年収と読書量は比例する!
年収を上げたい。もっと稼ぎたい。 程度の差はありますが、世の中の多くの人がそう考えています。
そりゃあ収入は多いに越したことはありません。
「今よりも良い家に住んで快適に暮らしたい!」
「年に3〜4回は海外旅行!」
「良い車に乗って女性にモテモテ!」
そんな事を考えて、日々仕事の成果を上げるべく頑張っていることと思います。
でも年収を上げる最も簡単な方法が「読書」だと聞いたらどう思うでしょうか?
年収が高い人ほど読書をしているというのは、実はかなり一般的な事実です。はっきりとしたデータも数多く出ている。
この記事では「読書をすると年収が上がるのは何故か?」をとことん考えます。そして、その考察をベースに誰もが正しい読書法で収入を高める道筋を示してみます。
データで見る読書と年収の関係
高年収の人ほど本に金を使う
2009年の日経新聞での調査では、 「年収800万円以上の人は本代(月額購入費)は2,910円、400-800万円:2,557円、400万未満:1,914円であり、読書量は年収に正比例する。」 というデータが示されています。 ( 参考 : http://business-study.com/feature01/ )
これは非常に分かりやすいデータですよね。 年収800万円の人は、年収400万円未満の人に比べると1.5倍のお金を本に費やしている。
もちろん、そんなに単純に受け止めて良いものでもありません。年収が多ければ、それだけ可処分所得が多いので、本を買うお金も多いわけですから、ある意味では当たり結果ともいえます。
ですがここで注意してほしいのは、年収の高い人は低い人よりも確実に本を読んでいるという事実です。
使えるお金は沢山有るんだから、ギャンブルに使ったって良いし車を毎年買い替えたって良い。まあ実際そういう人も結構いるとおもうけど。
でも蓋を開けてみると、年収が上がるほど本に費やすお金が上がっていく。高収入の人はそれだけ本を読んでいるということですよね。 贅沢品にお金を使う一方で、本を買って読書をする人がかなり多い。
このデータからはそういうことが読みとれます。
富裕層と一般層の、明らかな生活習慣の違い
参考 : wikipedia
さらに同サイトにはこういった研究結果も紹介されています。
ビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏のような大富豪を含む富裕層は、 ・88%が1日30分以上ビジネス書などを読む(「年収300万以下層」は2%) ・86%が読書家である(「年収300万以下層」は26%) ・63%が移動時間にオーディオブックを聴いている(「年収300万以下層」は5%)
どうでしょう。先程よりさらにハッキリとした結果が示されています。
ゲイツやバフェットは世界で指折りの金持ちな訳で、そんな奴らを引き合いに出されても困ってしまうかもしれません。
ただ、これだけ極端な例を目にすると衝撃を受けます。富裕層と年収300万以下では読書量に約3倍の差があるということですからね。
そしてこのようなデータを見てみると、こんな風に思えてきます。
お金持ちの人は本から知識を得て、それを金に変えているのだろうか?そうでは無くて、読書という習慣自体にビジネスで成功するための深いつながりが隠されているのでは無いか?
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何かを知りたい。何かをやってみたいという純粋な動機
「面白い事に出会いたい」という欲望を大切にする
僕は月に10冊前後の本を読みます。
大した量では無いですが、日本人の平均から言うと結構多いですね。 なぜ本を読むかと言うと、それは端的に「面白いことに出会いたいから」。
つまり好奇心です。
読書というのは、「何かを知りたい」という好奇心から始まります。そして読書で得た知識がさらにその好奇心を加速・発展させていきます。
やる気や好奇心が社会的ステータスにつながる
僕の経験上、成功しているビジネスマンや、人を惹き付ける魅力のある人物には、このような純粋な好奇心から発せられるエネルギーが感じられます。
彼らはお金が欲しいのでは無く、「これをやってみたい!」という強い衝動が最初にあるんです。それがビジネスの成功に結びついているように見えます。
意欲と好奇心が成功をもたらす
勝間和代という女
好奇心をビジネスの成功に結びつけている人は多くいます。
もっとも分かりやすい例として、勝間和代さんを挙げてみましょう。
ご存知勝間さんです。 公認会計士試験に当時最年少で合格し、その後日米の名だたる起業で会計士や経営コンサルタントとして活躍。3児の母親という顔も持つ彼女は現在、著述家・TV司会者としてもよく知られる存在です。
勝間さんはもちろん大変に能力のある方です。 ただ僕の考えでは、彼女の成功の要因は強烈な好奇心と、それを爆発させる集中力にあるのだと思います。
「麻雀のことしか考えていなかった」
経済評論家の勝間和代さん、麻雀プロになる わずか1年で圧倒的成長
