一方、アルファクラブと契約した場合は188万円(食事、返礼品込み)もかかる。祭壇や料理のグレードに違いがあるだろうが、契約先が違うだけで2倍以上の金額の差があることを、アルファクラブが合理的に説明するのは難しいだろう。顧客によっては騙されたと感じるはずだ。他の下請け葬儀会社にしても、二重価格が存在するのは事実。こうした事情があるため、買収を発表しにくいと勘繰られるのだ。
ユニクエスト・オンラインは「アルファクラブに買収されたのは事実。ただ小さなお葬式のサービス体制に変更はないので安心してほしい」としている。アルファクラブは回答期限までに返答がなかった。
葬儀の単価下落は急速に進んでおり、かつての高額な葬儀に慣れきった葬儀会社は、激しい環境の変化についていくのに苦労している。特に中小規模の互助会は淘汰が進んでおり、ビジネスモデルの見直しが急務だ。今回の小さなお葬式の買収が互助会業界にとってプラスになるのか、または二重価格問題が世間に知れ渡って信頼を失うことになってしまうのか――。今後の行方が注目される。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 野口達也)