【iPhone】「緊急SOS」機能の使い方と設定を全解説 実際に使うとどうなる?

2017-12-04 17:41

iOS 11の緊急SOS機能

誰であっても、生きていれば事故や災害に遭うリスクからは逃がれられません。突然の急病で一刻を争う場合もあるでしょう。そんなときに知っておきたいのがiPhoneで使える「緊急SOS」機能です。

iOS 11で導入された緊急SOSは、警察や海上保安庁、消防へ簡単に緊急電話をかけられる機能で、いち早く救援・救助を要請できます。また、家族などに自動で連絡する設定も用意されています。

たとえiPhoneユーザーでなくとも、周囲で何かが起きた際にiPhoneで緊急SOSを発信できることを知っていると、大きな安心材料になります。もしものときに備えて、緊急SOSの使い方を押さえておくことをおすすめします。

本記事では、緊急SOSの使い方と設定方法を解説し、実際に使ってみるとどうなるのかを検証しました。

検証端末:iPhone 6s/7/X(iOS 11.1.2)

「緊急SOS」機能とは

緊急SOS機能はiOS 11で搭載された新しい機能です。iPhoneがロックされた状態でも、警察や海上保安庁、消防へ連絡し、同時に位置情報も伝えることができます。

iOS 10以前からロック状態でも使える「緊急」機能はありましたが、こちらは手動でダイヤルが必要でした。110番や119番は知っていても、海上保安庁の番号(118番)を知っている人は少ないのではないでしょうか?。

iPhone 7:緊急

iOS 10以前からある緊急電話。iOS 11でも使える

新しい緊急SOS機能は、番号をダイヤルしなくても発信できる点が大きく異なります。

また、位置情報も緊急連絡先に伝えられるので、自身の位置が把握できない場合や意識を失って位置を伝えられなかった場合などに大きな効果を発揮してくれるはずです。

「緊急SOS」の使い方

緊急SOSは緊急時に心強い機能ですが、iPhoneのモデルによって操作方法が異なる点に注意が必要です。事前に確認しておきましょう。

iPhone 8/iPhone X以降:サイドボタンと音量ボタンを同時に長押しするのが基本

iPhone X:緊急SOS

Image:Apple

最新のiPhone 8/8 PlusやiPhone Xで緊急SOSを使うには、サイドボタンといずれかの音量ボタンを同時に押し続けます。

iPhone X:緊急SOS

緊急SOSスライダー

数秒間押し続けると、電源オフの画面が表示されます。下に表示されている緊急SOSスライダーをスワイプしましょう。

iPhone X:緊急SOS

通報先をタップすると発信する

警察海上保安庁火事・救急車・消防が表示されるので、通報先を選びます。画面をタップすると発信する仕組みなので、間違えてタップしないように注意してください。

iPhone X:緊急SOS(5回クリックでも作動)

なお、iPhone 7以前の端末と同様にサイドボタンの5回押しで緊急SOSを起動できるようにする設定も用意されています。やり方さえ覚えておけば、こちらのほうが素早く連絡できるので、設定を有効化しておくとよいでしょう。

iPhone 7以前:スリープ/スリープ解除ボタンを5回押す

iPhone 6s:緊急SOS

Image:Apple

iPhone 7以前では、スリープ/スリープ解除ボタン(電源ボタン、サイドボタン)を5回押して起動します。

その後の流れは、iPhone 8/8 PlusやiPhone Xの場合と同じです。

「緊急SOS」の設定はカスタマイズできる

「自動通報」機能

緊急SOSには、「自動通報」という機能もあります。

iPhone 7:緊急SOSのカウントダウンiPhone 7:緊急SOSのカウントダウン

左:自動通報機能のカウントダウン右:停止通話を停止でキャンセル

緊急SOSを起動してからスライドをスワイプし通報先を選ぶという操作は、手間という点で従来の緊急電話と大した違いがありません。

この点、自動通報機能を有効化しておくと、地域によっては緊急時にいちいち画面を操作しなくても自動で電話を発信してくれます。ただし、日本・東京においてデータ通信SIM端末で検証したところ、通報先を選択する必要がありました。

iPhone 7:緊急SOSの設定

自動通報の設定

自動通報を利用するには、「設定」アプリ→緊急SOSを開いて、自動通報をオンにします。自動通報ではカウントダウン中に警告音が鳴りますが、この警告音はオフにすることもできます。

