設計下回る風速で損傷か 羽根落下の風力発電機
<羽根と発電機が脱落した風力発電機=8日午後、三重県の「ウインドパーク笠取」> 中部電力のグループ会社「シーテック」(名古屋市)が津市から三重県伊賀市にまたがる発電施設に設置した風力発電機から長さ約40メートルの羽根3枚と発電機が脱落した問題で、この発電機が最大70メートルの風速に耐えられる設計だったことが8日、同社や製造元の日本製鋼所への取材で分かった。シーテックによると、損傷した発電機に付いていた風速計は最大約28メートルしか観測しておらず、強度設計をはるかに下回る風速で損傷した可能性がある。シーテックと日本製鋼所は事態を重視し、それぞれ調査チームを立ち上げる方針を決めた。日本製鋼所によると、損傷した発電機は「J82-2.0」で、発電施設内で19基が稼働。他の18基に損傷はなかった。このほか、北海道から九州地方にかけ、86基稼働している。耐久年数も20年とされているが、損傷した発電機は稼働開始から約2年半しかたっていなかった。