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ルーナ・ラヴグッドと闇の帝王の日記帳 2

https://www.fanfiction.net/s/12407442/2/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

これで何週間目かな。ご覧のとおり僕は無害な日記帳だ。そろそろジニーに返してくれる?

だめ。まだ。

何で?君はさびしいのかな?友だちがほしい?友だちになってあげるよ。君のことを話してくれ。何でも聞いてあげよう。

え。優しいんだね。

もちろん優しいよ。最初のときは荒っぽくしていて悪かった。ジニーのところに早くもどらなければと思っていたんだ。彼女には僕が必要だ。ただ、いまは君のほうが僕を必要としているようだ。君の友だちになってあげよう。秘密を打ち明けてくれていい。

本当に?本気で言ってる?

もちろん。日記帳はそのためにあるんだ。まず歴史からいこうか。子どものころの話をしてくれるかな?

うーん、じゃあ。両親はゼノフィリアスとパンドラという名前で、二人とも頭がよくて何でも教えてくれた。5歳には、グラッフルとトッジのことも教えてもらってた。

あーなるほど。グラッフルにトッジね。ふむふむ。

それだけじゃないよ。6歳のときには、お母さんに五枚羽のピクシーを捕まえる方法を教えてもらったし、8歳で沼型ニンフを歌でさそって網でいけどりする方法を教えてもらった。

沼の……ってさっきからでまかせを言ってるのか?

まさか。もちろん本気だよ。

分かった。続けてくれ。

どこまで話したっけ? インクが消える紙だとすぐ忘れちゃいそうになる。

お母さんの話だった。

ああそうだ。いいお母さんだったんだけど、9歳のときに死なれたんだ。トーディーを気絶させるための呪文に失敗してひどい事故になっちゃって。

何を気絶させるって? いや、その、それは大変だったね。

うん。今でもすごくさびしい。お父さんと私だけになっちゃったから。お父さんはがんばってくれてるけど、新聞と育児を一人でやるのは大変だったと思う。だからできるだけ一人で遊ぶようにしてた。近所の子と遊んだこともある。

ほう。友だちはたくさんいた?

最初はね。ヴァンダースウォンプ狩りにつれていこうとしたら、遊んでくれなくなった。親の人からとめられたんだと思う。ヴァンダースウォンプから攻撃されるんじゃないかって心配したのかもしれないけど、ありえないから。ヴァンダースウォンプが優しい生き物でハエしか食べないっていうのは誰でも知ってるよね。

ちょっといいかな? 気が変わった。ジニーのほうがずっと僕を必要としている。ジニーのところに返しなさい。今すぐ!

じゃあ金のパイプもやしを初めて見つけたときの話をしようか。あれはとても感動的だったよ。女の子ならみんなそうだと思う。

ルーナ? ルーナ?! 書くのをやめてくれ。

10歳になってすぐのことだけど、お父さんにイタリアに連れていってもらって、グラッフルが渡りをするところを見ようとしていたんだけど……

頼むから……

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ルーナ・ラヴグッドと闇の帝王の日記帳 3

https://www.fanfiction.net/s/12407442/3/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

この上で泣いているのか?

泣いていない。

泣いているね。

いない。

いる。

はいはい。だったら何?

何で泣いているの?

何で気にするの?

僕は日記帳だ。つらいことをはきだす先が日記帳というものだ。

大したことじゃないんだけど。クラスの女の子がひどいことをするだけ。

どんなひどいこと?

その…教科書を入れていったはずなのに教科書がなくて授業で罰則をもらったんだけど。ナーグルにとられたのかと思ってそう言ったら先生に嘘をついていると思われた。授業のあとで寮の同室の子がわざと教科書を隠していたのを見つけた。

いじわるだね。

うん。

仕返しの手伝いをしてあげてもいい。

どうやって。

ちょっとした呪文を知っているんだ。全然害はないけど受けたほうは恥ずかしいことになる。

それは何?

簡単さ。手首の動きもなにもいらない。杖を相手に向けてクルシオと言えばいい。

トム……それって拷問の呪いだね。

違うよ。

違わない。

違う。

違わない!

ぜったい違うから。試してみてほしい。気分がすっきりするよ。

クラスメイトに許されざる呪いを使うつもりはないよ。

ふーん。そうか。罰則ごゆっくり。

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ルーナ・ラヴグッドと闇の帝王の日記帳 4

https://www.fanfiction.net/s/12407442/4/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

トムいる?