緊急連絡先の設定(メディカルID)

家族やかかりつけの医者がいるなら、緊急の連絡先を追加しておくとさらに安心です。これは緊急電話が終わったあとに、指定した連絡先にメッセージや現在地情報を送信する機能です(キャンセルも可能)。現在地を移動したときは、そのつど新しい情報が送信されます。

iPhone 7:メディカルID

メディカルIDを作成

緊急連絡先は「ヘルスケア」アプリや緊急SOS機能の設定から登録できます。

今日から始める、iPhone「ヘルスケア」の設定と使い方【歩数・睡眠・体重・運動の管理など】

「ヘルスケア」アプリでは、「メディカルID」タブを開き、メディカルIDを作成をタップします。メディカルIDには、服用中の薬やアレルギーの有無など、救助活動の際に必要な情報を登録しておけます。まだ設定していなければ、これを機に設定しておくとよいでしょう。

iPhone 7:緊急連絡先を作成

緊急連絡先を追加をタップし連絡先を指定する

画面をスクロールして、緊急連絡先を追加します。連絡先と続柄を指定して、設定は完了です。

すでにメディカルIDの設定が済んでいる場合は、編集をタップして緊急連絡先を追加するだけでOKです。

iPhone 7:メディカルIDと緊急SOSiPhone 7:メディカルID

左:ロック画面でもメディカルIDを表示できる右:緊急連絡先に電話をかけることも可能

なお、メディカルIDを作成しておくと、緊急SOSを起動したときに「メディカルID」が表示されます。スライドをスワイプすると、メディカルIDに登録した情報が表示され、ここから緊急連絡先へ電話をかけることも可能です。

実際に「緊急SOS」を使うとどうなる?

では、実際に緊急SOS機能を検証してみましょう。

本検証では、データ通信SIMを挿している端末を利用しているので、110番などに電話がかからないようになっています。

発信側はどうなるか?

自動通報機能を利用して緊急SOSを発信してみました。

iPhone X:緊急SOSの発信側iPhone X:緊急SOSの発信側iPhone X:緊急SOSの発信側

左-発信側1:カウントダウン開始中-発信側2:通報先を選択右-発信側3:緊急電話

カウントダウンが経過後、緊急通報先を選択する画面が表示されたので、ここでは警察を選択。すると、すぐに緊急電話が発信されます。地域によっては通報先を選択することなく緊急電話が発信されます。

【iOS 11】緊急SOSの自動通報カウントダウン(音あり注意)

カウントダウン音は緊急事態を周囲に知らせるために、音量が大きめで不快感のある音が鳴ります。上記動画で確認できます(音に注意してください)。

iPhone X:緊急SOSの発信側iPhone X:緊急SOSの発信側iPhone X:緊急SOSの発信側

左-発信側4:カウントダウン後、緊急連絡先に通知中-発信側5:通知された右-発信側6:メディカルIDの情報が表示される

緊急電話の発信後、メディカルIDに設定済みの緊急連絡先に緊急SOSを発したユーザーの居場所が通知されます。通知後、画面には「メディカルID」画面が表示された状態になります。

iPhone X:緊急SOSの発信側iPhone X:緊急SOSの発信側

左-発信側7:ロック画面左上にSOS右-発信側8:「緊急SOS」画面

「メディカルID」画面で完了をタップすると、ホーム画面に戻ります。左上には赤地のSOSが表示されるので、これをタップすると「緊急SOS」画面に移動し、自分の位置情報が表示される仕組み。位置情報サービスをオフにしていても、一時的にオンに切り替わります。

緊急時の位置情報の共有を停止をタップすれば、位置情報の共有を停止できます。

なお、緊急SOSを利用したあと初めてロック解除を試みる際に、再起動したときと同様にTouch ID/Face IDを利用できなくなります。パスコードを入力してロックを解除するほかありません。

緊急連絡先に指定されている側はどうなるか?

iPhone X:緊急SOSの受信側iPhone X:緊急SOSの受信側iPhone X:緊急SOSの受信側

左-緊急連絡先側1:SMSが届く中-緊急連絡先側2:メッセージと位置情報が届く右-緊急連絡先側3:発信側の所在地を地図で確認できる

緊急連絡先に指定されている相手には、メッセージと位置情報が届きます。発信側の所在地が変わると、その都度通知されます。