怪物の敵は拳にあり！？　高校生初のアマ７冠でプロデビューから３戦連続ＫＯ勝ちした“怪物ボクサー”井上尚弥（２０＝大橋）が１７日、前夜に日本ライトフライ級１位の佐野友樹（３１＝松田）を１０ＲＴＫＯで破った試合を振り返り「いろんな意味でいい経験になった。一番は１０Ｒを戦えたこと」と収穫を挙げた。

　次戦は同級王者の田口良一（２６＝ワタナベ）に挑戦する可能性が高い。井上は「日本のタイトルマッチがはっきり見えてきた」と意気込む一方、唯一の“不安材料”と言えるのが３Ｒに負傷した右拳の回復具合。この日に病院で検査を受けたところ、骨には異常はなく「打撲」と診断されたが、実はプロ２戦目前の練習中にも痛めた箇所なのだ。

　井上自身も「（ケガが）クセになるかもしれない」と再発の不安を口にする。父でトレーナーの真吾氏（４１）は「１か月は右を使わない状態にして、その時にどうなっているか。次は大事な試合なのでしっかり完治させないと」と慎重な姿勢を見せた。ここまで破竹の勢いに乗る怪物ボクサーだが、当面の“敵”は己の拳と言えそうだ。