多忙なビジネスパーソンが抱えているToDoはすごい数になる。管理する方法によって大きく効率が異なるし、ミスの発生率も変わってくる。ToDoの管理アプリ・サービスは多々あるが、今回は人気急上昇中の「Trello」を使った活用法をご紹介する。全世界で2000万人以上が使っているサービスで、通常プランであれば無料で利用できる。
ToDoをカード登録して
ドラッグ&ドロップでステータスを管理
「Trello」はToDoリストをカードで管理するタイプのウェブサービスだ。2011年、Fog Creek Softwareで開発され、2014年に分社化した。そして、今年1月にはオースラリアのソフトウェア会社Atlassianが4億2500万ドルで買収している。基本は無料で利用でき、「Business Class」(月額9.99ドル)や「Enterprise」(20.83ドル以下)といったプランが用意されている。無料プランでは、連携機能が少なかったり、添付ファイルが最大10MBまでという制限があるが、普通の使い方であれば問題ない。特に個人で使うのであれば、無料プランでも十分だ。まずはメールアドレスとパスワードを入力してアカウントを作成しよう。
Trello(iOS版)
Trello(Android版)
作者:Trello, Inc.
価格:無料(アプリ内課金あり)
※アイコンの横の文字をクリックで、ダウンロードサイトにアクセスします。
「Trello」を開くと、最初に「ボード」を作成する。その中に「リスト」を用意し、その中に「カード」を作成して管理するのだ。ToDoは「カード」、作業中/完了といったステータスは「リスト」、ビジネス/プライベートやプロジェクトは「ボード」のように使い分ける。
ボードやカードはいくらでも追加できる。まずは思いついた項目をすべて書き出していこう。プロジェクトが進んで、ToDoのステータスが変わったら、そのカードをドラッグ&ドロップすればいい。どんどん右側に動かしていき、「完了」まで移動すれば終了だ
リストは自由に作成できる。初期設定では「ToDo/作業中/完了」の3つが入っていたが、着手したら動かすリストを追加したり、チェックするフローを入れることもできる。
なお、作成したボードを削除するのはわかりにくいうえに、手間がかかる。まずはボードメニューを表示して「もっと見る」をクリック。「ボードをアーカイブ」をクリックして「アーカイブをクリック」。するとボードがアーカイブされ、メニューが表示されるので「ボードを完全に削除」をクリックし、確認画面で「削除」をクリックすればいい。
カードに登録したToDoを細かく管理する
カードとして登録するToDoは、最低タスク名だけ付けておけばいい。前述のようにそれだけでもToDo管理が可能だ。しかし、そんなシンプルなToDoだけとは限らない。例えば、「クラウドファンディングに出品する」というToDoであれば、締め切りはあるし、付随する細かい作業も多数発生する。
カードをクリックすると、タスクの詳細画面が開く。「追加」→「期限」をクリックするとそのタスクの締め切りを追加できる。「ラベル」をクリックすると、タスクに色を付けられる。例えば、ネット系は青色、物件系はオレンジ、人材は赤色というように分類するとわかりやすくなるだろう。他には、タスクの詳細説明を入力することもできる。
カードが増えると全タスクをすべて表示しても把握しきれなくなる。そんな時はボードメニューの「カードの絞り込み」で、抽出できる。期限の近いカードや、オレンジのラベルを付けたカードのみを絞り込んで表示できるのだ。これにより、いつどのくらいのタスクを処理しなければならないかが視覚的に確認できる。
カードの中に「チェックリスト」を追加し、子タスクを登録することもできる。こちらは登録して消すだけのシンプルなものだが、進捗情報を確認できるので着実に作業を進められる。大きなタスクよりも子タスクの方が忘れがちなので、やはり思いつくタスクはすべて書き出しておくとミスを防止できる。
各種クラウドサービスのファイルを
そのまま添付できる
画面キャプチャーやオフィス文書などをタスクに添付することができる。マニュアルや関連資料などをアップロードしておけば、必要な時に探し回る必要がなく、手間が省ける。
「Trello」の無料アカウントでは、最大10MBまでしか添付ファイルをアップロードできない。それ以上大きなファイルは、Google DriveやDropbox、OneDriveといったクラウドサービスから、直接添付すればいい。
ファイルの追加は「追加」→「添付ファイル」をクリックし、添付元を指定する。ネット上のファイルであればURLを入力し、PC内であれば「ローカルコンピュータ」をクリックしてファイルを選択する。他のクラウドサービスから、ファイルを指定することもできる。画像などであればTrelloのサーバーにダウンロードされるし、オフィス文書や音声ファイルなどは元のクラウドサービスへのリンクが添付される。
「Power-Up」で機能を拡張する
「Trello」には、「Power-Up」という他のサービスと連携できる機能が用意されている。有料プラン向けのサービスだが、無料プランでも1ボードにひとつだけ「Power-Up」を利用できる。
初期設定では「カレンダー」が有効になっている。「ボードメニューを表示」の隣にある「カレンダー」をクリックすると、締め切りが追加されているカードが表示される。カレンダーをオフにすれば、「Power-Up」から任意の機能を追加できるようになる。クラウドサービスからファイルだけでなく、フォルダーごと添付したり、定期的にタスクを自動生成する拡張機能を利用できるのである。
有料版にアップグレードすれば、「Power-Up」を無制限に利用できる。「Trello」を使い倒すならぜひ利用したいところだ。
アイディア次第でさまざまな計画を遂行するのに活用できる
「Trello」は直感的に利用できるので、多数のタスクを管理するにはとても便利。ボードを切り替えれば、複数のプロジェクトを同時に進めることもできる。ITシステムの開発はもちろん、ライターのような執筆業であれ、オウンドメディアの編集管理であれ、結婚式の段取りでも問題なし。リストを工夫すれば、小説のプロットを作ったり、人生プランのチェックにも利用できる。Trelloのウェブサイト(https://trello.com/inspiringboards)にはたくさんのテンプレートや参考になるボードが公開されているので、チェックしてみよう。
たとえば、海外旅行を予定している人のボードでは、ペットを預けたりホテルの予約といったタスクを管理している。スーツケースというカードでは、チェックリストで持って行くものを箇条書きにしており、忘れ物が防げそう。「飲食」というリストを作成し、行きたいレストランとその料理の写真を登録していた。
今回は個人で「Trello」を活用する方法を紹介したが、元々は複数ユーザーで連携してプロジェクトを遂行するためのサービスだ。ボードを共有し、タスクの担当者を指定して、みんなでカードを右側に動かしていける。恋人との旅行計画の立案や、家庭内での情報共有に活用することも可能。もちろん、ビジネスチームで活用するときに本領を発揮してくれることだろう。
「Business Class」プランでは、退社したメンバーのアクセスを簡単に停止したり、新規メンバーの招待を管理したりできる。ビジネスで利用するなら、ぜひアップグレードしたいところだ。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。