弐代目・青い日記帳 

  
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映画『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス』公開
ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch 1450年頃 - 1516年)をご存知ですか。アートファン以外には残念ながらほとんど名前が知られていない画家です。

ネーデルラント(フランドル)を活動の拠点とし、ヨーロッパ各地の王侯貴族から依頼を受け作品を描きました。その作風は他の誰とも違うボスだけの世界観を有しています。


快楽の園」プラド美術館蔵

多くの人間とともに、見たこともないような奇怪な生き物たちが、自然に描き込まれています。映画『スター・ウォーズ』もボスに影響を受けたのではないかと思ってしまうほど斬新です。

実際に、ボスは後世の画家たちに多大な影響を与えました。最もそれが顕著なのが同じフランドルの画家ブリューゲルでしょう。同じような異世界の生き物たちを巧みに描いています。

他にもルーベンスやあのダリやマグリットもヒエロニムス・ボスを敬愛し自分の作品に取り入れています。



しかし、ボスの作品は世界中に僅か25点しか現存していません。エロチックでグロテスクな“天国と地獄”が所狭しと描かれた奇想天外な世界を描いた「快楽の園」をボスは誰のために、何のために描いたのでしょう? 

没後500年を迎えた今も、謎に満ちる画家がヒエロニムス・ボスなのです。



代表作にして最大の問題作「快楽の園」についてプラド美術館全面協力のもと、徹底的な研究がなされました。謎多き画家の素顔に迫る傑作ドキュメンタリーが映画『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス』なのです。
カメラは“悪魔のクリエイター”とも呼ばれたボスの創作の謎と素顔に迫る。赤外線分析で判明した下絵、緻密な筆遣いと顔料の秘密、現代に受け継がれなかった古楽器、そしてキリスト教との深い関係。多方面の専門家の解説から『快楽の園』に込められた思想と、ボスの情熱が垣間見える。古今東西のクリエイターや美術愛好家を魅了する美術界最大の問題作を、大画面の迫力で体感する極上の90分間です。
昨年(2016年)に北ブラバント博物館(デン・ボス)で開催された「ヒエロニムス・ボス500年記念の大回顧展」には流石に観に行くこと叶いませんでした。

でも、映画『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス』が12月から日本でも公開されることになりました。この映画でじっくりとボスの秘密を探ってから、ヨーロッパのボス巡礼ツアーに出かけましょう。



映画『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス』は、12月 シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショーです!


映画『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス』

監督:ホセ・ルイス・ロペス=リナレス
製作:ロペス=リ・フィルムズ、プラド美術館
出演:ラインダー・ファルケンブルグ、オルハン・パムク、サルマン・ラシュディ、セース・ノーテボーム、ルネ・フレミング
2016年/スペイン・フランス映画/英語・スペイン語・フランス語・中国語/16:9/5.1ch/90分
原題:El Bosco. El jardín de los sueños/英題:Bosch,The Garden of Dreams
© Museo Nacional del Prado © López-Li Films / 提供:ニューセレクト 配給:アルバトロス・フィルム


謎解き ヒエロニムス・ボス (とんぼの本)


『快楽の園』を読む ヒエロニムス・ボスの図像学 (講談社学術文庫)

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