【バーチャルYouTuber】広告収益増&転職でコンビニバイト卒業!? 話題の「バーチャルのじゃロリ狐娘youtuberおじさん」が語る
今や子どもたちの憧れの職業となっているYouTuber。そのYouTuberの進化系とも言うべき、「バーチャルYouTuber」なる存在が密かに人気を博していることをご存知だだろうか。
バーチャルYouTuberとは、生身の人間に代わり3DCGモデルに人間が声をあてたキャラクターが、YouTuberとして動画投稿や配信を行うといったもので、その仕組は3Dモーションキャプチャーやリップシンクといった技術によって支えられている。
ここ最近の盛り上がりとともにバーチャルYouTuberが続々誕生し、群雄割拠の戦国時代の様相となっている。その中でも異色の存在として輝きを放っているのが、「バーチャルのじゃロリ狐娘youtuberおじさん」こと、ねこみみマスター(@Nek0Masu)氏だ。
可愛らしい狐耳の少女の外見からは想像がつかない、たどたどしいおっさんボイス。時おり思い出したかのように語尾に「のじゃ」を付け足して話す独特なキャラクターは、従来のバーチャルYouTuberの常識を覆す異端児と言えよう。
そんなねこマス氏、YouTuber活動がキッカケとなり、コンビニアルバイトから希望の技術職に転職できたという、シンデレラガール(ボーイ?)でもある。「のじゃおじ」の愛称でファンから親しまれる、ねこマス氏にWEBでコンタクトを取り、バーチャルYouTuber活動について話をうかがった。
【この記事の目次】 [表示]
趣味の創作活動からスタート! 今やチャンネル登録20万人の人気YouTuberに
−−ご多忙のところ、ありがとうございます。今日はよろしくお願いいたします!
ねこみみマスター(以下、ねこマス):はい、どうもー。バーチャルのじゃロリ狐娘youtuberおじさんの、ねこみみマスターです、、、のじゃ!
――(今、語尾付け加えた)ねこマスさんが、バーチャルYouTuberとして活動しようと思ったキッカケは何だったのでしょうか。
ねこマス:最初は趣味の創作活動としてイラストを描いていたのじゃ。
そこからだんだんとアニメーション制作ソフトのLive2Dや、3D制作ソフトのBlender、ゲーム制作ソフトのUnityといったツールを使った創作活動も行うようになったのじゃ。
そこで身に付けたUnityと3Dのスキルを活かして、「何か作品を世に送り出そう」と思いたち、バーチャルYouTuberになった、というのがわらわが今へと至る経緯なのじゃ。
――普段からPCには慣れ親しんでいたということですね。学生時代に何か学ばれていたのでしょうか。
ねこマス:一応、わらわは理系なのじゃが、成績は下から数えて3番目とか落ちこぼれじゃったのじゃー。今思えば学び舎で何も学ばぬ不真面目な生徒じゃった。
――では、PCに触れたキッカケはどんな感じなのでしょうか。
ねこマス:わらわが高校生になると同時に、デスクトップPCを買ってもらったのじゃ。と言っても、使い道はMMOじゃったり、ニコニコ動画やWEB閲覧じゃったりと、一般的な使い方なのじゃが、MMOのおかげでタイピング速度はバチクソ鍛え上げられたと思うのじゃ。インターネットに繋げた事でざっくばらんに知識を身に着けるキッカケにもなりました、のじゃ。
――そうなると、本格的に技術を学びはじめたのは社会人になってからということでしょうか。
ねこマス:その通りなのじゃ。最初はペイントソフトのSAIの使い方から入り、その後、ペイントソフトのクリップスタジオ、動画編集ソフトのAviutl、アニメーション制作ソフトのLive2D、3D制作ソフトのBlender、ゲーム制作ソフトのUnityなどを学んだのじゃ。
学生の頃と違うのは、ただ漠然とPCを使うのではなくて、目的をもって教材も揃えて学んだ、という点かのう。
プログラミングに手を出した理由は「就職」という観点で見ると、アート系より堅実だったのに加え、何か作りたい時にやはりプログラミングスキルがあると幅が広がるからなのじゃ。
――ビジョンを持って必要となるスキルセットを身に着けて行かれたのですね。
けも耳のルーツ~『狼と香辛料』の賢狼ホロに恋して
――好きなアニメ、漫画、ゲーム作品はありますか?
