MFI導入がグーグルの本番環境ですでに始まっているだと!?【SEO記事12本まとめ】
まだまだテスト段階だと言われていたグーグルのMFI(モバイルファーストインデックス)だが、一部のサイトですでに本番運用されているということをグーグルが明かした。
ほかにも「公開直後は2位、でも3日後には30位に落ちた理由」「MFIに向けた2つの疑問」「低品質コンテンツ対処ベストプラクティス」「HTTPS移行のパーフェクトガイド」などなど、SEOに役立つ情報をまとめてお届けする。
今週のピックアップ
MFI導入がグーグルの本番環境ですでに始まっているだと!?
全体の数%のサイトで (Search Engine Roundtable) 海外情報
米ニューヨークで先月開催されたSMX Eestカンファレンスで、グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏が上記のように発言したとのことだ。
モバイルファーストインデックス(以下、MFI)は、依然としてテスト段階にある仕組みだ。全面的に切り替わったわけではない。しかし、ごく一部のサイトでは、すでに本番のグーグル検索で利用するインデックスがモバイル向けページのものに置き換わっているということだ。
つまり、「テスト」から「本番運用」に少しずつ切り替わっているということだ。
当然、この段階で対象になっているのは、MFIの準備が完全にできているサイトだけだろう。しかし、数パーセントとはいえ、MFIが本番の検索に導入されはじめているという事実が明らかになったのは、今回が初めてだ。
だが焦る必要はない。MFIは準備ができているサイトから導入が始まることをグーグルは約束している。対応ができていないサイトにMFIを無理やり適用させることは、当面はしない(はずだ)。
「MFIに完全に切り替わるまでには数年かかるだろう」ともイリェーシュ氏はコメントしている。
MFIが自分のサイトに適用されているかどうかを知ることは難しいだろう。ランキングの変動がMFIによって発生しないように細心の注意を払ってグーグルは導入を進めている。順位変動が発生したことはMFI導入の兆候にはならない。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報
公開直後は2位、でも3日後には30位に落ちたのはなぜ!?
時間をかけて本当の価値をグーグルは評価する (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報
公開した直後は、まずまずの検索順位を獲得していたにもかかわらず、ほどなくして順位が下がることがある。
この現象が起こる理由として、グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように説明した。
ランキングは時間とともに調整される。
特に新しいページの場合、そのページをどう評価するかの手がかりは、公開時点では多くはない。したがって、(その時点で把握できる情報をもとに)ある程度の順位から始めて、時間をかけて「うん、実際にはこの順位が適切だな」と判断する動きをしているんだ。
ということで、時間がたつと新規ページの順位が下がるということがあるんだ。
つまり、最初の高順位が暫定のものであり、落ちた順位が本当の実力だったというわけだ。決して、「時間が経ったから順位が下がった」わけではない。
実社会で言えば、初めて会った人を第一印象で大まかに判断し、その後の付き合いを経て性格や人柄をはっきりと知るようなものだろうか。
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MFIに向けた2つの疑問: 被リンクの分散とPC向けページしかない場合にグーグルが回答
これまでにも何回も出ている疑問 (John Mueller on Twitter) 海外情報
モバイル ファースト インデックス(MFI)に関する情報を2つ紹介する。グーグルのジョン・ミューラー氏が、フォロワーからの質問にツイッターで回答したものだ。
被リンク:
モバイル向けページの被リンクは、PC向けページと比べると少ない。そもそもモバイル向けとPC向けそれぞれのページに被リンクが分散している。MFI後に問題にならないか?
回答グーグルは、モバイル向けページとPC向けページを、1つのまとまりとして扱う。モバイル向けページとPC向けページのどちらにリンクが張られているかは問題にならない。
PC向けページのみ:
モバイル向けサイトは、そもそもPC向けサイトよりもコンテンツ(ページ)数が少ない。PC向けページしかないコンテンツは、MFIでどうなるのか?
