ツイッターにこんな書き込みがあふれた。しかし、それも一時のこと。やがて事件のことは世間の話題にすら上らなくなった。
捜査員は黙々と河川敷を掘り続けたが、手がかりとなる物証は何一つ見つからないまま10カ月が過ぎた。
■捜索断念
一向に進展しない捜査に幹部の焦りも募った。遺体が捨てられたとされるのは10年も前。親族らの供述も二転三転して定まらない。そのたびに掘る場所の変更を迫られた。
また、遺体の損壊を恐れて重機をほとんど使わず、スコップでの掘り起こしを中心に作業を進めたため、捜査員の身体的負担も大きかった。
乳幼児の小さい骨は分解され、跡形もなくなってしまったのかもしれない。あるいは川の増水で流されたのか。疲労がピークに達した今年5月、府警はついに捜索の続行を断念。死体遺棄容疑については公訴時効(3年)が成立しているため、不起訴を前提としてこれまでの捜査内容を大阪地検堺支部に書類送検、8月に不起訴が決まった。
祖母らは男児の死因について「朝起きたら死んでいた。顔の近くにキャットフードが落ちていた」などと述べるにとどまっている。
男児の死亡の経緯が不明なため、今後証拠が見つかれば殺人容疑で事件化できる余地はある。だが捜査員は「遺体が出なかった以上、殺人で勝負するのは無理だろう」と厳しい見通しを打ち明けた。
事実上の捜査終結となった5月、捜索現場に花が手向けられた。
「こんな寒々しい場所に10年も、たった1人」
捜査幹部による無念の献花だった。
■976人の子供はどこに
今回の事件は1年以上居場所が分からず、就学実態の確認もできない「居所不明児童」の問題が注目されるきっかけにもなった。
居所不明児童の数は昨年5月時点で976人。複雑な家庭事情が確認の妨げになっている側面もあるが、自治体の調査がうやむやの状態で終わっているケースも散見される。