ねこマス:獣耳キャラクターに関しては『狼と香辛料』※1じゃの。
自分の人生において、「ホロ※2に相当する人物と出会わなければ、恋愛など必要ない!」とさえ思える、そんな作品なのじゃ。
※1 狼の化身である少女と青年行商人の道中を描いた、支倉凍砂氏のライトノベル。経済をテーマとして取り扱った異色作として知られる。
※2 同作のヒロイン。外見は少女だが正体は何百年も生きた巨大な「賢狼」という存在。一人称が「わっち」でけも耳が生えている。
次にあげるとすると、『ソードアートオンライン(SAO)』※3じゃな。
SAOで1番好きなキャラは主人公のキリトでも、ヒロインのアスナでもなく、物理科学者の「茅場晶彦」という人物で、SAOという仮想現実世界を創った黒幕なのじゃ。
この茅場晶彦という人物は、「自分の追い求める世界に行きたい」という一心で仮想世界を創造してしまうのじゃが、その理想を追い求めるあまり一般的な倫理から離れてしまい、結果的に大量の虐殺者となっているのじゃ。
個人的にはもっと成功してほしい科学者じゃったが、理想と興味に従順すぎる姿こそ科学者としての理想像ゆえに、本当に悲運の男じゃと思っておる。
わらわ的には、反面教師として倫理から外れない努力や生き方をするのは当然じゃが、ある面では茅場晶彦のような人物になれたらとも思うのじゃ。
……あと、SAOの劇場版、『オーディナルスケール』とか最高にいいです!
現実とインターネットと人工現実の境界線が曖昧な感じで混ざり合った感じが控えめに言って最高! MAPの表示方法とか、立体映像を投影するドローンとか、かなりシビれます。
ほかにも ジョジョ メタルギアソリッド ANUBIS 進撃の巨人 カイジ まどマギ SHOWBYROCK 琴浦さん ねこむすめ道草日記 ストライクウィッチーズ コードギアス スティーブンスピルバーグ監督作品 新海誠監督作品 ハンターハンター あたりは特別好きですね!
※3 全世界累計発行部数、2000万部を超える川原礫氏によるライトノベル。もともとはオンライン小説として連載されていたもの。ゲーム内での死が現実世界の死に繋がる、VRMMORPGゲーム「ソードアート・オンライン」を舞台に、過酷なデスゲームを主人公のキリトが攻略していくという内容。
――(後半、加速した。)何となく、けも耳愛の傾向が伺えました(笑)。
自作3Dモデル「みここ」について
ねこマス氏がBlenderにて制作した3Dモデル「みここ」ーニコニ立体より
――バーチャルYouTuberとして認知されている「みここ」モデルですが、彼女のコンセプトやオマージュなどはありますか?
ねこマス:みここを作った当時、ECO(エミルクロニクルオンライン)※4というゲームにハマっていたのじゃ。
とはいえ、このゲームはMMORPGなので、普通に遊ぶには到底わらわの時間が足りなくて、一からプレイする気力はさらさら無かったのじゃ。そこで、「ECOのプレイヤーが投稿するSS※5などをみて楽しむ」というちょっと変わった楽しみ方をしていたのじゃ。
……ちなみに、ECO内に「ローキーアルマ」(ローキーアルマ画像検索結果)という狐をモチーフにしたキャラがいるのですが、それがもう、ぎゃんカワでマジ最高!! ただ、そのままデザインを使うわけにはいかないので「自分にとっての最かわ狐娘ってどんなだろう?」と考え抜いたのが「みここ」になります。なので「テーマの決定」にECOの影響はあると思います。
※4 ガンホー運営のMMORPG。ハートフルオンラインRPGをコンセプトに、癒やしの世界観や、可愛らしいキャラクターが特徴で着せ替えシステムが充実していた。2017年8月にサービスを終了している。
※5 ショートストーリーもしくはサイドストーリーの略。ここでは二次創作小説のこと。
――(後半、ただ狐キャラ愛を語るおっさんになってた。)ところで、のじゃろりおじさんのボイスが妙に癖になる、といった方もいるようです。ボイスチェンジャーや音声合成ソフトを使う構想はなかったのでしょうか?
