福島第一原発での事故発生以来、東京電力の株や社債が暴落し、金融市場に動揺を与えている。震災前、1株2153円だった東電の株価は、5月2日の時点で426円。株主たちは巨額の含み損を余儀なくされた。
ただ、この暴落で大損をしたのは、一般の投資家だけではなかったようだ。
「東京電力の株は、実は天皇家も保有されています。天皇家は、いわゆる『内帑金(ないどきん)』という形で、株や債券、現金などの金融資産をお持ちです。その一部が安全資産ということで東電株に投資されていたのですが、今回の震災後、相当な損失を被ってしまったと見られています」(宮内庁関係者)
憲法88条の規定では、「皇室財産は、国に属する」とされており、実際、皇居や各地の御用邸などの不動産は国有地になっている。だが実際には、天皇家がそれ以外に金融資産を持っているのも確か。昭和天皇が崩御した際、今上天皇は約9億円の資産を相続し、約4億円の相続税を支払った。これらの資産が「内帑金」と呼ばれるものだ。
「もちろん、陛下ご自身が資産運用をされるわけではありません。侍従から宮内庁の皇室財産を管理する部門にそれとなく相談があり、確実かつ安全な投資先を紹介しているのです」(同)
もともと国債並みの高格付けを誇り、絶対安全資産と思われていたのが東電の株や社債だった。また、皇太子は独身時代、当時経団連の会長でもあった平岩外四・元東電会長との親交が深く、天皇家が東電に投資していくきっかけになっていたという。
「こうした経緯があり、数億円の資産が、東電の株や社債の形で運用されていたと思われます。したがって3月11日以降、天皇家の資産は、数千万円以上も目減りしてしまっているはずです」(別の宮内庁関係者)
原発事故の直後、「天皇の京都遷座」というプランが政府内で浮上したという。しかし、「東京大空襲の時も昭和天皇は皇居を動かなかった。自分は東京を離れない」という天皇の強い意思により、沙汰止みになったとされる。そんな陛下に、「人災」で大損をさせてしまった東電と菅政権。罪は深い・・・。
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