今度は何だ!?

ナーグルを見たことがないって本当?

見たっていったらジニーにこの日記帳を返してくれるかい?

見たことあるの?

もちろんだとも。誰だってあるだろう?

見たんなら、どんな形に見えた?

その……ルーナにはどんな形に見える?

見たことないんでしょ?

ふざけるなよ。ああ、お前の想像上の生き物なんか見たことないさ。ジニーのところに返してくれ!

ざらざら木のノームは?

見たことない。

じゃあ……

ない!

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ルーナ・ラヴグッドと闇の帝王の日記帳 5

https://www.fanfiction.net/s/12407442/5/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

トムはずっと日記帳だったの?

ああ。

そうじゃないと思う。

何で?

話し方が日記帳らしくないから。

なぜそう言える? しゃべる日記帳をいくつ見たことがあるんだ?

あなただけ。

なら、日記帳らしくないってなぜ分かる? 参照点がひとつしかないなら、これがまさに日記帳らしい話し方だとも十分言えるんじゃないか?

そうかもね。でも違うと思う。

君にどう思われようが正直どうでもいい。

幽霊が日記帳に乗り移ってるんじゃないかと思う。

おかしなことを言うね。幽霊はものに乗り移らないよ。あれは単なる迷信だ。

それは知ってる。でもいまのところこの仮説しかしかないから。

もっといい仮説ができたら呼んでくれ。

トム?

何だい?

トムはどんな死にかたをしたの?

僕は死んでいない。幽霊じゃない!

ナスビのインプに食べられた? あのインプは危険だそうだね。オオムギの穂のネックレスをつけるとお守りになるよ。

僕はオオムギの穂を身につけたりしない。

分かる。つけてたらインプに食べられなかったはずだしね。

インプにも誰にも殺されていないし、僕は幽霊じゃないと何度言わせるんだ!

分かった。信じるよ。

よかった。やっとか。

オオムギを身につける必要はないんだよね。私は靴下に入れてる。

それがどうした……って、穂の粒を靴下に入れてるのか?

うん

本当に?

うん。

穂の粒を靴下につめて歩きまわってるとでもいうのか?

もちろん。さっき話したとおり、ナスビのインプはすごく危険だから。

それで穂がなにをしてくれるんだ?

お守り。

どういう風に?

とにかく守る。

効き目があるってなぜ分かる?

明らかに効き目はあるよ。私がナスビのインプに食べられてないんだから。

なるほど……ルーナ?

なにか、トム?

君のお母さんが実験的な呪文を作っていたそうだが、そのときどれかが君の頭に当たらなかったかな?

当たらなかった

間違いなく?

うん。何で?

何でもない。ちょっと仮説を検討しているんだ。

そう。さっきのナスビのインプの話でこわがらせてしまったら、私の粒のお守りをいつでもあげるよ。

ルーナ、君の靴下の粒はいらない。

ページに一粒はさんでおくよ。ナスビのインプは日記帳を食べないと思うけど、念のためにね。

やめてくれ。靴下の粒はいらない。戻してくれ。ルナ! それを近づけるな!

ほうら。これでお守りができたから安心だね。

と っ て く れ

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ルーナ・ラヴグッドと闇の帝王の日記帳 6

https://www.fanfiction.net/s/12407442/6/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

1993年2月3日

東塔のスカイザーナットが明らかに蔓延しはじめている。

スカイザーナットなどというものは明らかに存在しない。

...

1993年2月17日

湖のちかくの茂みにトガーの子どもたちが住んでいるように思う。

ルーナは気が狂っているように思う。

...

1993年3月18日

角グラッフの巣が4階の物置にあるんじゃないかと思っていたが、やはり間違いない。

僕の持ち主は頭がおかしいんじゃないかと思っていたが、やはり間違いない。

...

1993年3月24日

新発見。禁断の森のはしにテストラルの群れが住んでいた。

新発見……待って、テストラルだって?

うん。

死人を見た人にしか見えない、羽がついていて骨ばった馬のようなもの?

うん。群れでいたよ。

実在の動物と想像上の動物を混ぜるのはやめなさい。混乱するだろう!

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ルーナ・ラヴグッドと闇の帝王の日記帳 7

https://www.fanfiction.net/s/12407442/7/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

ナーグルが実在しないと思うのは何で?