ねこマス:わらわがバーチャルYoutuberをはじめた目的は、別にバーチャルYoutuberになりたかったわけでも、Youtberとして成功したいわけでもなかったのじゃ。まあ、成功を願わないと言うと嘘になるので、「0ではないがほぼ期待してない」といったほうが正確じゃが。
で、どちらかと言うと、「Unityと3Dの両方が扱える技術デモ」という側面があって、いわば投稿動画を自分の習作やポートフォリオ代わりとする、位置付けじゃったのじゃ。
それゆえ、世界観もキャラクターもことさら作りこまず、1番楽な形でコンテンツを出して行こう、その過程で動画をベースにUnityを学びながら色々な事をして行こう。と、当時考えていたわけで、余計な作りこみを省いた結果が、おっさんの地声という結論なのじゃ。
――なるほどです。では、現在大人気のねこマスさんですが、ブレイクのキッカケは何だったのでしょうか。
ねこマス:にゃるらさんというブロガーさんが「キミは「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」を知っているか!?」という記事を書いてくれた事だと思うのじゃ。このおかげでチャンネル登録者数が、文字通り桁が変わるレベルで増えたのじゃ。
……これは後に分かった事ですが、にゃるらさんはインターネットの”特異点”にいるのだと思います。詳しく言うと、個人情報に関わる為、こう、抽象的な説明で申し訳ないのですが。にゃるらさんのおかれている環境がインターネット上で強い影響力を持っている環境とでもいいましょうか。そのためか、にゃるらさんの影響を受けて、私がインターネット上で影響力を増やす”加護”を授かったような、そんな事になったのだと思います。
ブレイクがキッカケでコンビニバイトから希望職へ転職
出典:Shutterstock
――現在、某コンビニでアルバイトをされてるようですが、今後も続けるのでしょうか?
ねこマス:卒業するのじゃ! というか、もともとVRや3Dの分野に進みたくてバーチャルYoutuberのような活動をはじめたわけゆえ、嬉しい前進なのじゃ。
――希望の職種への転職が叶ったとお聞きしました。
ねこマス:ご縁があって、希望の業種の仕事をさせていただくことになりました。
ただ、自分と同じことをできる人は世の中にたくさんいると思うので、これに関しては本当に運が良かったのだと思います。
――コンビニバイト時代の世知辛いエピソードはありますか。
ねこマス:これは色々あるのじゃが、「商品を後ろから取るのやめてほしい」って思うのじゃ。
小売店の商品は手前の商品ほど古く、奥の商品ほど新しくなるよう陳列するのじゃが、その事情を知ったうえで、奥の商品を取るお客さんが居らっしゃるのじゃー。
商品はすべて鮮度管理されてるわけで、古くなれば処分されるし、商品によってはレジを通らなくなっているのじゃ。なので、「陳列されてる時点でどれも鮮度が保たれた安心できる商品」と言えるのじゃ。
奥の商品を選んだからって大きく何か得するわけではないのじゃ………。
奥から取られた事で古い商品が残ってしまうと、店としては捨てないといけないのじゃ。皆が皆、奥から取ってしまうと、どんどん廃棄が増えるのじゃ。お客さんからすると大差ないかもしれないが、店にとっては死活問題なのじゃ。皆が奥から取ることで、近所にある便利なお店が苦しんでいるという現実があるのじゃ。だから、手前から取った方がみんな幸せになれるのじゃ……。
――世知辛いんですね。ちなみに、ブレイク後は収入事情に変化はありましたか。
ねこマス:おかげさまでチャンネルの広告収益が月に数万円を越えている状況なのじゃ。本当にありがたいことなのじゃ。わらわはロリ娘ゆえ、酒、タバコ、ギャンブル、風俗の類は一切しないのじゃ。皆様の広告視聴によってもたらされた収益は、VRや制作環境に投資してコンテンツという形で皆様に還元する所存。今後も応援してほしいのじゃ。
――「ITが個人をエンパワーメントする」という話がよくあります。従来のVRYouTuberはチームやプロジェクトを組成して企業がプロデュースするというイメージがありました。そこを完全に個人で手がけているという点において、意義というか狙った部分はありますか。
ねこマス:これはバーチャルYouTuberに限定した話ではなく、3Dのアクションゲームも、十数年前の2005年時点で個人が制作するのは相当ハードルが高いことでした。
でも、Unityのようなゲームエンジンが普及した結果、意識しなくはなりましたが「かつて企業がやっていたようなことを、個人がやってる」という状況がインディーゲームのシーンにおいては数年前から当たり前のことになってます。
だから今、「個人で3Dゲームを作ってます」といっても、「ブレイクスルーだ!」なんて話にはなりません。
一方で、バーチャルYouTuberの世界で求められる技術、これはゲーム制作とかなり被る部分があります。要は制作物がゲームから動画に変わっただけです。
なので、現象のガワだけを見ると、「個人がバーチャルYouTuberをやることはブレイクスルーだ」と感じるかもしれませんが、内側から技術的に見れば、もう何年も前にに多くの人が通った道を歩いているのだと思います。
したがって、1人で3Dのインディーゲー作ってる人(特にキャラクター自作)であれば、技術的にはみんなバーチャルYoutuberになれます!
