飼育水槽設備

水槽サイズ

俗に「大きく成長するサカナでも水槽のサイズに合わせて成長が止まる」という話。 ガーの場合 「水槽のサイズに気にせず予想以上に成長する」 と傾向があるようです。 給餌量・給餌間隔によって多少変化しますが、1~2年で小型のスポッテッドは20~30㎝、大型のアリゲーターで150㎝以上に成長します。

泳ぐ姿を見ての通り、硬い体の構造になっているため ガーにあわせた余裕のあるサイズが必要となります。 小型のスポッテッドなら 横幅900 × 奥行450 × 高さ450 の水槽で何とか飼育はできます。 狭い水槽での飼育は窮屈さゆえに吻先をぶつけて団子状になったり、成長に支障が出たりする可能性があるので、 前もって覚悟して飼育してください。団子状になった吻は元に戻ることはないです。
体長の1.5倍程度の幅・奥行きがある水槽くらいがいいようです。 自分なりの意見では、約40cmのスポガーを1.5倍の奥行き60cmに入れてみましたが、なんだか窮屈にそうにターンしているよう感じました。水槽の中で泳いでるって言うか、入れられてるって感じが…
大型に成長する Atractosteus 属の3種とロングノーズガーについては、それなりの大型水槽が必要です。水槽回りの補強を忘れずに。

水  温

種類によって多少異なるので大雑把な適温は20~26℃くらい。
ロングノーズは、五大湖付近にまで生息域を広げるほどたいへん低温に強い種で、野外飼育も可能と言われています。 日本とほぼ同緯度付近に生息するスポッテッド・ショートノーズ・アリゲーターなども、関東以南であれば無加温の室内飼育が可能です。 そのため不法放流で帰化した個体が越冬し、さらに自然繁殖してしまったケースもみられます。
実際のところ冬の関東では数ヶ月間は水温が10℃下回り、池に氷が張り呼吸確保も危ぶまれるため、 ロングノーズでは無加温の室内飼育、それ以外は加温が無難だと思います。
低水温ばかりですが、アリゲーターガーが32℃~36℃の温泉が湧き出す場所で生存できたことも報告されています。

水  質

弱酸性(pH6.5)~弱アルカリ性(pH7.5)
他の魚類に比べ病気にかかりにくく、成魚であれば水質に対して特別な考慮は必要ないようです。 ガーの多くが生息する北アメリカ東南部では、地下地層には炭酸カルシウムが主成分の石灰岩が広がっています。 雨などによって大地に浸みこんだ水と共に石灰質が河川や湖へと溶け出し、弱アルカリ性となっています。 通常 高い硬度は、体調不良・体色褪せ・皮膚粘膜のダメージを引き起こすと言われますが、穏やかに変化させると高いpHにも耐えられます。

飼育数・給餌量・給餌間隔などに見合った日ごろからの管理を怠ると、排泄物に含まれるアンモニアによって水質が酸性に傾きます。 目の白濁などの障害や底の方に沈んだまま動かなくなる・餌食いが悪くなるなど、通常と行動が変化しはじめたら水質を疑ってみてください。
病原菌や水質の変化に強いガーも残念なことに薬品に弱く、水質調整剤に記載されている規定量は使えません。 急激なpHや硬度の変化も体調を崩す原因になります。代わりにサンゴ砂や貝殻を濾材に混ぜる方法があります。 これはサンゴ砂や貝殻の主成分 炭酸カルシウムは、水に溶けやすく反応してpH7.0に保つ働きを利用したもので、 特に多穴質のサンゴ砂は溶けだしがいいです。が、手荒に使うと崩れてしまうのが難点。
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