平手友梨奈。サイレントマジョリティー以後、 人々は時代や同世代の象徴として多くの事象を彼女に投影し続けた。 しかしその全てが必ずしも彼女の実像を正しく映し出していたのか? 数多くのアイドルのインタビューを手がけ、彼女たちの「本音」を引き出してきたライター・篠本634氏が鋭く切り込む。今「16歳の平手友梨奈」として、 率直な言葉で語った、衝撃の独占告白!

最新シングル『風に吹かれても』は「(デビュー曲『サイレントマジョリティー』から)すべて繋がってるなって思う」と語った彼女。続いて少し遡り、今年の夏ツアーのファイナルの話に。

*こちらは2018年1月1日(月)0時までの期間限定配信となります。

——実はボク、今年の夏ツアーのファイナル、幕張メッセを見に行かせていただいたんですけど。

平手 ありがとうございます。

——ダブルアンコールが壮絶で。

平手 あー(笑)、見てしまいましたか 。

——はい、見てしまいました(笑)。幕張を見ていない読者に説明をしますと、 8月30日に幕張メッセ(国際展示場・4 〜6ホール)で、欅坂46はツアーファイナルを迎えました。その際のダブルアンコールで平手さんはご自分のソロ曲『自分の棺』を初披露。そしてそのラストは『不協和音』だったのですが、その2曲の演出がとても壮絶なもので、ファンの中で大きな話題となったのです。

平手 あの......SJさん、ファッション誌なのに、大丈夫ですか? こういう話をしちゃって?

——大丈夫です!(笑) 今回のインタビューは、ある意味、平手さんの〝現在地〟に迫りたいと思っているので。......まず、 ダブルアンコール1曲目の『自分の棺』 ですが、ギターを抱えた平手さんがステージ端から登場して、歌いながらフラフラと中央に移動。いくつもの燃える炎の柱の中央で、真っ赤な光の中で歌いきるという演出でした。

平手 はい(笑)。

——『自分の棺』という曲ですが、歌詞もすごい。「世の中のすべてを憎んでいるけれど、自分への嫌悪感が一番強くて。愛や夢に期待なんかしてしまった罪人の自分は消えてしまおう、自分の棺を用意しよう。 一人きりで地獄に堕ちろ」という曲じゃないですか。アイドルに歌わせる曲じゃないですよ。

平手 ふふふ(笑)。

——......個人的な話で申し訳ないんですが、ボク自身、中学時代、世の中が許せなくて、でも自分が一番嫌いで、一度、自分の墓を作ったことがあるんですよ。今こうやって話すと、かなりアレなんですけど。 そのことを思いだしてしまって。 ​

平手 ......でも、なんかわかります。そういう気持ち。

——本当ですか? でも中学時代のボクみたいな、今、そういう気持ちの中で戦っているファンも多いと思うんですよね。ちなみに最初に『自分の棺』の歌詞を見たとき、どう思われました?

平手 一番最初に歌詞を見たときは〝棺〟って 文字が読めなかったんです(笑)。ディレクターの方が「“ひつぎ”だよ」って教えてくれたんですけど〝執事〟だと思って。『自分の執事』が死んじゃう曲? って思っちゃいました......。

ーーまさかの!(笑)

平手 で、「棺桶のことだよ」って教わって。『あぁ、そうなんだ』って(笑)。でもそれで改めて歌詞を見たら......なんかびっくりで。「私っぽいな」って思いました。でもどう歌えばいいんだろう? って思ってたら、ディレクターさんが「じゃあ、魂が出たら終わろうね」って言うんです。「へ? 魂出たら死んじゃうけど......」って......。

——でも、秋元康総合プロデューサーもすごい曲を投げてきますよね。そんなとんでもない『自分の棺』をダブルアンコールで初披露したわけで。

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