外食チェーンはあの手この手で“胃袋”を奪い合っている。せっかく店でおなかを満たすなら、料理と共にそのビジネスモデルまで味わい尽くしたくはないか。『週刊ダイヤモンド』11月11日号の第1特集「味から儲けの仕組みまで 外食チェーン全格付け」の拡大版として、本誌と別テーマあるいは未掲載箇所をたっぷり盛り込んだ経営者たちのインタビューをお届けする。第3回は390円ラーメンで有名な日高屋を展開するハイデイ日高の神田正会長に聞く。(『週刊ダイヤモンド』編集部 大矢博之)

――業績が好調です。

かんだ・ただし/1941年生まれ。73年、さいたま市大宮区にラーメン店開店。78年に日高商事(現ハイデイ日高)を設立。09年から現職 Photo by Hiroyuki Oya

 われわれの特徴はラーメン業界の中でも売上高に占めるアルコール飲料の比率が高いこと。同業者はだいたい3~4%ですが、わが社では夏場になると17%まで高まります。食事をしてちょっと酒を飲んで帰るという、“ちょい飲み”ニーズをうまくとらえることができました。

――駅前を中心に出店しています。

 私が初めて出店した約40年前の話ですが、当時のJR大宮駅前にはラーメンやおでんの屋台がたくさんあり、終電になるまで大勢の客でにぎわっていました。その光景を見たときに、今後時代の流れで屋台はなくなっていくだろうと考えたのです。

 客がいるので、ニーズはあります。それなのに、屋台がなくなってしまえば、利用していた人々は困ってしまいますよね。だから、屋台の代用になる店にしようと考えて出店を始めました。最初の目標は、大宮駅から池袋駅までの埼京線のすべての駅前に店を出すことでした。