実在するなら目撃者がいるはずだから。

目撃者はいるよ。

君と君のお父さんは数にはいらない。

私たちだけじゃないし。

君と君のお父さんに関わっている狂人は数にはいらない。

失礼なこと言わないで。

失礼じゃない。論理的に言っているだけだ。実在するものなら目撃者がいる。目撃者がいるなら他のひとにそれを話して、証拠をみせて、皆がそのことを知っているはずだ。正気の人は誰も知らないのなら、実在しないに決まっている。

ドラゴンについても同じことが言えるじゃない。

は?馬鹿なことを言うな。ドラゴンは実在する。目撃者がいる。

世界中の60億人のマグルはそう思っていない。

マグルが? マグルが何で関係あるんだ?

簡単だよ。ドラゴンは実在するかってマグルにきけば、しないと言われる。なぜそうだと分かるかときけば、目撃者がいないし、目撃者がいるなら他の人に話して証拠をみせていて皆がドラゴンのことを知っているはずだからだと言われる。目撃したという人もいないし証拠をみせた人もいないから、ドラゴンは実在しないに決まっている。マグルの言い分はこうだと思うよ。「世界には何十億人も人がいるんだからドラゴンみたいに目立つものをいままで見逃しているはずはないだろう」

うん、でも……

でもあなたと私はドラゴンが実在すると知っているよね。世界中に何種類もドラゴンがいる。マグルが出会う可能性がある場所に住んでいる野生のドラゴンさえも。それでも、マグルのまえでドラゴンについてのあれこれを話したとしたら、信じてもらえないと思う。それが本当のことでも。

うん、魔法使いが魔法でドラゴンを隠しているからだね。はい論破。

そのとおり。ドラゴンの実在と、その他のさまざまな魔法生物と魔法使いの存在を60億人のマグルから何千年も隠せるなら、魔法使いから隠された動物が何種類か残っていたとしてもおかしくないんじゃないの?

うん、まあ……

おかしくないと思う?

まあ……そうも言える。

ナーグルが実在するかもしれないと認める?

いいだろう。明らかにとは言えないが、存在するかもしれない。

ありがとう。

それでも実在しないと思うけど。

60億人のマグルもドラゴンを信じてないよね。

π Rendered by PID 51453 on app-216 at 2017-11-18 06:27:29.231935+00:00 running 021be80 country code: JP.

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ルーナ・ラヴグッドと闇の帝王の日記帳 2

https://www.fanfiction.net/s/12407442/2/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

これで何週間目かな。ご覧のとおり僕は無害な日記帳だ。そろそろジニーに返してくれる?

だめ。まだ。

何で?君はさびしいのかな?友だちがほしい?友だちになってあげるよ。君のことを話してくれ。何でも聞いてあげよう。

え。優しいんだね。

もちろん優しいよ。最初のときは荒っぽくしていて悪かった。ジニーのところに早くもどらなければと思っていたんだ。彼女には僕が必要だ。ただ、いまは君のほうが僕を必要としているようだ。君の友だちになってあげよう。秘密を打ち明けてくれていい。

本当に?本気で言ってる?

もちろん。日記帳はそのためにあるんだ。まず歴史からいこうか。子どものころの話をしてくれるかな?

うーん、じゃあ。両親はゼノフィリアスとパンドラという名前で、二人とも頭がよくて何でも教えてくれた。5歳には、グラッフルとトッジのことも教えてもらってた。

あーなるほど。グラッフルにトッジね。ふむふむ。

それだけじゃないよ。6歳のときには、お母さんに五枚羽のピクシーを捕まえる方法を教えてもらったし、8歳で沼型ニンフを歌でさそって網でいけどりする方法を教えてもらった。

沼の……ってさっきからでまかせを言ってるのか?

まさか。もちろん本気だよ。

分かった。続けてくれ。

どこまで話したっけ? インクが消える紙だとすぐ忘れちゃいそうになる。

お母さんの話だった。

ああそうだ。いいお母さんだったんだけど、9歳のときに死なれたんだ。トーディーを気絶させるための呪文に失敗してひどい事故になっちゃって。

何を気絶させるって? いや、その、それは大変だったね。

うん。今でもすごくさびしい。お父さんと私だけになっちゃったから。お父さんはがんばってくれてるけど、新聞と育児を一人でやるのは大変だったと思う。だからできるだけ一人で遊ぶようにしてた。近所の子と遊んだこともある。

ほう。友だちはたくさんいた?

