天の川銀河含む「超銀河団」の地図作製、研究

2014年09月04日 13:35 発信地:パリ/フランス

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天の川銀河含む「超銀河団」の地図作製、研究 ▲ キャプション表示
×ドイツ北東部Guelpeを流れるハーフェル川(Havel River)上空に広がる星空(2014年2月23日撮影、資料写真)。(c)AFP/DPA/PATRICK PLEUL
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【9月4日 AFP】太陽系が位置する天の川銀河(Milky Way)を含む巨大な銀河集団「超銀河団」について、その地図を作製し、ハワイ(Hawaii)の言葉で「果てしない天空」を意味する「ラニアケア(Laniakea)」と命名したとの研究論文が、3日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。

 米ハワイ大学マノア校(University of Hawaii at Manoa)天文学研究所(Institute for Astronomy)のブレント・タリー(Brent Tully)氏率いる研究チームが発表した論文によると、ラニアケアは約10万個の銀河で構成されており、その質量は太陽のおよそ10の17乗個分という。

 研究チームは今回、最新の方法を用いて、天の川銀河が位置する超銀河団の地図を作製した。ラニアケアの端から端までの距離を光の速度(光速)で移動しても約5億年かかる。

 銀河は、宇宙全体にランダムに分布しているのではなく、集団を形成する傾向がある。各銀河は、フィラメント(糸状)構造を成す物質で構成の「宇宙のクモの巣」で結び付けられ、重力で拘束されている。

 これらのフィラメントが交差する場所には、数千個の銀河が凝集している場合がある。だがこれらのいわゆる超銀河団の境界の判別、つまり宇宙で各超銀河団が占める領域の範囲をどのように定めるかは大きな議論の的になってきた。

 研究チームは、銀河の巨大データベースを詳細に調査し、天の川銀河の近傍にある銀河8000個を抽出。それらの動きを調べ、約140億年前に「ビッグバン(Big Bang)」によって始まった宇宙の膨張運動に対する各銀河の相対速度を推算し、銀河の位置を算出した。

 最大の課題は、「グレート・アトラクター(Great Attractor)」と呼ばれる巨大な重力源を解明することだった。これは、ラニアケア超銀河団内に底が平らな重力の「谷」が形成されている現象だ。

 グレート・アトラクターの存在によって、ラニアケアの範囲を定める試みは数十年にわたり困難に直面してきた。

 グレート・アトラクターは、銀河の運動に関する計算を混乱させる原因になる。その理由は、銀河には宇宙膨張による外向きの力が作用しているが、多くの銀河が斜面を水が流れ落ちるようにその「谷」に引き込まれるからだ。

 グレート・アトラクターの重力機構に関する理解を深めた研究チームは、ラニアケア超銀河団が予想以上にはるかに巨大であることを突き止めた。これまでの推算では、ラニアケアの直径は約1億光年とされていた。(c)AFP

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