回答対応するモバイル向けページがないのならば、モバイルファーストインデックスでも、そのPC向けページをきちんとインデックスする。
とは言うものの、コンテンツが不足しているのならば、そのモバイルサイトが本当にベストなものだとは言えない印象がある。
別々のURL構成の場合は、PC向けページとモバイル向けページに被リンクが分散する可能性がある。しかしリンクの張り替えは不要だ。リンクの評価は統合される(ミューラー氏は「クラスタ」という表現を使っている)。
サイトの一部分だけがモバイル対応しているのは決して好ましい状態ではない(まったくの未対応はもっとよくない)。しかしPC向けページだけしか提供していないとしても、インデックスから削除されたりはしない。唯一のコンテンツであるPC向けページをグーグルはインデックスする。だがモバイルフレンドリーではないので、評価が下がる可能性がある。
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低品質コンテンツ対応、最善策はやっぱり改善(無理なら削除もアリ)
改善できればみんながハッピー (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報
サイト内に存在する低品質コンテンツの適切な処理について、前回のピックアップ記事で説明した。
しかし実際のところ、その最適な手法は、
- 改善すべき
- 削除すべき
のどちらなのかで、グーグル社員の意見とSEOエキスパートの意見は割れていた。
この問題について、ジョン・ミューラー氏が英語版のオフィスアワーでフォローアップした。簡潔に言うと、次のようなことだ。
- 最適な対処策は、改善
- 改善が不可能であれば、削除も選択肢の1つ
なんと、筆者が前回の記事でまとめたとおりだ!
「訪問者に対して何かを提供したい」という意図で作ったコンテンツであっても、客観的に見て十分な品質を保てていないのであれば、それは改善すべきだ。
その改善によって、本当にユーザーの役に立つコンテンツに生まれ変わらせられれば、ユーザーは喜ぶし、検索エンジンの評価も結果的に上がるに違いない。改善した甲斐があるというものだ。みんながハッピーになれる。
一方で、訪問者の役に立とうという意図が無いコンテンツの場合はどうだろう。たとえば、
- RSSで取得しただけの自動生成コンテンツ
- ページを水増しするためだけに作った中身の薄っぺらい用語集
などが何百ページ、何千ページ、何万ページもあったとしたら……それはもう、捨ててしまうほうがいいだろう。
なぜなら、独自の価値を付けることが難しそうだし、量が多すぎるからだ。そもそもユーザーに焦点を当てて作ったコンテンツではないので、「改善」するとしたら、根本的に作り変える必要がある。もうそれは改善ではなく新規作成だ。
悩ましいのは、ユーザーが自由にコンテンツを作るUGCサイトだ。ガイドラインに違反しているならユーザーの断りなしに削除できるとしても、管理者の一方的な判断から品質が低いと判断し、勝手に削除したら問題になりそうだ。
管理者権限でnoindexタグを設置することもできるだろうが、手動ではこれも大変そうだ。ユーザーが作成した品質が低そうなコンテンツを、大手のUGCサイトの管理者たちはどのように処理しているのか知りたいものだ。
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会員制サイトのSEOに変化。グーグルがFCFを廃止して新たにフレキシブル サンプリングを導入
構造化データの設定が必要 (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ) 国内情報
会員制や有料購読制の(一般公開されていない)コンテンツをグーグルの検索結果に表示するための仕組みとして、これまでグーグルは「First Click Free(FCF、ファースト クリック フリー)」を提供していた。
しかしグーグルは、このFCFを廃止し、別の仕組みに置き換えた。新たな仕組みは「Flexible Sampling(フレキシブル サンプリング)」という。
FCFは「1日○記事までは検索から来たユーザーは見られるようにする」仕組みだったが、フレキシブル サンプリングは、「ここまではフリー、ここからは限定」をより柔軟に設定できるのが特徴。
その手法として、次の2つのやり方をグーグルでは提案している。
- メータリング: ユーザーに一定数の記事を無料で提供し、その後にペイウォール(有料会員ではないとこれ以上見られないという制限)を提示する
- リードイン: 記事を完全には公開せず、一部だけを無料で見せる
どちらも構造化データのマークアップが必要だ。会員制や有料購読制を採用して記事を提供しているなら、公式アナウンスとヘルプ記事、技術ドキュメントを読んでほしい(いずれも日本語情報だ)。
- 会員制・有料購読制を採用してい人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- 技術がわかる人に伝えましょう
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