最初はね。ヴァンダースウォンプ狩りにつれていこうとしたら、遊んでくれなくなった。親の人からとめられたんだと思う。ヴァンダースウォンプから攻撃されるんじゃないかって心配したのかもしれないけど、ありえないから。ヴァンダースウォンプが優しい生き物でハエしか食べないっていうのは誰でも知ってるよね。

ちょっといいかな? 気が変わった。ジニーのほうがずっと僕を必要としている。ジニーのところに返しなさい。今すぐ!

じゃあ金のパイプもやしを初めて見つけたときの話をしようか。あれはとても感動的だったよ。女の子ならみんなそうだと思う。

ルーナ? ルーナ?! 書くのをやめてくれ。

10歳になってすぐのことだけど、お父さんにイタリアに連れていってもらって、グラッフルが渡りをするところを見ようとしていたんだけど……

頼むから……

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https://www.fanfiction.net/s/12407442/3/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

この上で泣いているのか?

泣いていない。

泣いているね。

いない。

いる。

はいはい。だったら何?

何で泣いているの?

何で気にするの?

僕は日記帳だ。つらいことをはきだす先が日記帳というものだ。

大したことじゃないんだけど。クラスの女の子がひどいことをするだけ。

どんなひどいこと?

その…教科書を入れていったはずなのに教科書がなくて授業で罰則をもらったんだけど。ナーグルにとられたのかと思ってそう言ったら先生に嘘をついていると思われた。授業のあとで寮の同室の子がわざと教科書を隠していたのを見つけた。

いじわるだね。

うん。

仕返しの手伝いをしてあげてもいい。

どうやって。

ちょっとした呪文を知っているんだ。全然害はないけど受けたほうは恥ずかしいことになる。

それは何?

簡単さ。手首の動きもなにもいらない。杖を相手に向けてクルシオと言えばいい。

トム……それって拷問の呪いだね。

違うよ。

違わない。

違う。

違わない!

ぜったい違うから。試してみてほしい。気分がすっきりするよ。

クラスメイトに許されざる呪いを使うつもりはないよ。

ふーん。そうか。罰則ごゆっくり。

[–]ronin005[S] 0 points1 point  (0 children)

ルーナ・ラヴグッドと闇の帝王の日記帳 4

https://www.fanfiction.net/s/12407442/4/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

トムいる?

今度は何だ!?

ナーグルを見たことがないって本当?

見たっていったらジニーにこの日記帳を返してくれるかい?

見たことあるの?

もちろんだとも。誰だってあるだろう?

見たんなら、どんな形に見えた?

その……ルーナにはどんな形に見える?

見たことないんでしょ?

ふざけるなよ。ああ、お前の想像上の生き物なんか見たことないさ。ジニーのところに返してくれ!

ざらざら木のノームは?

見たことない。

じゃあ……

ない!

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ルーナ・ラヴグッドと闇の帝王の日記帳 5

https://www.fanfiction.net/s/12407442/5/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

トムはずっと日記帳だったの?

ああ。

そうじゃないと思う。

何で?

話し方が日記帳らしくないから。

なぜそう言える? しゃべる日記帳をいくつ見たことがあるんだ?

あなただけ。

なら、日記帳らしくないってなぜ分かる? 参照点がひとつしかないなら、これがまさに日記帳らしい話し方だとも十分言えるんじゃないか?

そうかもね。でも違うと思う。

君にどう思われようが正直どうでもいい。

幽霊が日記帳に乗り移ってるんじゃないかと思う。

おかしなことを言うね。幽霊はものに乗り移らないよ。あれは単なる迷信だ。

それは知ってる。でもいまのところこの仮説しかしかないから。

もっといい仮説ができたら呼んでくれ。

トム?

何だい?

トムはどんな死にかたをしたの?

僕は死んでいない。幽霊じゃない!

ナスビのインプに食べられた? あのインプは危険だそうだね。オオムギの穂のネックレスをつけるとお守りになるよ。

僕はオオムギの穂を身につけたりしない。

分かる。つけてたらインプに食べられなかったはずだしね。

インプにも誰にも殺されていないし、僕は幽霊じゃないと何度言わせるんだ!

分かった。信じるよ。

よかった。やっとか。

オオムギを身につける必要はないんだよね。私は靴下に入れてる。

それがどうした……って、穂の粒を靴下に入れてるのか?

うん

本当に?

うん。

穂の粒を靴下につめて歩きまわってるとでもいうのか?

