴は幕を閉じた。




(一般団員)

午前     万里の長城見学

訪中団の一般参加者は、北京から60キロ離れた居庸関の北に位置する、万里の長城(八達嶺、世界文化遺産)を見学。


(議員団)

09:00 「交流協議機構」第2回会議 分科会 (於:北京飯店会議場)~12:00

「経済」「文化」「安全保障」の3テーマに分れた分科会において、日中両国の相互理解と協力を進展させるための具体的かつ忌憚ない意見交換が行われた。

【経済分科会】

 経済分科会では、極めて活発で友好的な討議が行なわれた。人民元、中国におけるビジネス環境、環境問題の三つのテーマを中心に熱のこもった議論が行われたほか、農業、労働、投資環境等の多岐に渡る論点についても、日中双方の出席者は建設的な意見を交換した。本分科会での議論を通じ多くの点で共通認識を持つことができ、個別の問題も引き続き議論をしていくことで一致した。

【文化分科会】

文化に関する分科会では、�伝統、芸術、宗教、�北京オリンピック、�生活・子育て・教育の3つの身近なテーマに分けて意見交換を行った。伝統・芸術・宗教については、日中両国の文化財保護政策、美術、宗教をめぐって意見交換がなされ、両国の文化が密接に関係していることを改めて確認した。北京オリンピックに関する議論では、中国側から準備状況等について説明を受け、日本側は、「One World, One Dream」をスローガンとして掲げた北京オリンピックに期待し、オリンピックを既に経験した立場からの意見を表明した。生活・子育て・教育については、少子化対策を進める日本と人口抑制政策を進める中国との違い、その社会状況についての議論が展開された。幅広い、より身近なテーマで、両国の参加者がそれぞれの経験を踏まえつつ率直な意見交換を行い、相互理解を深めた。

【安全保障分科会】

安全保障分科会では、極めて活発な討議が行われた。台湾問題、チベット問題、環境政策、温暖化対策、今後の原子力発電・石炭・石油の利用、再生可能エネルギー、東シナ海の天然ガス開発、軍事力の透明性、北朝鮮問題、ODAなどの幅広いテーマについて、日中双方の出席者は建設的かつ率直な質疑応答を繰り広げた。本分科会での議論を通じ、日中が大きな戦略的利益を共有する関係にあることが再確認されたほか、残る相違点を乗り越えて日中間に真の「Win-Win」関係を築くべきことに対する理解が深まった。

午後

(Aコース:北京)

議員団と合流して、中国人民解放軍の施設を視察、中国の歴史文化や国防について見聞を深めた。中国人民解放軍施設では、出迎えを受けた後、同日の訪問団長である鈴木克昌衆議院議員が、視察受け入れに感謝する挨拶を行った。参加者は施設や所属部隊の概要について説明を聞いたうえで、演習を査察する機会を得て熱心に訓練を見守った。このほか兵士の寮を見学した。


(Bコース:西安)西安へ出発


(Aコース:北京)北京出発 帰国


(Bコース:西安)

午後   民主党による1999年の植樹林前で記念撮影(菅代表代行と一般団員)

西安滞在中の民主党日中交流協議機構大長城計画訪中団は民主党の国会議員の手によって、8年前に植樹した思い出の木を前に記念撮影を行った。

交流協議機構長の菅直人代表代行は、代表であった8年前に、当時の民主党議員数である149本を友好のシンボルとしてこの地に植樹した経緯を報告。その場で10数本の木を植え、残りを地元の人々に託したことを説明した。8年ぶりの再訪に際し、木の成長ぶりに喜びの表情を浮かべ、「おかげさまで民主党も大きくなった」と、参議院選挙での民主党躍進にも言及。8年の月日の重さをかみしめ、充実感をにじませた。そのうえで、「次に訪れるときには衆議院で250、参議院で130と合わせて380本の植樹をしたい」と述べ、来る衆院選挙での政権交代への決意を表明。支援者からはエールの大きな拍手が沸き起こった。

総勢150人以上となる一行は、各2班に分かれて記念撮影のあと、菅代表代行をはじめとする国会議員との2ショット、3ショットを撮るなど、議員との交流を満喫した。

18:00  西安市内にて歓迎レセプション

日中交流協議機構大長城計画訪中団は、西安市内にて趙楽際・中国共産党陝西省委員会書記より歓迎レセプションを受け、4泊5日にわたる旅の総括ともいえる思い出深いひとときを満喫した。

