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♪~
(みね子)どうしたらいいんだろ…。
(ドアが開く音)おう。
あれ? ヒデさん!どうしたんですか?
(秀俊)あぁ 包丁 研ぎたくなってさ。
あっ そうなんですね。
どうしたの?どっか 出かけてたの?
あ… はい。
あの…。
川本世津子さんのうぢの前まで行ってみたんですけどね…。
えっ?
あの… ちょっと相談に乗ってもらえますか?
うん いいよ。
あの! 実はですね!
うん。
ちょっと 座ってもらえますか?はい。
♪「Pon pon pon…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ah ah」
♪「夜の酒場で Lonely」
♪「あの娘 今頃どうしてる?」
♪「さなぎは今、 蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
あの… 川本世津子さんが今大変なこどになってんの知ってます? ヒデさん。
あっ うん元治先輩から教えてもらった。
えっ? 元治さん?
うん あの人 そういうの書いてある雑誌とか好きだから。
あぁ…。あ… で?
あっ はい。
何か 心配になって電話してみたんですよ。
でも 出なくて 電話。うん。
あっ そっか きっといっぱい 電話かがってくっから出ないんだなと思って…。
だがら ちょっと行ってみたんです。うん。
そしたら 人が いっぱいいで何か カメラ持ってる人とがも。
何だが みんな見張ってるみだいな感じで。
へぇ…。で あの人は 家には いるの?
はい いるみだいです。
私 仲間のふりして聞いてみたんですよ。
「いんのがなぁ 本当に川本世津子。ねぇ?」って。
そしたら横にいだ ちょび髭のカメラマンがこう 爪ようじ くわえだまま「あぁ いるいる。おいら 窓から確認したからさぁ」とが言って!
そうなんだ?そうなんですよ!
はぁ…。
えっ?いやいや… で?
あっ だがら私 なんとかして 世津子さん連れ出せないがなと思って。
だって あんなとごにいだらおがしくなっちゃいますよ!
なるほど。はい。
どうやって?え…。
だがら それを相談してんです。
あっ そうか… ごめん。
いえ。
どうしたらいいですかね?
う~ん…。
う~ん…。
みね子とヒデが考えている時間を利用して私 増田明美が川本世津子さんの生い立ちと今 騒がれているスキャンダルについてご説明しましょう。
川本世津子さんは 昭和6年埼玉県の大山田という村の農家の長女として生まれました。
ですが 5歳の時両親が病気で相次いで亡くなってしまい東京で牛乳店を営む叔父夫婦に引き取られました。
6歳になった世津子は苦しい家計を支えるため学校も ろくに行かず家の仕事を手伝います。
世津子の仕事の一つが映画の撮影所での牛乳販売でした。
監督やスタッフ俳優たちと仲よくなりみんなに かわいがられました。
そんなある日 監督が世津子に「映画に出てみない?」と声をかけます。
そして 初出演更に 初主演の映画が大ヒット。
そこからは あれよあれよとスター街道まっしぐら。
しかし 世津子が必死になって稼いだお金は全部 保護者である叔父夫婦のもとへ。
それが 夫婦を狂わせてしまったんですね。
叔父夫婦は ぜいたく三昧。
更には ギャンブルまで。
(ノック)
ついには借金まで つくってしまいその度に世津子に泣きついてきました。
・せっちゃん 開けてちょうだい。私よ。
・世津子 大丈夫か?
(ドアをたたく音)
あ~ せっちゃん!世津子!
もう 心配したわよ。
(世津子)芳江叔母さん 急に どうしたの?
実はね こんな時に言うのもあれなんだけど私たちも あの… 困っててね。
帰って下さい。えっ?
もう お金のことで私を頼らないで下さい。
約束したはずです!帰って下さい! お願いします!
何 言ってんだよ!あんただけが頼りなんだよ!
(叔父)そうだよ 世津子!もう帰って!
♪~
怒った叔父夫婦は週刊誌に あらぬ噂を売り込み世津子は 事務所を自ら やめることになりました。
そして 今に至る…。
みね子 ヒデ どうですか?
え~!? まだ ノーアイデア?結構 長かっ…。
あっ!わっ!わっ!
随分前に見た洋画でさこういうのがあったんだ。はい。
まぁ これは悪いやつらの話なんだけど敵に囲まれて絶体絶命って時にさ…。はい。
あっ その日はものすごい暑い日でさそこに 突然 アイスクリーム屋の屋台がやって来るんだよ。
何か こう かわいい…。
ぼよよ~んとした音楽なんか流しながらね。
ぼよよ~ん?そこは いいんだよ。
あ…。続けるね。はい。
「本日はアイスクリーム無料サービスだよ」って言うんだよ。えっ? それで?
みんな「おっ ただか?」みたいになってそっちに行っちゃってで その隙に 脱出!
お~!
でもアイスクリーム屋の屋台がないからな…。
今日も暑いからアイスとか カキ氷とか言えばわっと来ると思うんだけど。そっか…。
カキ氷…。
(ヤスハル)♪「若さゆえ 苦しみ」
♪「若さゆえ」(2人)カキ氷!
何だよ?
飛んで火に入る…。
夏のヤスハル。何だよ それ!
お願いします!お願いします!
分かんないけど… やだ!
というわげで 記者の人たちをなんとかしなきゃいけないんです。
なるほど…。あっ 俺が到着したら音楽を流すからバカでかい音で バカな音楽を。
バガな音楽?
あぁ 一度つくらされたことがあるんだ。
和菓子の移動販売をやろうと思って。
へぇ。
とにかく ドアを開けたら一気に2人で走って逃げろ。
俺は気が付いて追ってくるやつらを止めるから。
大丈夫ですか? ヒデさん。
大丈夫。こう見えて 結構 肩幅あるから。
肩幅?何でもない。
<何だが大作戦になってしまいましたがみね子世津子さんを救出してみせます>
では…。
おのおの抜がりなぐ。
はっ!はっ!
♪~
♪~
(ノック)
川本さん いるんでしょ?
・応えて下さいよ。
♪~
すみません ちょっと すみません。出前です すみません。
何だよ お前。すみません。
(ノック)すみませ~ん出前 お待たせしました。
(ノック)・川本さん 出前です。おいしいオムライス 持ってきましたよ川本さん!
みね子ちゃん?
川本さん いらっしゃいますか?出前で~す。
・川本さん 出前です。(ノック)
・開げて下さい 開げて下さい。
お願いします 川本さん。(ノック)
(鍵を開ける音)
(記者たち)あっ! 川本さん!
川本さん ひと言!
ダメでしたね。
邪魔なんだよ あんた。すみません。
みね子ちゃん!
どうしたの?
こご 出ましょう。
私んとごに行ぎましょう!ねっ?
こんなとごに こんな状態で一人でいちゃダメです!
ねっ 行ぎましょう!
どうして…?
世津子さんには幸せでいでもらわないと困るんです。
じゃないとお父ちゃんに起きてしまった悲しい出来事がなしになんない。
私は なしにしたいんです。
だがら…。
♪~
行ぎましょう! ねっ?
♪~
ちょっと!何 考えてるんですか!
そんなのダメです!あっ あっ ごめんなさい!
あっ どうしよう!
・(柏木)♪「あんこづくりは」
えっ? 何これ…。
・♪「あんこづくりは」
氷じゃねえかよ。
♪「勘頼み」
・(ヤスハル)さぁさぁさぁ 皆さん今日は暑いからねカキ氷が なんと 無料大サービスだよ。
行ぐよ!
♪~
うん!うん!
♪~
(記者)川本さん!