もちろん。さっき話したとおり、ナスビのインプはすごく危険だから。

それで穂がなにをしてくれるんだ?

お守り。

どういう風に?

とにかく守る。

効き目があるってなぜ分かる?

明らかに効き目はあるよ。私がナスビのインプに食べられてないんだから。

なるほど……ルーナ?

なにか、トム?

君のお母さんが実験的な呪文を作っていたそうだが、そのときどれかが君の頭に当たらなかったかな?

当たらなかった

間違いなく?

うん。何で?

何でもない。ちょっと仮説を検討しているんだ。

そう。さっきのナスビのインプの話でこわがらせてしまったら、私の粒のお守りをいつでもあげるよ。

ルーナ、君の靴下の粒はいらない。

ページに一粒はさんでおくよ。ナスビのインプは日記帳を食べないと思うけど、念のためにね。

やめてくれ。靴下の粒はいらない。戻してくれ。ルナ! それを近づけるな!

ほうら。これでお守りができたから安心だね。

と っ て く れ

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ルーナ・ラヴグッドと闇の帝王の日記帳 6

https://www.fanfiction.net/s/12407442/6/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

1993年2月3日

東塔のスカイザーナットが明らかに蔓延しはじめている。

スカイザーナットなどというものは明らかに存在しない。

...

1993年2月17日

湖のちかくの茂みにトガーの子どもたちが住んでいるように思う。

ルーナは気が狂っているように思う。

...

1993年3月18日

角グラッフの巣が4階の物置にあるんじゃないかと思っていたが、やはり間違いない。

僕の持ち主は頭がおかしいんじゃないかと思っていたが、やはり間違いない。

...

1993年3月24日

新発見。禁断の森のはしにテストラルの群れが住んでいた。

新発見……待って、テストラルだって?

うん。

死人を見た人にしか見えない、羽がついていて骨ばった馬のようなもの?

うん。群れでいたよ。

実在の動物と想像上の動物を混ぜるのはやめなさい。混乱するだろう!

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ルーナ・ラヴグッドと闇の帝王の日記帳 7

https://www.fanfiction.net/s/12407442/7/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

ナーグルが実在しないと思うのは何で?

実在するなら目撃者がいるはずだから。

目撃者はいるよ。

君と君のお父さんは数にはいらない。

私たちだけじゃないし。

君と君のお父さんに関わっている狂人は数にはいらない。

失礼なこと言わないで。

失礼じゃない。論理的に言っているだけだ。実在するものなら目撃者がいる。目撃者がいるなら他のひとにそれを話して、証拠をみせて、皆がそのことを知っているはずだ。正気の人は誰も知らないのなら、実在しないに決まっている。

ドラゴンについても同じことが言えるじゃない。

は?馬鹿なことを言うな。ドラゴンは実在する。目撃者がいる。

世界中の60億人のマグルはそう思っていない。

マグルが? マグルが何で関係あるんだ?

簡単だよ。ドラゴンは実在するかってマグルにきけば、しないと言われる。なぜそうだと分かるかときけば、目撃者がいないし、目撃者がいるなら他の人に話して証拠をみせていて皆がドラゴンのことを知っているはずだからだと言われる。目撃したという人もいないし証拠をみせた人もいないから、ドラゴンは実在しないに決まっている。マグルの言い分はこうだと思うよ。「世界には何十億人も人がいるんだからドラゴンみたいに目立つものをいままで見逃しているはずはないだろう」

うん、でも……

でもあなたと私はドラゴンが実在すると知っているよね。世界中に何種類もドラゴンがいる。マグルが出会う可能性がある場所に住んでいる野生のドラゴンさえも。それでも、マグルのまえでドラゴンについてのあれこれを話したとしたら、信じてもらえないと思う。それが本当のことでも。

うん、魔法使いが魔法でドラゴンを隠しているからだね。はい論破。

そのとおり。ドラゴンの実在と、その他のさまざまな魔法生物と魔法使いの存在を60億人のマグルから何千年も隠せるなら、魔法使いから隠された動物が何種類か残っていたとしてもおかしくないんじゃないの?

うん、まあ……

おかしくないと思う?

まあ……そうも言える。

ナーグルが実在するかもしれないと認める?

いいだろう。明らかにとは言えないが、存在するかもしれない。

ありがとう。

それでも実在しないと思うけど。

60億人のマグルもドラゴンを信じてないよね。

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