先ごろGoogleはARメガネ、Project Glassのイメージビデオを発表して大評判になった。Googleのウェアラブル・コンピューティングのビジョンは現時点ではいささかSFじみているように思えるのだが、 有力調査企業のForresterから発表されたレポートによれば、ウェアラブル・コンピューティングは3年以内にあらゆるIT企業の戦略にとって重大な意味を持つようになるという。
レポートの作成者、Sarah Rotman Eppsによれば賢明な戦略担当者は5大プラットフォーム(Apple、Google、Microsoft、Amazon、Facebook)を念頭に置いてどんなアプリケーションが可能であるかすぐにも実験を始める必要があるという。
Rotman Epps’は上記5大プラットフォームのいずれがブレークスルーを行い、それによってウェアラブル・コンピューティングがメインストリーム化するというシナリオを描いている。
Rotman Eppsが特に重視するのはAppleの動向だ。圧倒的なブランド力に加えて洗練されたマーケティング能力、充実した販売チャンネル、優れた開発力、巨大な製造エコシテムを持つAppleはBluetoothとWiFi接続機能を備えた小型で安価なウェアラブル・デバイスを開発、販売するのに最短距離にいる 。
Rotman EppsはAndroidプラットフォームのオープン性のおかげでGoogleもメジャーな存在になるどうと予測する。AndroidはすでにSonyのSmartWatchやWimm Oneのような初歩的なウェアラブル・デバイスですでに利用されている。しかしGoogleには集中力が不足しており、販売チャンネルも弱いので、それが普及の足かせになる恐れがあるとしている。
MicrosoftはすでにOSをモバイルに最適化しており、Kinectセンサーを持っているのが強みだ。Amazonには強力な製造能力と販売チャンネルがある。Facebookの膨大なソーシャルグラフもウェアラブル・コンピューティングをメインストリームにするために欠かせない要素だろう。
Rotman Eppはウェアラブル・コンピューティングもスマートフォンの普及と似た経路をたどるだろうと予測している。最初にアプリとデバイスを市場に投入するのはやはりAppleかもしれない。Googleはおそらくオープン・プラットフォームで対抗し、デベロッパーにAppleより大きな自由を与えることによってエコシステムの拡大を図るだろう。Microsoftは最近ウェブの標準規格に軸足を移したことが幸いし、さらにオープンな、特定のプラットフォームによらない、いわばアンチ・プラットフォームなOSや開発ツールを提供できるかもしれない。Microsoftの開発環境からはAppleやGoogleよりも革新的なデバイスやアプリが登場してくる可能性があるとRotman Eppは予測している。
このレポートでは、賢明なデベロッパーや製品企画者は上記5大プラットフォームおよびNikeやAdidasのような技術力の高いアパレル・メーカーと提携する努力をいち早く開始すべきだと結論している。
〔日本版:サングラス・メーカーのOaklyもGoogle Glassに対抗するようなARメガネを開発中だという。 〕
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)