低品質コンテンツは削除すべき? 改善すべき? ゲイリーの正論vsランドの現実【SEO記事11本まとめ】
「コンテンツマーケだ!」とゴミのようなコンテンツを大量に作ってしまっていたサイトが改心する場合、低品質なページは削除やnoindexするのがいいのか、それとも中身をリライトすべきなのか。ゲイリーとランドの意見を紹介する。
ほかにも、グーグルの信頼性評価アルゴリズムのその後、世の中のHTTPS化状況、画像を検索結果に出さないようにする方法、ECサイトでAMP、などなど、SEOに役立つ情報をまとめてお届けする。
今週のピックアップ
低品質コンテンツは削除すべき? 改善すべき? ゲイリーの正論vsランドの現実
改善の余地がなければ削除も選択肢 (The SEM Post) 海外情報
品質が低いページがサイトにある場合、それらのページを削除したりnoindex metaタグを設置したりすれば、残りの品質が高いページの検索順位を上げることに役立つか?
米ダラスで開催されたState of Search 2017カンファレンスのQ&Aセッションで、グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏はこんな質問を尋ねられた。
イリェーシュ氏は次のように返答した。
そういったことをやってもプラスの影響があるとは保証できない。
基本的には、質が非常に低いページがたくさんあってそのページが検索結果に出なくてもいいと考えるならそういうやり方もあるだろう。だが検索結果に上位表示させたいのにnoindexを付けたら、noindexにすることで検索トラフィックを減らすことになる。
ページをnoindexにするという考えが僕は好きじゃない。むしろ検索結果に表示されるようにページを改善してほしいと思う。
(低品質ページが)検索結果に表示されず、インデックスもされていないなら、通常はサイトの評価には影響しない。
低品質だと思われるページが見つかった場合、そのページからの検索トラフィックを期待するのであれば、「削除」や「noindex」ではなく、「品質改善」が最も望まれる対処法となる。イリェーシュ氏はこれを推奨している。
とは言うものの、これはあくまでもイリェーシュ氏の立場からの「本筋としての正論」だと考えるのがいいのかもしれない。
実際のところで言うと、箸にも棒にもかからない、改善の余地がまったくない「ゴミ」ページが大量に存在しているのならば、削除してしまうのも1つの選択肢だと言えるだろう。
Mozの創設者であるランド・フィッシュキン氏は、イリェーシュ氏の発言を報じる記事に反論し、次のように言っている。
粗末なページを削除してランキングを上昇させた事例ならいくらでもある。公のもので十数件、表に出せないものなら数百件はある。
筆者も同じだ。低品質ページをごっそり削除した結果、残っているページの検索順位が改善した事例を2~3件知っている。
とは言うものの、低品質コンテンツの第一の対処法は間違いなく“改善”だ。まずは改善に取り組もう。
そのうえで、改善する価値がないほどに質が低すぎる場合は削除を検討するという順番で考えるのがいいのではないだろうか。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報
9月のグーグル大変動その後 ―― 順位が上がったサイトは上げ続け、下がったサイトは下げ続ける
どんな情報を提供するにしても、信頼性が重要 (辻正浩 on ツイッター) 国内情報
9月の上旬と下旬に発生したグーグル検索の大きな順位変動に関する辻正浩氏の分析を、前回紹介した。
その後の状況を、辻氏がツイッターで共有してくれている。
今回のアルゴリズム更新によると思われる順位変動は継続しているようだ。信頼性をより的確にグーグルが判断できるようになってきたというのが辻氏の見解だ。精度が徐々に高まってきているようにも思える。
最後に、辻氏に引用してもらった次のフレーズをもう一度繰り返しておく。肝に銘じてほしい。
どんな情報を提供するにしても、信頼性が重要
もっとも検索に限ったことではなく人生全般において当てはまることだろうが。
- すべてのWeb担当者 必見!
検索結果1ページ目のHTTPS率が3分の2を突破! 予想よりも早く到達?