――現在募集している、あるいは歓迎するコラボやオファーなどはありますか。
ねこマス:ソードアートオンラインの公式の何か!!! 電撃さんお待ちしております!! のじゃ!!
――今後の活動について、展望をお願いします。
ねこマス:獣耳帝国の建国なのじゃ!
――最後に、ファンへの一言お願いします。
ねこマス:獣耳の世界に行きたい人は、わらわについてこいなのじゃ!
あと、いつも応援ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします。
――ありがとうございました。
*** ***
ソニー生命が調べた、中学生男子がなりたい職業によると、1位「ITエンジニア・プログラマー」、2位「ゲームクリエイター」、3位「YouTuberなどの動画投稿者」だったそうだ。
だとすると、ねこマス氏は「なりたい職業三冠王」たりえる器の持ち主と言えるのかもしれない。だが、ねこマス氏は自身が歩む道を、「過去にゲーム制作者が通った道に過ぎない」と語った。もし、ねこマス氏のような謙虚さを多くの人が持ち合わせていたら、グラップラー刃牙最大トーナメント編の烈海王VS愚地克己戦の試合展開においても、また違った形があったのではないだろうか。と思ったけどよく考えたらそうでも無かった。
ともあれ、バーチャルYouTuberの地平を切り拓く、ねこマス氏の今後の活躍にも注目したい。
▶︎けもみみVRちゃんねる
▶︎獣耳帝国国営放送 公式WEB
番外編:ゼロからはじめる、バーチャルYouTuber
ねこマス氏に、制作環境や技術習得に関しても聞いてみたので、「自分もバーチャルYouTuberをやりたい!」という方は参考にされてみてはいかがだろうか。
制作環境について
ねこマス:パソコンは12~15万円クラスのものを用意。Oculus Rift(※VR用ヘッドマウントディスプレイ)に5万円。ソフトはBlenderとUnityとOBS(※Open Broadcaster Software、配信ソフトのこと)なのでフリーですね。UnityアセットのFinalIK(※モデルに関節や動きをつけるための部品)の90$、あたりが必須だと思います。
UE4(※ゲーム開発エンジンのアンリアル・エンジン 4のこと)でやるのでしたら、iIKinema RunTime Plugin(※モデルに関節や動きをつけるための部品)が必要ですが、これもFinalIKとほぼ同額です。
ガチでゼロからはじめて個人でバーチャルYouTuberになるまでのザックリフロー
①キャラクターデザイン
イラストが描ける事とデザインができる必要があります。
②キャラクターの3Dモデリング
3Dモデリングができる必要があります。
③ゲームエンジンでのプロジェクト作成
プログラミングは必須じゃありませんが、ソースコードを見てクラスメソッドの内容以外の部分で何やってるか分かると楽です。
④動画の企画と制作
動画制作ソフト使える必要がありますがYouTuberレベルでしたら文字が打てればOKです。
といったところです。
最初の壁となるであろう、3Dモデリングについて。
ねこマス:私は、Blenderとメタセコで練習をしました。必要な情報はネットでざっくばらんに調べながら、本をかいつまんで読んだ感じです。ただ、本によっては全体に目を通した後1割くらいしか使わないなんてのもありましたが……。
数冊買った中では 『Blender標準テクニック ローポリキャラクター制作で学ぶ3DCG』が1番良かったですね。
ライター : 栗林 篤
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