歓迎レセプションに先立ち、菅直人代表代行をはじめとする国会議員たちは趙氏らと会談。日中の交流発展とさらなる相互理解を誓った。

趙氏はまず、国会議員と一般参加者を含めた総勢500名近くにも及んだ大訪中団について謝意を明示。民主党においては、「日中両国、両国民の友好と関係改善のために努力したと聞いている」と敬意を表した。菅代表代行に対しては、1999年に友情の木を植樹したことにも触れ、今回、150人以上の一般参加者を率いて陝西省を訪問したことを「特別な意味があると思う」と語った。

趙氏はまた、西安の街について「悠久な歴史と文明をもつ都市であり、中華民族発祥の地のひとつ」との認識を示す一方、1999年以来始まった政府の大開発政策により、経済が急速に発展してきたことにも言及。「活発な現代的な街になっている」との見解を述べた。

菅代表代行は、本日午後に記念植樹の地を訪れたことを明かし、「温かく育ててくれたことを知り嬉しく思う」と語った。

また、「(北京で開催した)日中交流協議機構においても経済発展と環境問題とともにどう取り組んでいくかが話題になった」と述べ、内陸部の開発と大気汚染、CO2の排出問題等に言及。「日本と同じ失敗を繰り返さないように協力できることがあれば全力を挙げる」と約束、今後の協力、親交のさらなる発展を約束した。

歓迎レセプションでは、歌にマジックショーとエンターテインメント色も添えられ、最後の夜にふさわしい宴となった。




(Bコース:西安)西安出発 帰国

【2007年12月 民主党 日中国交正常化35周年記念(日中)交流協議機構・大長城計画訪中団 参加者 感想】

No.
参加者 氏名
感想(抜粋)
1
小野里 等様
今回の中国訪問は、時間的に組み込まれた急ぎの旅であったように感ずる中において、歴史に見る中国と現在の中国とを垣間見ることができたと思います。
世界の歴史から見た場合、中国が如何なる方向を辿ってゆくのかを見極めることは、現状での中国が抱えておるであろう諸々な可能性を考え合わせれば、日本にとっても、世界にとっても重大な事と思えるが、将来的にもその方向性を見誤らないためにも、常に率直な意見交換ができる「テーブル」を設置しておく、蟠りのない外交努力を惜しんではならないと思う。(中略)最後に西安の空港で濃霧のため大幅に出発が遅れたにも係わらず、長時間最後まで見送ってくれた男性中国人には、多いに感謝したいと思います。
2
大久保 利彦様
今回の訪中団に参加して今の日本との相違点を先ず感じたことから2点だけ挙げると、中国は国の大きさも然ることながら為す事のスケールの大きさ、そして信用できると決めたら徹底的に大切にするという事です。
2点目が急激な経済成長に伴う国民生活の向上によりエネルギーの確保・供給が追いつかないのではないか、ビルや街の暗さが統制によるものか省エネ思想によるのか定かではないが、前泊をした大阪の夜景(午後10時・午前2時・午後5時のホテルから見た一晩中変わらない、宝石を散りばめたように煌く光の海とでも表現しますか)との余りにも大きな落差を思うとき、資源に乏しいわが国として又は国民としてもどうすればよいのか、大いに考えさせられました。最後に、北は北海道から南は沖縄まで全国の多くの方々と、同じ目的を持つ同胞意識も手伝ってか、親しくお知り合いになれたことはこれからも懐かしい大きな財産として大切にしたいと思うし、早速お便りをいただいたり、特産のお品をお送りいただいたりしていますが、今後相互に訪問する等して交友を深めて行ければと思っております。
3
川崎 太三郎様
 打工子弟学校訪問、当校は親が経済的に養育困難並び若干不具の子(兄弟で来ている子もいる)を当校で養育している。当校はプライベート経営の如きであり、経営も大変の様である。我々の訪問に対し、年齢別に整列し、又、余興をして呉れた。又五~六歳の子の列の所を通った時、一番目と二番目と「イ尓好」と云って呉れ、私も「イ尓好」と云って通った。子どもは、どこの子でも実に可愛いものである。大人は、どこの国でも男も女も今一が多々いるが。この子らは親元を離れ、苦悩もあるかと察するが、中には北京大学や清華大学を目指す子もいるとのこと。激励したく思った。
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今野 伊左衛門様
”日本の民主党が創設した「中国経済自立支援基金」について”
この中国経済自立支援基金は、「成長目覚ましい中国の中でも、取り残されている地域で経済的自立を目指す人々を支援する、自立支援基金として、無担保、無利子の小口融資制度(マイクロクレジット)であります。これは、日本人の愛の真心として誇り得る制度であります。
5
下田 文幸様
午後は北京技術開発区管理委員会訪問し、外国からの投資、優遇策などの説明があり、(訪中団参加者の)会社経営者、個人投資家が熱心にメモをとっていた。この場所で民主党担当者から依頼され、視察団を代表して御礼の挨拶を行った。日本側から伝統工芸の輪島塗の赤富士、おしゃれなタオルなどを贈呈した。中国側からは幸福のシンボルの技術開発区をモチーフにした水晶玉が贈られた。「水晶玉は民主党本部に飾り来るべき総選挙に勝利するよう」辞退したが、「スピーチした人がいただいてください」とのことで有難く頂戴した。良い思い出になった。夕方から中国政府要人との記念撮影とのことで再び人民大会堂へ政府発行の招待状を持参していく。金属探知機とボディチェックで入場。約一時間待たされた。しかし出てきた政府要人を目にした瞬間大変驚いた。視察団からも「ウォー」というどよめきが聞こえた。それは胡錦濤国家主席が前列の国会議員のみならず2列3列目の手を差し出した一般人とも握手した。
6
静岡県袋井市議会議員
竹原 和義様
皆様方のご尽力によりまして、想い出深い訪中となりました。
7
中村 紀子様
中国ではさまざまな場所を見学させていただきました。その中で、私の頭から今でも離れない、大変印象深かった光景があります。それは、北京大興区行知新公民学校の視察です。その学校は出稼ぎ労働者を親にもつ1200人の子供たちが学んでいました。
わたしたち日本人にはおよそ想像することができないような中国の現状を目の当たりにし、愕然としました。私達もいまこそ原点に立ち返り、弱者への思いやりや、恵まれた現在の生活に感謝するべきだと痛切に感じました。
一党政治が60年あまりも続いていることによる弊害がいま確実に私達国民の生活を不安定なものにしていると思います。「幸福で安心な暮らし」「夢と希望の持てる社会」は私たち国民が待ち望むものです。小沢(総理)によるリーダーシップが今こそ必要な時期に来ていると思います。一日も早い小沢総理の誕生を心から願っております。
8
西山 徳三様
「絆」 西山斗久(俳号)

