女子大生250人の尿を検査した結果
女子大生250人分の尿を集めた人がいる。集めたのはその女子大学の先生で、なんのためかというと、研究のためである。日本人の長寿の一因として挙げられる大豆をどれだけ彼女たちが食べているかを、尿中のイソフラボン量で調査したのだ。すると驚くべきことがわかった。なんと彼女達は、ほとんど大豆を食べていなかったのである。
大豆のおそるべきパワー
『大豆は世界を救う』(家森幸男・著/法研・刊)に書かれた実験によると、脳卒中を発病したラットは生後100日までに残らず死んでしまうという。けれど、そのラットに大豆たんぱく質を含むエサを与えると、寿命は2倍に延びたそうだ。また、更年期になったラットに大豆の胚芽を混ぜたエサを与えると、毛ヅヤが良くなり、肥満もなくなり、骨粗鬆症も起きにくくなり、若返りの傾向が見受けられたという。更年期近くなり、毛ヅヤが悪くなり、肥えてきた自分には聞き捨てならない話である。
著者である家森幸男さんは、世界数十カ国で大豆の摂取量の調査を行った。その結果わかったのは、大豆がよく食べられている地域では、住民の血圧とコレステロール値が低く、肥満が少なく、かつ心臓病による死亡が少ないというものだった。大豆には血管を若々しく保つ効果があるのだそうだ。普段大豆を食べない国の更年期以降の女性に大豆胚芽のふりかけなどを食べ続けてもらったら、3週間を過ぎる頃から、血圧や血中コレステロール値が低下して正常化し、骨からカルシウムが溶け出しづらくなった(つまり骨粗鬆症になりにくくなった)という。
女子大生はなぜ大豆を食べないのか
実は私は最近、小麦粉を食べない「グルテンフリーダイエット」に挑戦している。1カ月が過ぎ、体重は2キロ落ち、明らかに手足のラインが前よりもほっそりした。そして何より身体のむくみが取れ、身体がすごく軽い。小麦粉を抜くと、パン、パイ、ケーキ、ピザ、パスタなどの麺類など、かなり多くのものを食べられなくなる。けれど今は米粉や大豆粉などで代用品がたくさん作られている。私は今、米粉のパンをトーストしたり、おから麺パスタにバジルクリームをかけたりして、暮らしている。
女子大生達はオシャレだ。食事も、カフェでパンケーキやロールケーキだったり、イタリアンレストランでピザとパスタだったり、メニューに小麦粉がたっぷり使われているものが多い。目の前に美味しそうなものが山のようにあるのだから、地味な和食は毎日どころか時々しか選ばれない。そのため彼女たちの尿中には、大豆成分がほとんど含まれていない、つまり食べていないのだ。なので、このままでは日本人の寿命は短くなりかねない事態なのだという。
大豆を毎日摂る方法
私が小麦粉を抜いて結構困ったのがおやつで、ナッツやドライフルーツやせんべいなどで済ますのだけれど、助かったのが大豆粉で作った栄養補助食品「ソイジョイ」だった。粉で作っているので、小麦粉と同じような食べ応えがある。外食では、イタリアンや洋食よりは和食やアジア料理を選ぶことが増えた。小麦を使ったスープではなく、自然と味噌汁を飲む回数が増えた。本によると、味噌汁を毎日飲む人は、ほとんど飲まない人よりも乳がん発生率が40%も低いというので、私は健康になっていってるのかもしれない。
著者は大豆パウダーを配ったり、大豆を練り込んだパンを作ったりして、大豆を食べない国の人たちの健康状態を少しでも上げようと活動されている。外国の人は味噌や醤油もあまり使わないので、大豆を食べるクセすらついていないのだ。私は「打ち豆」という北陸などで使われている、カナヅチなどの硬いもので大豆をぺったんこに潰したものを最近愛用している。すぐ戻るので、コーンのようにスープやごはんに入れても美味しいし、煮物や炒め物にも混ぜられる万能っぷりだ。大豆のおかげなのか、ダイエット効果なのか、最近いろいろな人に「若くなった?」と言われる。同時に「彼氏できた?」とも聞かれるけれど、できてません。
日本人は縄文時代から大豆を栽培してきた。代々好まれてきたこの味を忘れることなく取り入れ続けていく方法を提案しくことが、今後さらに必要となってくるかもしれない。グルテンフリーダイエットは流行り始めているようなので、小麦粉の代わりを求める女子大生が、私のように大豆を口にする機会が増えることを期待したいところだ。
(文・内藤みか)
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大豆は世界を救う
著者:家森幸男
出版社:法研
冒険病理学者・家森先生が世界61地域をかけめぐって証明した、世界中の人々を健康危機から救うのは大豆という事実の全容。
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