HTTPS普及の知らせが日本でも続々と (Dr. Pete Meyers on Twitter) 海外情報
MozCast(モズキャスト)が取得したデータによれば、検索結果1ページ目に表示されるなかでHTTPSページが占める割合が3分の2(66.7%)を超えたそうだ。MozCastはMozが提供するツールで、1000種類のキーワードで検索結果を常時監視している。
このコーナーで取り上げた、MozCastが取得したHTTPS率の推移は次のようになっている。
Mozcastを管理しているメイヤー博士は、上昇トレンドから判断して「2017年の終わりまでには3分の2を超えるだろう」と4月の時点で予測していた。2017年を3か月ほど残しての到達だ。2017年中であることは見事に当てているが、予想よりも早かったというのが本音ではないだろうか。
最近の日本でのHTTPS普及のニュースもあわせてお伝えしておこう。
「さくらのレンタルサーバ」が、無料でHTTPSに対応できる機能を提供した。証明書にはLet's Encryptを採用している。利用ユーザーも多いのでHTTPS普及の追い風になりそうだ。
結婚式場の大手ポータルサイト、みんなのウェディングがHTTPS化を完了し、移行のプロセスを紹介している。大規模サイトのウェブ担当者は参考にしてほしい。
そして、Web担当者Forumも遂に完全HTTPSになった。これでようやく、HTTPS関連のニュースを気兼ねなくピックアップできるようになった。
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HTTPS移行してもHTTPに向けた外部リンクはそのままで問題なし
おかしな勘違いがあるようだ (John Mueller on Twitter) 海外情報
グーグルのジョン・ミューラー氏が、HTTPS移行に際しての注意点をツイッターで喚起した。
HTTPSのページからHTTPのページへリンクしても構わない(埋め込みの画像やJSなどは問題になるが)。HTTPSへの移行において、外部リンクはリンク先がHTTPページだったとしても削除してはいけない。
HTTPからHTTPSへ移行したときは、
- 画像
- 動画
- iframe
- CSS
- JavaScript
などのウェブページとは別に読み込むリソースもHTTPSで取得する必要がある。さもないと、「混在するコンテンツ」のエラーが発生する。
ミューラー氏が指摘しているのは、これとは違うこと。ページがHTTPSであったとしても、(aタグで設定する)リンク先にHTTPのURLを指定するにすることに何の問題もないという意味だ。たとえば、今あなたが閲覧しているWeb担のこのページはHTTPSで配信している。このページからHTTPのページへリンクを張ってもまったく問題ない。
どうやら、「HTTPSページでは、外部サイトへの発リンクもHTTPSでなければならない」と勘違いしている人がいるようだ。そんなことはない。
- HTTPS移行で勘違いしていた人用(ふつうの人は気にしなくていい)
title属性とalt属性の使い分け、SVG画像の認識、HTTPS移行/ドメイン名変更の順番など、10月のオフィスアワー
気になる質問だけでも最低限チェック (ウェブマスター オフィスアワー) 国内情報
10月(1回目)のオフィスアワーが開催された。
金谷氏と長山氏、あんな氏のいつもの3人が今回答えたのは次のような質問だ。
- 文中の読み仮名やスペースがグーグルの理解に与える影響
- 地域別の検索結果が適切に表示されない
- 画像のtitle属性とalt属性の使い分け
- タイのグーグルでAMPがうまく表示されない
- 人気のスポットからのトラフィックの検索クエリ
- トップページが検索結果に表示されない
- A/Bテストを同一URLで実施したい
- ソフト404の対応
- 動的な配信のAMP
- SVG画像の認識
- HTTPとHTTPSの両方でアクセスできる場合
- 手動の対策が解除されない
- HTTPS移行とドメイン名移転の両方を実施する場合の順番
- Search Console APIの取得数の上限アップ
- AMPページがインデックスされない
リアルタイムで見ていなくても、YouTubeにアップロードされた録画で視聴できる。気になる質問だけでも最低限チェックしよう。
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