日中の絆を紡ぐ師走旅
北風に築き続けて万里なる
鵲の古巣が案内ハイテク村
望年やあまねく握手胡錦濤
湖冴えて友情深む釣魚台
友交の記念や色を変えぬ云杉(もみ)
冬霞む陶の贄兵馬俑
冴え光る天地無双や独楽の舞
絹絨毯シルクロードのゲートかな
天壇や土産は帰路の雪景色
9
芳賀 一太様
“小沢総理並の歓迎に感動”
長城計画の訪中参加は、3回目になるが、今回の中国政府の手厚い対応は、今までにない熱烈歓迎ぶりで、小沢総理大臣誕生を占うかのような驚きと感動を覚えた。
10
間宮 偉佐夫様
さて、この度は訪中団に参加させて頂き、大変ありがとうございました。
私にとって大切な人生の1ページとなりました。数多くの先生方と出会い、お逢いし、話をさせて頂きました。
 一個人では絶対に入ることができない場所まで見学させて頂き、大変嬉しく思っております。内山先生からのお話で、弊社若手取締役と2名参加させて頂き、ありがとうございました。
 また、巷では、年金問題と賄賂に関する問題解決が国民の政治に対する切なる願いです。
今後は民主党に投票してみようと思っている人が大勢いる事は現実です。
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渡部 陽様
四日間のツアーを終えて、教育も経済も戦争も中国に敵わないと思ってしまいました。明らかに日本の方が洗練されているし、言論も自由だけれども、国力に勢いのつく前提条件があまりにも違うと思いました。その前提とは、そもそも中国に「経済格差」と「偽装ないし不正」がある事が当たり前であり、そこを騒ぎ立てるマスメディアがないという事です。現地ガイドさんと定食屋で食事をした時、「この店員の月給は一万位だ」と聞きました。格差も何も、そもそも平均年収が分らないので、問題視しようがないと聞いて、これは脅威だと感じました。日本のように、内部告発できる環境でもなく、メディアも煩くないという前提があって、イケイケで成長する体育会ノリには、文化系の日本ではなかなか太刀打ちできないのではないでしょうか。もう一点は、若者にモデルケースがあるという前提です。これも国力を左右すると思います。北京の高校生から、「現在一人っ子政策のあおりで、受験戦争に巻き込まれています」というような不満を聞けましたが、「北京大学にいって官僚になる」という揺ぎないエリートコースができているそうです。一方、日本では東大生の官僚離れが進んでいて、外資に流れています。文化省にも入省して2、3年で退職して外資に行く若者が増えているそうです。
党員ではない私にとって、特定政党の集まりに参加するのは初めての経験でしたが、なかなか考えさせられる良い刺激になりました。