2015年、彼女は突如プロ雀士になります。
経済評論家が麻雀のプロになるだなんて聞いたことがありません。
彼女は最初、麻雀についてはほぼ素人でした。しかしテレビで麻雀大会のゲスト解説をやったことをきっかけに麻雀に開眼。その論理性や技術の奥深さに面白さを見出して行きます。
開口一番「これから雀荘行きません?」
当時の勝間さんはとにかく麻雀のことしか頭に無かったそうです。 批評家の東浩紀氏が勝間さんとばったり会った際、開口一番「これから雀荘行きません?!」と言われたとか。東氏いわく「麻雀の事しか考えない人になっていた」そうです。
面白いと思ったことをとことん突き詰める。お金はあとからついてくる
勝間さんはおそらく、自分が面白いと思ったことは即座に飛びついて、とことんそれに打ち込む事が出来る人物です。この麻雀のエピソードを聞いてもそれがよくわかりますね。
彼女は優秀なコンサルタントになって法外な年収を得るようになりました。しかしその出発点には、たまたま学生時代に簿記や会計が面白いと思ってそれをひたすら勉強した、という事があります。
自分の直感や好奇心を大切にして、出来る限りそれに打ち込む。他のことは何も考えないくらいの勢いで。 どんな分野であれ、成功している人にはこういった傾向が見られます。
好奇心 / やりたい事があるなら、読書量は自然と増えていく
ここまでの流れで分かるのは、「読書をすると年収が上がる」とい話では無い、という事です。 成功する人には熱意や好奇心が常にたぎっている。それを満たすために本を読むから、自然と沢山の本を読むというわけです。
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実践 : 収入を増やすための読書法
気になる分野の本を読みまくれ!
とにかく、自分が関心のある分野の本を片っ端から読みまくるのが良いです。
なんか適当に言っているみたいですが、これしかないです。
例えばあなたは仕事で結果を残すことや、収入を上げることに興味がありますよね。だったら有名なビジネス書や売れている自己啓発書など、目につくものを手にとって読んでみれば良いんです。
つまらなかったら途中でやめて良い
僕の実感では、本というのは10冊読んだら8冊くらいはハズレで、1冊か2冊くらいすごく良いのに当たります。そして50冊に1冊くらいは大当たりがあって、その後の自分の行動に大きな影響を与えることがあります。
つまり、「ほとんどの本はハズレ」ということです。つまらないと思ったら無理して通読せず、読むのを放棄してしまって構いません。
慣れてくると、タイトルや著者や出版社、表紙の雰囲気を見ただけで良い本とつまらない本が判別できるようになってきますよ。
面白い本に当たれば、「もっと本を読みたい!」という気持ちが生まれます。それを繰り返して読書を習慣化させるようにしましょう。
速読力・論理的思考力が身につく
世間には色々な速読メソッドがありますが、基本的には本を読み慣れれば自然と早く読めるようになります。ちょっとだけ意識して早く読むようにしていれば、読むスピードはどんどん鍛えられていきますよ。
というのも、文章を作るための論理構成や展開の方法というのは、ある程度のパターンがあります。それに慣れることで、次の展開が先取り出来るようになってきます。
さらにこのような論理性の体得によって、思考力も上がっていきます。 本を読むという言うのは単にスタティックな知識を得るだけでは無く、その知識を有効に扱うための技術・論理的思考力を磨く手段なんです。
積極的な読書を試みる
自分の関心がある程度満たされたら、それにとどまらずに分野を広げていきましょう。
ここで重要なのは、すこし難しそうな本に挑戦してみるという事です。これまで読まなかったようなタイプの本を、試しに読んでみましょう。
孫正義は中学時代に哲学書を読んでいた
あまり知られていませんが、ソフトバンク社長の孫正義氏も相当な読書家です。
IT系なので理系ばかりかと思いきや、中学時代にはショーペンハウアーやニーチェの本を熱心に読みふけっていたらしい。
哲学書を手に取るというのは、よっぽどの積極性が無ければ出来ません。いざ読み始めても難しすぎて分からないことが多い。 でもこのような古典は時代を超えて多くの人に支持されてきたからこそ古典として残っているのです。
今この瞬間役に立つことはほとんど書かれていませんが、歴史の重みや世界の深淵に触れるような気持ちになります。
孫正義氏は、ある直感を頼りに若いときから難しい本を読み込んできたのだと思います。そこで得たインスピレーションや広い視野というものが、日本のITを支えるソフトバンクを作り上げたのだと思うと、読書も捨てたものではありません。
挫折したってOK。たまに少し背伸びして難しい本に挑戦してみましょう。
読書によって心を開放し、鋭敏な感覚を手に入れる
ビジネスセンスは今から磨ける
読書が習慣化されてくると、その場その場での関心に従って本を読むようになります。 気になることは何でも調べるようになるし、自然と人付き合いも広がっていくものです。
