JR北海道の鉄道事業の見直しを受け道内の鉄道網のあり方について議論するフォーラムが15日、札幌市内で開かれた。JR北海道の島田修社長や高橋はるみ知事らが参加し、将来の公共交通体系再編に向けて沿線地域ごとの協議を加速すべきだとの意見で一致した。
島田社長は昨年11月に鉄道事業見直しを表明した経緯について「人口減少が進むなかで鉄道をそのまま維持するだけでいいのか」と問題提起。経営が厳しさを増していることから「赤字事業の見直しは聖域にできない。何もしなければ3年後に資金ショートしてしまう」と訴えた。
高橋知事はJR北海道の経営状況を踏まえ「国による抜本的な支援が不可欠だ」と繰り返し強調。同時に「沿線地域ごとに利用促進策や将来の地域ビジョンなど議論を深めることが重要だ」と道が地域協議を後押しする考えを示した。
棚野孝夫道町村会長も分割民営化時に国がつくったJR北海道の赤字補填策が機能していないことを指摘。「(JR以外が鉄道施設を保有する)上下分離方式を導入し、下の部分(鉄道施設)は国が維持管理すべきだ」と、国に求めた。
これに対し北海道運輸局の石崎仁志局長は「(赤字路線を)何も対策を講じないで国が支援し続けるのは難しい」と述べた。