ホンネの転職白書
転職で年収アップした人のキャリアタイプにどんな特徴があるのでしょうか。誰もが年収アップだけのために転職するわけではありませんが、転職理由ランキングでも「給与に不満がある」は常に上位に挙がる項目です。転職で年収アップした人・していない人の間には、そもそもキャリアタイプにおいて何か違いがあるのか、違いがあるとしたらどんな点なのか、約23,000人のデータから探ってみました。
まず先に結論を言うと、転職で年収アップした人・していない人の間で、キャリアタイプに極端な違いは見られません。特に「性格」「能力」「行動基準」に関しては、転職で年収アップした人・していない人の間にほとんど差がないことが分かります(グラフ1~3)。
転職マーケットでは、リーマン・ショック後から景気回復トレンドの現在に至っても、採用要件に合う人材を厳選して採用しています。採用充足しなくても条件を緩めるのではなく潜在的なポテンシャルを吟味しています。そうした厳しい採用プロセスを経て内定・入社した23,000人なので、パーソナリティや能力の面で大きな違いがないのは当然とも言えます。
年収アップした人・していない人のキャリアタイプの違いは、「フィットする仕事スタイル」や「フィットする企業風土」に表れているようです(グラフ4~5)。
「フィットする仕事スタイル」 「フィットする企業風土」 の中で、スコア差が1.0ポイント以上だった項目に着目してみると、「年収アップした人」 のほうが高めだった項目は次の5つです。
周囲の人たちをサポート … 周囲の人々の要望に対して柔軟に対応しサポートすることが求められる仕事スタイル
育成型 … 上司や先輩からの指導・支援によって着実に人を育てていく企業風土
安定的 … 規則やルールに則って行動し、周囲の人との協調を優先する企業風土
管理型 … 決められたルールを守り、先輩や上司からの意見や指示に基づき行動することが求められる企業風土
年功序列型 … 先輩や目上の人の存在や発言を重視して行動転職理論することが求められる企業風土
「転職で年収アップした人」というと、どちらかというとアグレッシブな人物像がイメージされがちなので、やや意外な項目が並んだようにも思えます。転職して中途入社する人には、即戦力として入社後早々にパフォーマンスを発揮することが期待されますので、既存の組織への順応性が評価された可能性があります。また、「自分のやりたい仕事、希望の会社であれば、年収にはこだわらない(下がってもよい)」 と考えて転職活動している人であれば、そのマインド自体が評価されて内定につながったということも考えられるでしょう。
転職で希望に合った仕事に就くには、自己認知がとても重要です。自己認知とは、働くうえで自分が何を大切にしていて、どんな働き方を望んでいて、そうした希望を叶えるだけのスキル・キャリアが備わっているのかを正しく知ることです。しかし、そう言うのは簡単ですし、頭では分かっていても、自分のことだからこそ見る目が甘くなってしまうことも多々あります。ですから、転職活動の早い段階でキャリアタイプ診断を受けて、客観的な自分の姿を知っておくことをおすすめします。
自分の志向やキャリアタイプにフィットした会社や仕事に巡り合い、さらに求人企業側に、「この人は入社後に活躍してくれそうだ」 と感じてもらえれば、内定獲得やより高い年収の提示の可能性を高めることでしょう。
■ 転職活動する人も、今は考えていない人も、キャリアタイプ診断が役立ちます
HITO総合研究所 執行役員 須藤芳紀
「転職成功には正しく自己認知することが重要」 と言われますが、何も転職希望者に限ったことではありません。今は転職しようと思っていないという人でも、中長期的なキャリア形成を考えるなら自分のキャリアタイプを把握しておいたほうがいいのは間違いありません。働く個人側がやりがいを求めるのと同様に、企業側でも貴重な人材に最適な場で長く活躍してもらいたいと考えていますので、企業が既存社員の最適配置や育成のためにキャリアタイプ診断を採用する事例も増えてきています。
DODAキャリアコンサルタント 大浦征也
転職活動の取り組み方・考え方として最も重要なことは、「転職で何を改善したいか、何を実現したいかの優先順位を見失わない」 ことです。しかし、実際に活動をしてみると、さまざまな魅力的な条件などに目移りして優先条件がブレてしまうケースが多いのも事実です。そういった観点から、キャリアタイプ診断のような客観的な指標を参考にするのはとても有効だと思います。ただ、決して診断結果に縛られる必要はありません。診断結果を踏まえつつ、その結果には表れないような定性的な志向や適性をベースに、マッチする会社や仕事を私たちキャリアコンサルタントが一緒に探します。
次に、「転職で年収アップした人」 を20代、30代、40代以上、の年代別でキャリアタイプに違いがある項目を見てみましょう。
「みんなをまとめて引っ張っていく」「自立型」「権限移譲型」「成果主義型」の項目が年代が上がるにつれてスコアが高くなっていました。転職する・しないにかかわらず、30代、40代と、年齢とキャリアに比例して組織の中ではマネジメントの役割を求められます。働く本人もキャリアが長くなるにつれてチームや組織全体での課題達成を志向するようになるでしょう。
これに対して20代は「ジェネラリストを目指す」「周囲の人たちをサポート」「育成型」「アットホーム」などのスコアが高く出ています。キャリアが短いうちはチームや組織の一員として、先輩や上司の助言を受けながら自分自身のスキルとキャリアを広げていく時期でもあります。
このように、年齢とキャリアによって求められる役割の変化がキャリアタイプの結果にも表れているようです。
さらに、「転職で年収アップした人」 を男女別でキャリアタイプに違いがある項目を見てみましょう。
男性が「スペシャリストを目指す」「みんなをまとめて引っ張っていく」「権限移譲型」「自立型」、女性が「ジェネラリストを目指す」「周囲の人たちをサポートする」「管理型「育成型」にスコアが寄っていますが、年代別の差に比べると、男女別の差はあまり大きくありませんでした。
年齢やキャリアによって求められる役割が変化するのでキャリアタイプにも違いが表れるということには合理性がありますが、男女によってキャリアタイプに大きな差がないことは逆に納得できるのではないでしょうか。
キャリアタイプ診断とは?
キャリアタイプ診断は、インテリジェンス独自の診断サービスです。120の質問に回答することによって、キャリア形成に影響する要素を 「性格」 「能力」 「行動基準」 「仕事スタイル」 「企業風土」 の5カテゴリ・28項目で診断します。診断結果は「得点」ではありませんから、「点数が高い・低い」 とか 「結果が良い・悪い」 という評価ではありません。「自分の性格にはこういう特徴がある」 「自分の仕事に対する志向にはこういう特徴がある」、ということを把握していただくものです。
ご登録後、すぐにご紹介できる求人がない場合は、インテリジェンス DODAカスタマーセンターよりその旨をご連絡の上、 求人発生時まで求人紹介・カウンセリングをお待ちいただいております。あらかじめご了承ください。
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