何より、自分の好奇心に蓋をしないことによって、感覚が研ぎ澄まされていきます。「AとBは全然違うように見えるけど、実は深く結びついているんじゃないか?」みたいな事が見えてくるわけです。
そのようなセンスがビジネスにおいて重要であることは言うまでもありません。
読書によって変身する
言い換えてみると、いまのあなたには世の中の様々なチャンスが目に見えていない状態なわけです。
チャンスを可視化するには、今の自分から別の自分に変身する必要がある。 良い読書体験はまさに変身をもたらします。
良い本の著者は大抵、あなたより頭が良いです。読書の間のある一定時間、自分より頭の良い人の世界に入り込み、新しいものの見方を体験するわけです。 これを繰り返すことによって、幅広い視野と鋭敏な感覚を手にすることができます。
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年収アップ読書におすすめの本5冊
イーロン・マスク 未来を創る男(著 : アシュリー・バンス)
「次のスティーブ・ジョブズ」の筆頭である異次元の起業家、イーロン・マスクの半生を綴ったバイオグラフィー。ニューヨーク・タイムズの記者が綿密な取材とインタビューを重ね、長い時間をかけて書き上げた情報量抜群の一冊です。
金持ちの伝記を読めば金持ちになれるとは全然思いません。ただこの本に関していえるのはとにかく面白いんです!どこまでが本当か怪しいところはもちろんあるけど、ひとつの物語として読み応えが凄まじく、心から感動できる場面がいくつもある。
テクノロジーと投資の関係性というものがよくわかり、ビジネス書としてももちろん素晴らしい。テスラやスペースXでイーロンのことが気になっているという人は必読の一冊ですよ。
芸術起業論(著 : 村上隆)
表紙が強烈!!
アートに関心は無いけども村上隆の事は聞いたことがある、という人は多いのではないでしょうか?そしてそういう人の多くは村上氏を少し怪しい人物だと思っているというパターンもまた多い。この「芸術起業論」はそんな人にこそ読んでほしい、純粋かつ強力なビジネス書です。
ときおりアートのニュースを聞くと「なんでこんな絵が数千万円もの高値で売れるの?」と思うことがありますよね。村上氏はその秘密として「業界のルールと歴史を知り、それに沿う物語を作品に込める」ことだとしています。
ビジネスとはモノやサービスを売るということですよね。アーティストが生き残るという事とビジネスマンが生き残るということはその意味では差がありません。アーティストの思考を学ぶことによって年収アップに活かせる事が沢山あります。この本はその真髄に触れることができる数少ない本ではないでしょうか。
ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか(著 : ピーター・ティール)
初期ペイパルを創業したメンバー達は現在「ペイパルマフィア」と呼ばれていて、テクノロジー業界で大きな影響力を持っています。その中心がピーター・ティール。先に紹介したイーロン・マスクもペイパルマフィアのひとりです。
こちらの本はティール氏のビジネス観がひたすら書かれているもので、読んでいてワクワクするような面白さはやや少ないですね。でも「これからのビジネスのあり方」のようなものを明確に示しており、頭が鍛えられる感触を得られます。
愛と幻想のファシズム(著 : 村上龍)
現在はテレビの経済番組で有名な村上龍。それだけに小説も多くのビジネスマンや政治家に読まれ続けています。
一番わかりやすく、かつ強烈なのがこの「愛と幻想のファシズム」。正直終盤にいくにつれて設定に無理が出て来る感じは否めないのだけれど、「弱いものは消え、強いものが残る。その現実をはっきりさせるべきだ」というテーマはすべての人の心に突き刺さるのではないでしょうか。
サピエンス全史 (著 : ユヴァル・ノア・ハラリ)
若干40歳。イスラエルの歴史学者が書いた圧倒的な歴史書。タイトルが「人間全史」ではなく「サピエンス全史」になっているところからしてポイントで、「人間とは?」というそもそもの問いが抽象的ではなく極めて実証的な観点から示されているところが凄い。
近年の「ビッグヒストリーブーム」の火付け役ともなったこの本は、とりあえず本棚に置いておくだけでも気分が上がる必須本です。
まとめ
- 読書と年収は比例し、好奇心と読書は比例する。つまり好奇心を開放することが年収アップのカギである
- まずは今自分の関心から読書を始める
- つまらなかったら途中で捨てても良い
- 時々当たりの本がある。それが値千金!
- 慣れてきたら難しそうな本にも挑戦する
- 知らない世界を旅する気持ちで本を読み、これまでとは違う自分を手に入れる
本を読めば金が増えるのではありません。自分のやりたい事に制限を設けないから金が入ってくるようになるのです。読書はその過程の1つの副産物。
あなたの好奇心を満たし、やる気に火を付ける本に一冊でも多く出会い、あわよくば大幅な年収アップを目指してみましょう。